
●魔法先生ネギま!/感想/187時間目「凶悪!フェイト・パーティ」
今回はバトル漫画色濃厚な感じで、そして普通に何らかの条件のもと(今回の場合カードや武器が封印されている)に力を出し切れない仲間パーティが、凶悪な敵キャラに一時敗戦するという「タメ」の部分がイイ感じのタメでバトル漫画色ベクトルでも良かったです。ジャンプ漫画だと、BLEACHで、限定条件で日番谷達がアランカル軍と戦って苦戦し、引きで限定解除して反撃へ!みたいなパターンですよね。バトル漫画ばっかのジャンプのど真ん中バトル漫画のBLEACHを参照するほど、今回はバトル漫画チック。なんで、ラストの限定解除に相当する、アスナが拳で封印をブチ破る絵は燃えましたよ。
明日菜絡みでいくと、封印を拳でブチ破れたのは魔力無効化体質が多分関係してるんだろうし、京都編でのフェイト戦の時に、そもそもフェイトの石化が無力化できるアスナをサプライズとして描いていたりもしたので、ここで再びフェイトの前で魔力無効化を披露するアスナの場面を持ってくるあたり、アスナの過去との対話編ともなりそうなこのウェールズ編、アスナの過去には当然魔力無効化体質の話もかかわってくるハズなので、そういうアスナ話に持っていくための読者への導入という意図も今回は兼ねているのかもです。
あとは、ネギがやられると、一時的にパーティの指揮者は刹那になるというが、地味になるほどという感じで良かった。小太郎と楓はやられちゃうんだけど、刹那は本命のフェイトとやりあってもまだ余力を残してるとか、僕はもうバトル漫画で誰が一番強い?とかの話題で盛り上がる年齢でもない感じですけど、刹那はやっぱりちょっと戦闘力ヒエラルキー的に上のレベルに設定されてるキャラなんだなぁなんて思いました。お嬢様しっかりして下さい!の所とか、フェイトにやられかけた所でやっぱり「お嬢様…」の台詞が入る所とか、今回は木乃香×刹那分も結構豊富で堪能させて頂きました(笑)
●魔法先生ネギま!/感想/188時間目「強いぞ、ネギ・パーティ!」
前回のサブタイが187時間目「凶悪!フェイト・パーティ」で、今回が188時間目「強いぞ、ネギ・パーティ!」ということで、「●●・パーティ」という表記上、作品的にネギ一味とフェイト一味がパーティ単位での対立項で、団体戦の様相を呈してきました。これはバトル漫画として相当スゴイです。前にシータさんのネトラジに出たときに、ジャンプバトル漫画に関して、ワンピもBLEACHも1対1×複数展開になりがち、だけど、描き手は大変というのは重々分かるけれど、コアなバトル漫画好き読者としては複数対複数の団体戦も見たいんだ……というようなお話をした記憶があるんですが、ネギま!でそれを実現してくれました。前回と今回は急速にバトル漫画色を強めたネギま!ですが、この団体戦バトルは最近の少年バトル漫画の中でも(といってもジャンプとマガジンしか読んでないんですけど)屈指のワクワク度じゃないかなぁ。ピンチの所で小太郎が割ってはいる→アーニャが傷を治していた……とか、そういう団体戦ならではの流れが見事。そして、団体の連携プレーが繋がりに繋がって、最終的に木乃香がネギの治癒に成功するという、読者の(ネギ・パーティに感情移入しての)達成感の味わいっぷり。複数対複数のバトル中に一つの目的(今回はネギの治癒)に向かって各キャラが各キャラらしく連携プレーを見せるという面白さ。これ級の団体戦をまた描いてくれるんだったら、しょっちゅうフェイト・パーティ襲ってきてもいいなぁ(笑)
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他は、木乃香にフェイトの魔の手が!という所で、刹っちゃんモノノケ?ver登場とか、その辺りの流れが熱かった。やっぱり、木乃香お嬢様のピンチには刹っちゃんが来ないと。最近の自分の感想を顧みるに、一番は刹那好きなんじゃないかと思うようになってきた。ネギへの好意も異種族恋愛だし、木乃香への好意も異種族プラス同性と、好いた惚れたに関して成就までのハードルが高すぎるんだけど、好意を持った相手を打算抜きで一途に守りとうそうとしてる様がイイ。
