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 「同感だな」(グハラム・エーカー)

 『機動戦士ガンダムOO(ダブルオー)』の、第13話「聖者の帰還」の感想です。
 ◇

 も、もう最終回でも良かったんじゃないかと思うほど、1クールラストで区切りよく心地よい完結感が。

 「歩みよることができる」

 という落としどころ。

 宇宙(天上)を志向している改革派の代表のマリナさんと、地上志向の保守派(というかそういう人達の受け皿になってる)の代表のマスードさんとが歩み寄って対話へ……という所で大局的なアザディスタン内戦のお話には区切りをつけたんですが、それ以上に一番歩み寄ってるのは、武力による紛争の根絶が理念のはずのソレスタルビーイングが、武装解除して(武力を持たないで)マスード氏をマリナさんの所まで運ぶという、「武力」という理念の一部を捨てて「歩みよってる」点。

 刹那のガンダム(神)信仰→上から武力で押さえつければ解決というのはどうか?という感じの危うさがずっと描かれていたと思うんですけど、刹那、武力で上からやってしまうだけじゃなくて、武力を使わずに非暴力の聖者の行進を見せるという、なんか、つきまとっていた危うさを払拭するようなラストの展開で、もう刹那的にもステップアップ出来て良かったね。ガンダム信仰も、一応の形で報われて(一時的にでも紛争を止められたことで、あの日見たガンダムに一応なれた)良かったね、みたいな。

 また、ラストの刹那とマリナさんの構図が相変わらずニクイですよね。ガンダムのコックピットから見下ろす天上人の刹那と、それを見上げる天上を志向している地上人のマリナさんとの間での会話。ソレスタルビーイングのやり方を否定していたマリナさんがソレスタルビーイングを一応は認め(信じたいと言っている)、天上人の刹那が非天上志向の代表のマスード氏を保護して地上に下ろすという、両者の歩み寄り。だけど、それでも、まだまだ第08話「無差別報復」のラストシーンから続いている、見下ろす刹那に見上げるマリナさんという圧倒的な構図は変わらないという。

 さらに、非武装の歩み寄り作戦に難癖付けてたティエリアに対して、リューミンが意外にも「歩み寄ることができる」とか言っちゃってスメラギさんの非武装作戦を認めてる所とかポイントだと思った。王留美、当事者意識、実感描写の無さから、ティエリアと並んでラスボスくらいの予想してたけど以外とイイ奴なのかもしれない。

 あと、グラハムファンが見逃していけないのが、今話にあったもう一つの歩み寄りとして、天上人刹那と地上人グラハムの歩みよりがあったのもポイント。刹那とグラハムの会話のシーン、刹那は高い所から見下ろす構図で、グラハムは下から見上げる構図だったのが要注目。これまではセルゲイ中佐ほど明示はされてなかったけど、これにてグラハムも今は地上人キャラというのが分かったと思います。そして、そんな刹那とグラハムが、どちらにも正義がある、そうこうしているうちに人は死ぬという点に置いて「同感だ」と歩み寄って、グラハムが刹那に情報を教えちゃうという、一種の天上人と地上人の歩み寄り。それが巡り巡って、ラストの聖者の行進に繋がるという。マジで、最終回っぽかったなぁ。

 あとはまだこの部分のストーリーラインにのびしろがあるとすれば、刹那の方が武力を一旦捨てて歩み寄った今話とは逆に、マリナさんの方が今度は武力(刹那)を必要とする時が来るのかもしれない。それこそ、今までのシリーズで言えば終盤のリリーナに対するヒイロ(ガンダムW)、理想に空回りしてた前半カガリと現実を飲み込んだ終盤のカガリ(ガンダムSEED)みたいな感じで。

●ロックオン兄さん
 第05話の「ガンダムマイスターは一人じゃない!」の所とか、今回の「それはどうかな?」の所とか、一人ではできないという所で必ず援護射撃に登場してくるロックオン兄さんのカッコ良さが半端ない。

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