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Fate/stay night に参加中!
 毎年やってる、今年僕が読んだ本や漫画、見たアニメから個人的なベスト5を選ぶという企画。例年は部門ごとに記事を立てていましたが、今年は時間の関係上、一気にやってしまいます。「音楽部門」「漫画部門」「小説部門」「アニメ部門」の4つです。必ずしも今年刊行開始/放映開始した作品ではなく、たまたま今年僕が読んだ/聴いた/視た作品という形になっております。結構長くなったんで、読む人は少々気合い入れて読んで下さい(笑)。
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2007年ベスト「音楽部門」





第5位
島みやえい子『奈落の花』


 抜け出してって 抜け出してって 悲しすぎる運命から あなたは奈落の花じゃない

 アニメ「ひぐらしのなく頃に解」主題歌。オープニング映像部門を設けたら間違いなく一位というすばらしいオープニング映像とセットでこの曲もという感じも強いですが、「奈落の花」という存在の、梨花ちゃんと鷹野さんのダブルミーニング、それを通して、ひぐらしという作品の全てを背負っての、そういった運命の束縛からの脱出、打破というのは、運命の打破という同じような題材を扱った楽曲の中でも珠玉のものがあります。数あるひぐらしソングの中でも、これがベストオブひぐらしソングだと思っております。

奈落の花




第4位
宇多田ヒカル『Beautiful World』


 自分の美しさ まだ知らないの

 世界で一番好きなアーティストの新曲がエヴァ新劇場版の主題歌ということで、勿論ランクイン。こちらはそんなにエヴァとは結びつけずに、曲単独で好きな感じ。美しいメロディーに聴き惚れていました。

 宇多田ヒカルの歌は全曲I−PODに入ってて折に触れて聴き返してるので、聴き返し回数ではアーティスト別では圧倒的にトップということで、色々代表してこの曲が4位ということで。アーティスト別にランキング付けたら、たぶん一生1位です。

Beautiful World / Kiss&Cry




第3位
SusSet Swish『モザイクカケラ』


 モザイクカケラ 拾い集めてた 上手く生きるための術 歪なそれが美しく見えたんだ

 アニメ「コードギアス 反逆のルルーシュ」後期エンディング曲。これも非常にコードギアスという作品そのものとマッチしてるんだけど、単独でも、普通には生き難い不器用さ、かといって世界の方を変えようとしても圧倒的に立ちはだかる世界、そのどうしようもない感じが切なくも有るんだけど、同時に美しくもある、みたいな感じが滲み出てて好きな楽曲。メロディーの美しさにやられてました。

モザイクカケラ




第2位
Rita『Little Busters!』


 やがてくる 過酷も

 「リトルバスターズ!」主題歌。まだゲーム本編を途中までしかやってないので、歌詞の表現する所を十分に消化してるとは言い難いんですが、そういうのが無くても先行販売シングルで初めて聴いた時に、フイに涙が流れた一曲。それくらい圧倒的。麻枝さんという人はあのシナリオを書いて、こんな曲を創って、そして両方が関連しながら一つの世界を創っていて、本当、僕なんかには天上人なのでした。

Little Busters!




第1位
Number 201 Feat. MAKI『黄金の輝き』


 答えないど無いと知っていても 理想の果てを求め続ける あの日見上げた星は今も 焼き付いて消えることはないよ たった一つの確かなモノ 始まりの自分追いかけている

 Fate/stay night[Realta Nua]主題歌。理想の求道歌。文句なく、今年の音楽部門ベストオブベストです。I-TUNEに残ってる記録から、聴いた回数も他の曲から群を抜いて多いです。「THIS ILLUSION」(PC版Fateの主題歌)もいいんですが、あっちは桜ルートも含意しての主題歌という感じなのに対して、こっちはセイバールートど真ん中といった感じの歌。僕は魂の底から共感したのはセイバールートなので、こっちが好きです。自分を削っても理想を求め続ける。全員助けられないとは解っていても、助けようとする。誰が何と言おうと、そんな始まりの自分を信じている。危ういけど美しい。

Fate/stay night[Realta Nua]テーマソングマキシシングル「黄金の輝き」




2007年ベスト「漫画部門」



第5位
松井優征『魔人探偵脳噛ネウロ』


 「支柱(ささえ)など考え方次第でいくらでも作れる」

 シックス登場のインパクトも凄かったんですが、そのちょっと前の、弥子が多重存在とも言えるサイのまるまるをひっくるめてそれがサイだとアイデンティファイしてあげる所と、自分が解らなくて不安で不安でしょうがないと訴えて暴走しているサイをネウロが精神的支柱など恣意的にいくらでも作れる(だから自分で作れ)とぶった切ってる所とが、今年のハイライト。事実上、究極の自分探しというサイの物語が完結。ほぼ松井先生に共感しています。「自分探し」「たった一つの確固たるアイデンティティ」みたいな概念自体が、前時代の脳が生み出した幻影だと思ってます。