●魔法先生ネギま!/感想/189時間目「壊滅!?ネギ・パーティ!!」
前回の感想でネギま!の団体戦バトルのクオリティーを絶賛した僕ですが、今回の仲間がバラバラに展開を受けて、次にネギ・パーティ集合での団体戦バトルが見られるのは当分先っぽいということに。一時的なフラストレーション展開に感じる読者も多そうですが、長期的には熱い展開です。京都編にしろ超編にしろ、仲間パワーで撃破の少年バトル漫画の王道をいっていたので、ここでその仲間パワーが分断されるというのは再び集まった時の燃え度が相当なものになりそうという期待が。前回で、ネギま!の集団バトルは面白い!という餌をしっかりと見せて貰ったのが個人的には大きいかな。あのバトルをもう一度読めるならと、しばらく先の仲間集合バトル再びという餌をたよりにしばらく続くと思われる仲間探し展開を読み続けますよ。
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FF6の世界崩壊後っぽい展開ですよね。あれも意外な感じでセリスが最初の一人になったように、今回はネギこそ主人公としていれども、最初の仲間に選ばれたのは意外な感じで茶々丸。これも、FF6ヨロシクで、刹っちゃんとか、強力なユニットは終盤まで合流しないんだろうなー。視点をどう使って描いていくのかが気になる。ネギ視点一本で徐々に仲間が集まっていくスタイルを取るのか、ある話はネギ視点、ある話は明日菜視点……とかで、バラバラになった仲間それぞれの視点で少しづつ物語が進んでいって、読者としては俯瞰的に合流するまでのそれぞれの位置関係を把握しながら楽しむ感じになるのか。後者の方がありそうだけど、前者の方が、タメは長くなるけど、ついに刹っちゃん…キターーー(>▽<)みたいな感じで(刹っちゃんの所には各自好きなキャラをあてはめられる)好きなキャラが登場時&合流時の読者の嬉しさは増すような気もします。
●魔法先生ネギま!/感想/190時間目「エネルギー充填120%」
な、なんか茶々丸との蜜月話?
ハーレム状態も楽しいけど、二人きりの旅というシチェーションもなかなか想像妄想を引き立てられてイイ感じです。というか、ハーレム漫画の勢いが台頭してくる前までは、メインヒロインと二人きりで冒険とかのお話の方が多かった気もする(特にファンタジーのボーイミーツガールモノの古典とか)。ラブひなでハーレム漫画を開拓した赤松先生が、最近の展開としては完全にファンタジーなネギま!で二人きりの冒険シチェーションを描いているのが、なんかイイ感じ。そろそろ、赤松先生=ギャルゲ的美少女ハーレム漫画家みたいなイメージもなくなってきそう。
そして、二人きりの冒険で夜は夜な夜なネジ巻き。少年漫画だから暗喩だけど、わりとストレートな(笑)
そして、魔法の国がめっちゃ広いことが描写されて、読者としてはこれから読むギアの調整を迫られてる感じ。一時的な仲間分散展開じゃなくて、かなり本格的、というか期間として長く、それこそ壮大なファンタジーをやるんで、それをこれから読みませて頂きますくらいの気概が必要なのかも。世界の広大さと、それに点在するかなりの数の仲間という今回の世界観説明が描かれた箇所、それこそドラクエとかFFを始める前に、世界マップを見た時のような感覚を僕は感じましたよ。これは、長期的にプレイする気で、気合い入れて読まないとな、みたいな。
クラスメイト編みたいな1話完結で楽しめるお話と、長い伏線とタメで引っ張って後半に怒濤の展開を見せる長期のお話と、ネギま!は両方あるんですが、今回は後者の心構えでとりあえず僕はいます。ネギま!感想を書き始めたのが、そもそも超編の後半の怒濤の勢いの部分に感動したからだったんで、後者テイストが好きな僕は今回のファンタジー編も後半を期待しながらのんびり読んでいきたいです。
●魔法先生ネギま!/感想/191時間目「あの日の約束」
