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 「一人で泣いてるくらいだったら、俺を呼べよ」(岡崎朋也)

 地方ゆえにTVでは視聴できなかった京都アニメーション版「CLANNAD」、ようやくDVD1巻が発売となりまして初視聴。原作プレイ済み、というか原作は生涯ランキング殿堂入りの一作くらいの勢いの僕の立場からDVD1巻部分の感想です。TVで追ってる方も読めるように、原作のコアなネタバレになる部分は白文字で反転したりと、一応気を使って感想書いております。
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●第1回「桜舞い散る坂道で」/感想

 冒頭→オープニング導入部分だけでアニメの神さまを見ました・゚・(ノД`)・゚・(←早すぎ)

 京都アニメーションの作品では、「涼宮ハルヒの憂鬱」の第2話(TV放映時)の冒頭にもあった、「君と出会った瞬間に世界が彩りを持ち始めた演出」。「涼宮ハルヒの憂鬱」では、超常現象などないという現実に埋没していたキョンのモノローグがモノクロ調の映像で淡々と語られた後、席の後ろのハルヒ演説(有名な、「ただの人間には興味ありません」のやつ)をうったハルヒを振り向いたキョンが見た瞬間に、映像が一気にカラーになるという演出があったのですが、それと同じく、「この町はキライだ」から始まる朋也の厭世のモノローグと、変わらないモノはないということに脅える渚の独白とがモノクロの映像で淡々と描かれた所で、朋也が渚に向かって「次の楽しいこととか、うれしいことを見つければいいだけだろ」と声をかけ、渚が朋也を見た所で、画面が一気にカラーに。そこから有名な「俺たちは登り始める。長い、長い坂道を」のキーフレーズで朋也と渚が坂を上っていく所で、オープニング、メグメルへ。ここまでで既に涙目で視聴しておりました。これは、DVD買って良かった。

 オープニングは、詳しく語るとネタバレになるので、反転して↓

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 駆け抜ける汐が描かれてることから、アフターストーリーをやるのは確実として、意外とちょっとだけ映ってる要素として、原作ラストシーンの、「この町の願いが叶う場所」で寝そべる幻想世界の少女を、目を覚ました私服姿の風子(幽霊だっただけに、一番幻想世界の少女のような神秘的存在と近いから見つけることができた)が見つけるカットが描かれているので、アフターストーリーからループしての、渚生存のトゥルーエンドまでやるものと思われる。TV視聴はできてないけどタイムリー視聴してる方のブログの感想で、風子のグッドエンド(風子と結ばれるのではなく、渚と朋也の恋愛を尊重しながら、公子さんに風子の想いが届くエンド)が描かれるのは知っているから、風子グットエンド後、アフターストーリーで風子は目覚め、アニメ版でもまた物語に参加してくると思われる。

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 内容は、CLANNAD序盤の、進学校で皆一方向に進むエスカレータに乗ってるかのような環境で、そんな無標のエスカレーターには乗れない、ドロップアウターとしての、家庭環境に問題がある朋也(日が暮れるまで時間を潰すさまが虚無感を漂わせる演出で描かれている)と、留年している渚とが、エスカレータからは降りている所で出会い、ドロップアウター同士ちょっとだけ距離を縮めるという様が最初から満載で良かった。

 渚邸での家族の団らんを知ってから、自分の家での家族に対する絶望への変遷。そんな袋小路の状態から朋也が何かに惹かれるように渚邸の前まで辿り着き、演劇の練習をしている渚が救い主のような演出で神々しく現れ、例の一大伏線台詞、

 「もしよろしければ、あなたをお連れしましょうか?この町の願いが叶う場所に」(古河渚)

 を口にした所でエンディングへ。神過ぎる。初回からこれでは、終盤とか、もう視聴しながら泣き崩れそう(実際原作やってた時何回もマジ泣きしてたけど)。

 エンディングは、初回限定版オンリー特典の「石原監督スペシャルインタビュー」内で監督も語っておられたけど、原作最後までやってると、この意味が分かる(泣ける)というシロモノ。これくらいはネタバレしてもいいと思うけど、作中の「だんご大家族」はちょっとした遊び要素ではなくて実はテーマ上の一大伏線なのです。