魔人探偵脳噛ネウロ 11 (11) (ジャンプコミックス)




第4位
土塚理弘・五十嵐あぐり『BAMBOO BLADE(バンブーブレード)』


 「第一ねあんた 部活の時間を勉強にあてて多少成績上げるよりも――得意な剣道頑張って、内申よくして推薦で大学行った方がいいんじゃないの!!?」

 気軽な楽しさをタイムリーに届けてくれました。今年は、5人目東さんの加入で落ち着いての磐石の部活エピソードから、タマちゃんの宿命のライバルらしい榊心が登場して、物語全体が「転」のパートに入った所まで。

 どうでもいいんですが、激しくサヤLOVEなんですが、僕はどうしたら……(どうもしません)。

BAMBOO BLADE 7 (ヤングガンガンコミックス)




第3位
佐原ミズ『バス走る。』


 「叶うらしいんです…一日10回飛行機つかまえられたら 願い事一つ…」

 ここからオールタイムベストクラス連発。まずは佐原ミズ『バス走る。』。頑張って言語化した感想も読んだ時は書きましたが、言語化以前のレベルで何かを圧倒的に表現しています。それが、漫画という媒体だからこそ可能なんだなと思わせられるもので、漫画万歳という感じ。感性にまかせて、一読アレ。

バス走る。 (BUNCH COMICS)




第2位
紺野キタ『ひみつの階段』


 「制服に守られてた頃は、挫折も妥協もしらなくて、自分のためだけの確かな道があるはずって信じてたっけ。私の生徒達も変わらないよ。自分があたりまえの女の子でなんかありたくないんだなァ。普通のオバサンにだけは死んでもなりたくない!みたいなねー。ジタバタしながら、みんな自分だけの冒険をさがしてる。はやくはやく、時間がなくなってしまう前にってね」

 神少女漫画。現実とファンタジーが混在する世界観の寄宿舎ものという古典的題材を、古典の魅力を十全に詰め込みながら描ききってます。なんとなくですが、サブカルチャー化、データベース化、シミュラークル化、萌え化する以前の、まだ一種の芸術を漫画が志向していた頃の作品という感じ。少女創作の美しい原点がここにあります。

ひみつの階段 (1)




第1位
CLAMP『ツバサ』&『XXXHOLiC』


 「みんなで4分の1ずつ対価を払って一緒に行こう。サクラを助けに」

 例年通り、この二作は二作で一作扱いで。

 インフィニティ編ラストから、セレス国編決着までの、ファイの物語が中心だった今年分。死にたがりの自己犠牲者という、わりとよくある題材に対して、自己犠牲or他者犠牲というオールオアナッシングではなく、「関係性」がある仲間と対価を分割しながら(犠牲を分け合いながら)進んでいこうという落としどころをつけたのは見事だったと思いました。既にこの二作は一生モノの作品になってます。

ツバサ21巻 限定版

XXXHOLiC 12 (12) (KCデラックス)




2007年ベスト「小説部門」

 すいません。自分でもビックリしたんですが、普通の小説は、「マリア様がみてる」シリーズと、「カレン坂高校可憐放送部」しか今年は読んでませんでした。なので、1位マリみて、2位カレン坂ということで一つ。ビジネス書とか、歴史書とか、勉強の本ばっかり読んでたなぁ、今年は。

マリア様がみてるキラキラまわる (コバルト文庫 こ 7-56)

カレン坂高校可憐放送部 (コバルト文庫 ひ 8-1)




2007年ベスト「アニメ部門」





第5位
『機動戦士ガンダムOO』


 「この世界に神なんていない」

 第8話ラスト、第11話ラストなど、所々に無条件で喝采を送るしかないレベルの技アリシーンを経験させてもらってるので、来年にかけて期待。最燃えシーンは、やっぱり第5話の「ガンダムマイスターは一人じゃない!」の所。

機動戦士ガンダム00 (1)




第4位
『コードギアス 反逆のルルーシュ』


 「僕とルルーシュが組んで、出来なかったことなんてないだろ?」

 これまだ今年の作品だったのか!という感じに既になってるんですが、語るまでもなく、文句なく圧倒的な作品。ルルーシュが完全に全てを失った所で第一期は終わってるんですが、これは、まだガンダムSEEDだったら第30話「閃光の時」相当回(アスランがキラを殺しに行って自爆する話)部分なんだと解釈。そこまで破滅してもキラとアスランが再び手を組んだように、最後はルルーシュとスザクの二人でナナリーを助けに行った奇跡の第16話に回帰すると信じてる。