視点変更。ネギ視点でずーっと行く可能性もあったんですが、今回は千雨視点で、最後にネギ登場という風に変えてきました。これはザッピング形式になって、明日菜視点の話なんかはそのまま数週続くとかで多角的に展開されていくようになるのかな。マイナーなゲームの例で申し訳ないんですが、『貝獣物語』みたいな感じで、別視点で仲間と仲間が出会ってたりして、ネギ視点の仲間集め、明日菜視点の仲間集め、etc...を切り替えながら物語が進行、最後に色んな視点が合流する所が最高のクライマックス、みたいな感じになる予感。
そして、独力、リアリストといった属性の千雨が、地味にファンタジーにはファンタジーじゃなきゃ対抗できない(リアリストの力じゃ対抗できない)と気づきを得たり、最後のピンチではネギに助けを求めてしまう(独力ではどうしようもない時もある)……といった場面が描かれたりと、千雨のちょっとした変化を1話にギュウギュウに詰め込んで描かれていた回でもあった気がします。
あと、環境がマッチすれば強力な千雨の電子精霊の能力も、今回のように環境がマッチしなければまったく役に立たないというのが、ジャンケン的で面白かった。全ての能力・特性を凌駕するスーパーパワーを持ったキャラが(それこそ「覚醒」とかして)一点で活躍するんじゃなくて、それぞれ得手不得手がある中を環境に応じて組み合わせて敵・試練を攻略していくのがネギま!の面白い部分だと思った。それは、この前のバトルの団体戦の面白さのバックボーンにもなってる所。この後、千雨にも特性がマッチして活躍する場面も来るんだろうし、あとは現状では最弱の巻き込まれ組とかも、最弱なりの守られ役担当じゃなくて、物理的な力はなくても要所要所で特性を生かして重要な役割を果たすんじゃないかと思った。まさに、適材適所的仲間パワー。
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地味に、刹っちゃんと木乃香が同じ場所に飛ばされているのかどうかが気になってるのはナイショだ。同じ場所なら、あからさまな蜜月展開。違う場所なら、再会時のカタルシスが大きいと、どっちみちファンには嬉しい感じ。
●魔法先生ネギま!/感想/192時間目「ヒーローの条件」
小太郎が意外とネギのこと分かってる、具体的には一人で抱え込んで一人で悩み込んでしまう悪癖に気付いているってのが、今回発見したけど、まあそうだよなと納得できて良かった。それこそ物語序盤から、テストのエピソードとか、VSエヴァ戦とか、ずーっと一人で抱え込んで悩み抜いてしまって、そうやって迷路に入りかけた所を、明日菜が体育会系のノリで方向修正してくれる……というお話がずーっと続いていました。小太郎が今のままでは明日菜にも叶わないって言ってましたが、そういう明日菜や小太郎が持ってるモノっていうのが、小太郎が口にした通り「アホっぽさ」なんでしょうね。
そんなワケで合流四人目は小太郎。パズル的で面白い。ネギま!は初期設定段階から多数いるキャラクターの配置にすごい気を使っていて、ボケ役ツッコミ役から始まって、ツッコミの中でも理屈っぽく突っ込む役とか、体育会系ノリで突っ込む役とか、本当それぞれパズルのピースの如く役割をキャラクターが持ってるんですが、今回の魔法世界編冒頭のパーティーバラバラ展開っていうのは、組み上がってきたパズルを一旦バラバラにしてもう一回みたいな楽しさを押してる感じです。ちゃんと、組みあげるピースに順番がある。今回なら、ネギの悩み性を回復してやれるのは千雨だったりもするんだけど、千雨は理屈で諭すので、ネギが理性的で無いときは機能しない。だからこそ明日菜が昔から毎回力押しで軌道修正してたんですが、今回は明日菜がメインパーソンなんで合流はまだ先、よって、ここで力押しで軌道修正できる小太郎がピースとして組み上がる……みたいな。赤松先生の日記に、読者から次に合流するのはこういう理由で誰々でしょという類のわりと鋭いメールが来るというお話が書いてありましたが、そのパズル性ゆえだと思います。キャラクターのパズルのピース的特徴を今までで十分描いているので、ピースを熟知してる人にはある程度組み上がる予測が可能、みたいな。
そして、オチは木乃香の回復魔法の力が強すぎたオチ。木乃香さん怖ぇーな部分ですが、着々と木乃香の天才性の伏線は積み重なってる感じです。やっぱり、石化したネギの村の人々を木乃香が直すのかな?
