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 今週の「ツバサ」。マガジン雑誌本編のタイムリーネタバレ感想、Chapitre.176「動かぬ躰」の感想です。
 超長期伏線回収…キターーー(>▽<)。
 ◇

 写身小狼がサクラの肩口を刺してサクラ流血。もうどうしようもないのかという所で、飛王の必要なのは次元を記憶するサクラの躰の方だから、心の方は殺しても構わない発言。写身小狼の心を殺し、サクラの心も今また殺そうと、心を殺して躰をいいように操って目的を成し遂げようとしてる飛王という図の所から、心の記憶ではなく、躰の記憶のために写身小狼はサクラを殺せないという展開でまさかの逆転。

 「躰の記憶」の是という伏線が張られたのは、実に3年前の「修羅ノ国編」でのサクラが小狼に思わずお目々チューしちゃうシーンですよ(Chapitre.64「途切れた記憶」)。読んだ当時はサクラ×小狼ばんざいばんざい!な場面だけなのかと思って悶えてただけだったんだけど、こんな最後の最後で決定打に使われるとは思わなかった。

 「それって躰の記憶かもしれないね 侑子が言ってたの 記憶にはね ふたつあるんだって 心の記憶と躰の記憶 心はもちろんすっごく大事なんだけど躰も大事なんだって 時には心が忘れても躰が覚えてることもあるんだって だからね 羽根が全部戻るまで躰の記憶がサクラを助けてくれるよ」(モコナ/Chapitre.64「途切れた記憶」)

 ってな感じで、当時は心の方の記憶を消失していたサクラにとって、この「躰の記憶」というのは一縷の希望のように非常に作中でポジティブなものとして描かれていたワケです。そして、お目々チューはサクラの体験だけではなくて、写身小狼の体験でもあるから、写身小狼の躰の記憶としても残っていると(別にお目々チューイベントだけじゃなくて、「東京編」以前のサクラとのイベント全てが躰の方に刻まれてるということなんだと思うけど)。それを、大川さんが「東京編」以降全てが反転するとインタビューで語っておられたツバサという作品の構造を受けて、「東京編」以前はサクラにとっての一縷の希望だったこの「躰の記憶」が、「東京編」以降のこのクライマックスにきて、反転して今度は写身小狼の希望として機能しだしたと。

 何度も書いているように、「東京編」以前の仲間達の旅は例え仕組まれた虚構の旅だったとしても、そこで培われた写身小狼、サクラ、黒鋼、ファイ、モコナの「関係性」はホンモノだ、というのがこの作品の落としどころだと思われるので、虚構の存在だった写身小狼の中にも、奪うことの出来ない躰の記憶として培われた関係性が残っているというのが構造として美しい。

 「インフィニティ編」ラストでサクラが心と躰に別れた時はどういう話なんだと思ったけど、まさか3年前のピースを使ってこういう風に一枚絵としてつなぎ合わせて表現されるのだとは思わなかった。パズル型作品を能動的に追ってる読者のみが味わえる快感をがっつり味わわせて貰いました。ごちそうさまでした。

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