コードギアス 反逆のルルーシュ volume09 (最終巻)




第3位
『CLANNAD』


 「もしよろしければ、あなたをお連れしましょうか?この町の願いが叶う場所に」

 完璧なアニメ化。もう、既に原作ゲームを最後までプレイ済みなので、所々の演出、伏線の意味が、最終的にどういう所に繋げたいのかが理解できて、アニメから初見で視てる人よりも数倍感動してると思います。第1話のアバンだけで、これは100万出しても視たいわと既に思ってましたが、あそこも既に物語の仕組みを理解してると、数倍感動ができる演出だったんだよなぁ。ゲーム未プレイ組は、幻想世界の意味に注目して視聴続けて下さい。

CLANNAD 1 (初回限定版)




第2位
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』


 「逃げちゃダメだ!逃げちゃダメだ!逃げちゃダメだ!逃げちゃダメだ!逃げちゃダメだ!」

 伝説のアニメ、不死鳥の如く復活。庵野監督の、

 主人公が何度も同じ目に遭いながら、ひたすら立ち上がっていく話です。
 わずかでも前に進もうとする、意志の話です。
 曖昧な孤独に耐え他者に触れるのが怖くても一緒にいたいと思う、覚悟の話です。


 を読んで、はじめて、伝説の冒頭のシンジくんの「逃げちゃダメだ」は、曖昧な孤独や他者と触れ合う恐怖から「逃げちゃダメ」なニュアンスの含意で、それをはじめて乗り越えて、綾波と、ゲンドウと関わる覚悟の一歩目をシンジくんが踏み出したシーンだったのだと理解しました。それが、この物語のはじまり。リメイク版ヤシマ作戦のクライマックスは圧倒的です。10年前、夢中になったあの気持ちに再び火をつけるスゴイ作品。どんなに消費されても燃え尽きない、今の時代幻想となったハズの「大きな物語」がまだ存在するのかもしれないという気持ちになってしまう、時代のパラダイムシフトすらまるごとぶち壊してしまいかねない作品。それがエヴァです。

エヴァンゲリヲン新劇場版:序





第1位
『Yes!プリキュア5』


 「あんたはココの夢をバカにした。絶対悪い人よ!」

 けれど、1位はこれに。

 今年のプリキュアのテーマは「夢」。ドリームです。やっぱりドリームです。現実に摩耗した大人を体現した敵幹部達を、夢見る少女軍団が高らかとドリームを掲げてブチ倒していくという凄まじい番組。「現実はなぁ……」「夢なんて幻想だよ」。そういった大人の定型句をネコソギ抹消して、夢をバカにする連中はプリキュア5エクスプロージョンで爆破して、ひたすら高らかと夢を掲げて突き進んでいく。その生き様が、大人になってしまった自分が視てるからこそ清々しく、カッコいい。本当、皆もっと夢を追えよ、と思う。子どもに夢を追っていいんだと言えなくて、何が大人かと思う。この番組を創ってくれたスタッフに感謝。

Yes!プリキュア5 Vol.1

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 以上、2007年ベストでしたが、もう一つだけ、全ジャンルを凌駕して、今年のベストオブベストを一つ。





2007年ベスト・オブ・ベスト





ベスト・オブ・ベスト
『Fate/stay night[Realta Nua]』


 体は剣で出来ている
 血潮は鉄で 心は硝子
 幾たびの戦場を越えて不敗
 ただの一度も敗走はなく
 ただの一度も理解されない
 彼の者は常に独り 剣の丘で勝利に酔う
 故に、生涯に意味はなく
 その体はきっと剣で出来ていた。


 今年このタイミングで出会えて良かった作品。PC版リリース時の2004年から、今までのムーブメントの最中よりも、今年このタイミングで出会えてむしろ良かった感じ。
 とにかくセイバールート。ビジュアルノベル版の叙述トリックの種明かし的とも言えるような桜ルートの見事さは勿論だけど、個人的な共感という点でセイバールートには打たれた。「理想」で出来た物語。単なる、傑作。

フェイト/ステイナイト[レアルタ・ヌア] extra edition

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 以上、2007年ランゲージダイアリー的ベストでした。読む量、視る量は年々減ってきてるんですが、その分一生モノの作品にも出会えるようになっていて、良かった。こう、最近、自分が志向してる方向に進んでるだけで、ある種運命的にその時その時に必要な作品が巡ってくるかのような、世界の不思議を感じております。

 それでは、また来年!