●魔法先生ネギま!/感想/193時間目「まるごと賞金首!」
フェイトパーティーにやられて以来、ネギがまたまた悪癖の自分で全て背負い込もうとするというのを発揮しつつ、「僕にもっと力があれば……」というのを何度か口にしてるのがポイントとみた。今の所は小太郎が押さえ込んでるんだけど、全員救いたいゆえの、力への傾倒傾向。このウェールズ編というか魔法世界編は、夏休み編で伏線張った通り、明日菜の過去への旅というお話にそのうち入っていくハズなんですが、幼少時、悲劇的な過去時のアスナは力は持っていたけど全然幸せでは無かったという仕込みなんですよね、たぶん。
自分一人の力がどんなに強くなったって必ずしも全員救えたり、幸せが増えたりとは限らないので、そうじゃないだろ、ネギはそっちの方を追ってはダメだろというのをお話の流れとして感じます。勿論、そういった姿勢のカウンターになるのが適材適所の仲間パワーなわけで、ネギは自分がもっと強ければ全員守れたって言ってるけど、フェイト戦でのパーティー戦は皆が補いあって非常に良かったと(そういうメッセージ性の意味でも、純粋に読者が楽しめる集団のバトルエンターテイメントとしても)。だから、ネギがいちいち自分一人の力志向に傾きそうになる所を、小太郎をはじめ仲間が修正して、皆で協力の方に持って行ってる、そして、その流れのまま、ファンタジー世界での戦闘では役に立たない千雨が適材適所で頭脳を発揮して、賞金首になってしまった状況での最適行動を冷静に下すと、中々イイ感じです。
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酒場で情報収集→ファンタジーな荒くれ達と主人公がバトル……とかの展開は、もう、古典も古典なファンタジー展開で、本当にファンタジー漫画に突入してるなと面白くなりました。テーブルトークRPGとかの展開ですよ、これは(笑)。
●魔法先生ネギま!/感想/194時間目「メイド・イン・魔法世界」
前回の全員賞金首展開→年齢詐称薬でネギ大人ネギ(ナギさん)への流れが、文化祭の時の大人ネギ(ナギさん)への亜子の恋心エピソードを生かしての、今回ラストの亜子の王子様(大人ネギ/ナギさん)登場展開に繋がるとは思わなかったんで感動。ファンタジーと現実の対照/相克/融和なんかが全編を通してネギま!では描かれてるんですが、今回序盤の今は夢か?現実か?というアキラと夏美の話から始まり(ファンタジー/現実の境界概念をエピソードに絡める前フリ)、お話中で物語だったら王子様が助けに来てくれんだけど、そうはいかないというファンタジー否定の語りを入れておいて「ファンタジー/現実」の軸がファンタジー否定の方に振れた所で、「助けにくる王子様」というファンタジー中のファンタジーの展開が炸裂して振り幅をファンタジー側に逆転させてるのがとても爽快。しかも、亜子にとってはナギさんはそれこそファンタジーの世界の住人なワケで。最後のコマの大人ネギと亜子のコマはイイなー。
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一方で、メイドはもはやファンタジー要素なのか現実要素なのか分からなくて、無駄にファンタジーと現実をまたいでいて笑いました。こんなメイド、ファンタジーの中にしかいねぇと思いつつ、でも秋葉原(現実)とかにいるしな、みたいな(笑)。
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今回は非戦闘組がぞくぞくと出てきました。だいぶファンタジー世界に馴染んでいる朝倉さんがタフです。前回適材適所のお話をしましたが、戦闘力は無い朝倉さんですが、どうやら小太郎くんに待ったをかけてるシーンより、戦闘力以外で何やらお役立ちファクターを伝授したようですよ。
●魔法先生ネギま!/感想/195時間目「100万ドラクマ返済計画」
基本的に真面目に分解していくと、『ネギま!』は「ファンタジーVS現実」の対照・対立・融和構造&ネギの「お父さん志向VS3-Aの皆志向」の対照・対立・融和構造でできてるお話だと思ってるんですが、今回も両方みっちり入っててネギまネギましたお話だと思いました。
とりあえず、前回に引き続き、亜子や大河内アキラの今が夢か現実か?という問いかけでファンタジーと現実のボーダーのあやふや感を描いており、一方で、ウェールズ編に入ってからは物語としてお父さん志向に傾いていたネギに対して、ここで自分のこと(お父さんの問題)よりも今は仲間の方が大事だという台詞を言わせて、「お父さん志向VS3-Aの皆志向」の振り幅をグっと3-Aの皆志向の方に揺り戻させていたり。そして、「仲間」の方に揺り戻った所で頼りになる仲間としてタカミチと龍宮登場!で引きとか、本当燃えるポイントをおさえてくれています。
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朝倉さんは戦闘以外でのお役立ちスキルが来るんだろうと前回書きましたが、さっそく情報収集でお役立ち。このファンタジー世界へのとけ込みっぷり、やはり朝倉さんはただものじゃない。
この前コタローが何でも一人で抱え込みがちなネギの悪癖をいさめる場面がありましたが、全体的に、この魔法世界編はそういった「一人で抱え込む」の反対となる、適材適所を生かした仲間パワーで解決がテーマなのかも。だから、非戦闘員の千雨も朝倉も持ち場持ち場で活躍していると。そうやって仲間達の適材が掘り下げられた上で再合流した時に、それこそ熱血少年漫画のノリでレベルアップした仲間パワーなバトルが描かれるんじゃないかと思うと、今からワクワクな感じなのでした。

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