●第2回「最初の一歩」/感想

 智代、ことみ、風子と主要組が続々登場。そんな所にそこまで力入れんでもというクオリティーでアクションする智代キックのシーンは笑った。あとはことみのハサミ、風子の星形彫刻と、後々重要になるガジェットも登場。こういった何気ないパズルのピースが、パズルが組み上がってきた時に涙腺を直撃する決定的な一ピースとしてハマるのがKEY作品です。

 ラストは、朋也のドロップアウト要因、バスケができない右腕が明らかになって、渚が倒れた所で引き。「痛み」を抱えてる者同士が、とりあえずお互いの痛みを認識して、二人の関係は進んでいきます。

・ロリっぽい風子が可愛すぎる。トリップしてる時の表情変遷とか、萌え要素とそれを表現する凄まじい技術とを一度に体験して複雑な気分になる。
・こう、風子は年下の小動物的な感じが、後のリトルバスターズ!のクドに繋がるキャラなのかなとフと思った。

●第3回「涙のあとにもう一度」/感想

 公子さん、芳野さん、有紀寧と、サブキャラも登場。あとの二人はともかく、有紀寧はアニメ版ではどういう立ち位置になるのかな。有紀寧は作中の中でも最も重要なワンフレーズを語るキャラなので、個別ルートは描かれなくても、うまいシチェーションであの台詞(それは、人の心がかわってしまったからではないでしょうか?)を絡めて欲しい所。

 ストーリー本筋は、朋也と渚の演劇部復活への活動の序盤が淡々と。この、進学組が一方向へ進んでる所で、その流れには乗らず(乗れず)演劇部復活活動なんかやってるドロップアウター二人というクラナド序盤の構図はやっぱりしみじみ来ます。そして、次回予告から、次は渚と朋也以外の仲間探しのお話に。この一方向へ進むエスカレータから一人、また一人と、一見無意味に思える活動に仲間が集まってくるストーリーラインは原作プレイ時と同様妙な郷愁感を感じます。これは、「アフターの渚の卒業式に仲間が再集結する所とか絶対泣くんだろうなぁ」。

●アニちゃんねる!CLANNAD特集:ゲスト:中原麻衣さん/感想

 初回限定版のみ収録の特典映像。声は各所で聴いておりますが、中原麻衣さん本人は初めて見ました。美人さんです。

 朋也のドロップアウターっぷりに対して、

 「いいんですよ。学業なんて」

 と言い切ってしまって、その後、やば、一応公向けにフォローしておかなきゃ的に自分の発言に一生懸命フォロー入れてるあたりが可愛かったです。

 会話の流れ上スルーというか意図的に話題を変えられてましたが、高校時代は宇宙人と交信しようとしてたとかの爆弾発言も面白かった。リアルハルヒです。

●石原監督スペシャルインタビュー/感想

 これまた初回限定版のみ収録の特典映像。これが、個人的にはだいぶ良かった。こんな神アニメを作るトップクリエイターの生の声はそれだけで限定版分の+アルファの金額を軽く凌駕する価値があります。

 幻想世界と現実世界との間にあえて違和感を出したくて幻想世界の方は24コマフルアニメを慣行しているというお話や、実際に原作をプレイして作品のテーマを踏まえた上での自分の体験としての「家族」や「縁」に関する語りが良かった。

 原作プレイ時期が、発売当時ということで原作ユーザーに感覚が近いんじゃないかと思われる所が一つは強みという締め。原作ファンは原作愛してる人にやっぱり作って欲しいから、この辺りは嬉しいですよね(つーかもう、語り口のふしぶしから、原作への愛が(笑))。

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 僕的な解釈でのCLANNADの一大テーマは、「家族」とか「絆」という分かりやすい部分以外に、「変わる/変わらない」というもの。その点は、原作の過大解釈ではないらしく、アニメ版序盤3話を見ただけでも随所に仕込まれていて僕としては満足でした(代表は、第1回冒頭の、渚と朋也の「変わること」に関する会話)。

 ああ、超満足。もう一度観よう。オーディオコメンタリーの方も聴いてみて再発見があったら感想記事に追記しますー。

CLANNAD 1 (初回限定版)

CLANNAD 1 (通常版)

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