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 「これが、人間か」(ティエリア・アーデ)

 『機動戦士ガンダムOO(ダブルオー)』の視聴ネタバレ感想、第19話「絆」の感想です。
 ◇

 最後はティエリアVSリボンズの人工生命体対決のような気がした。無論、ティエリア陣営とリボンズ陣営という意味で。

 大体、下の方を情報として知ってる度、コントロールしてる度、前回の感想で書いた天上人度みたいなのは、

 リボンズ
  |
 アレハンドロ
  |
 ティエリア
  |
 他のマイスターズ

 みたいな感じっぽい。

 まずティエリアが「ティエリア・アーデにのみ与えられた」能力として、ナドレがマイスターズをTrialできる能力を持っていたことが明らかになったので、もともとヴェーダに深くアクセスしてる描写から他のマイスターズよりも天上人度が高いのは明らかだったけど、今回でそれどころか、他のマイスターズをTrialできるほどの権限をもっていたことが明らかに。

 ここで、一旦、

 ティエリア>他のマイスターズ

 にインフレ。

 なんだけど、そこでナドレのTrial能力が強制解除される展開になって、アレハンドロの笑みがカットイン。前回のティエリアがアクセスできないレベルのヴェーダの領域改変は、一つはアレハンドロ経由だったとほぼ確定となり、

 アレハンドロ>ティエリア

 にさらにインフレ。

 で、そんなアレハンドロなんだけど、第三段階に移行するの早かったなーとか言ってる所を、さらにリボンズが後ろから眺めていて笑みを浮かべているという構図が描かれ、

 リボンズ>アレハンドロ

 に、さらにさらにインフレ。

 この天上人度の連続インフレっぷりがかなり面白かった。

 なんか、リボンズは全て知ってるんだけど、敢えて世界と人類を試してるぜ的な雰囲気を受けるのは僕だけでしょうか。もともと色んな側面で当事者意識と非当事者意識との対立がキーになってる作品ですが、リボンズはそういう意味で一番上から眺めてるだけの究極の非当事者みたいな感じ(アレハンドロがそもそも自分は感知しない、見てるだけ的発言をしていて非当事者なんですが、そんなアレハンドロすら非当事者として見下ろしてるのがリボンズな感じ)。そこが、同じ人工生命体でCBのコアに近い所にいる者同士としては似てるティエリアとリボンズなんだけど、ティエリアの方は前線に出てて色んなことを経験していく当事者である点が真っ向から対立すると。実質今回のヴェーダをめぐるハッキングの攻防とかは、ティエリアVSリボンズみたいなものだったので(アレハンドロにヴェーダの高いレベルの情報を渡してかつ改変したのは、前回のカットイン描写からおそらくリボンズ)、そういう水面下の攻防以外にも、最終的には当事者の人工生命VS非当事者の人工生命みたいな感じでティエリアVSリボンズのガチバトルみたいな感じでもいいと思う。リボンズは人間を試していて、ティエリアは人間を学んでるみたいな感じ?(←今回ラストのティエリアの「これが人間か」の台詞なんかから)。物語冒頭では、ヴェーダにアクセスして、情報だけで俯瞰して実感にかけてる天上人的な描写だったティエリアが、物語の末に人間味を帯びてくるというように変遷するというのはアリだと思う。天上人の地上人化、神さまの人間化みたいなお話として、物語冒頭の刹那のこの世界に神なんていないというモノローグがうまく絡まってまとまる気がする。

 なんか、OOって、当事者と非当事者の接触の物語、変遷の物語だっていうのはかなりの程度咀嚼できてきた感じ。非当事者だと思ってたキャラが、当事者意識を持つように変遷したり、逆に当事者だったのが非当事者になっちゃったり、そして当事者と非当事者が接触して何かが変わっていったりと、そういうお話。情報としてしか戦争、紛争を知らなかったマリナさん、沙慈くん、絹江さんが実感として戦争や紛争を知っていくという第1クールのストーリーラインはもろに非当事者→当事者だし、非当事者だった沙慈くんと当事者ど真ん中の刹那がお隣さんなんていう設定は、もろに「接触」のための設定という感じ。

 そうして考えると、今回はじめての挿入歌演出という破格の待遇で描かれた見下ろすルイスと見上げる沙慈の別れの場面というのは、解釈が難しいけど、「夢」に関して、もう見てるだけしかできない非当事者になってしまったルイスと、これからも当事者として夢を追い続けられる沙慈との別れの場面だったと解釈したい所。初の挿入歌演出とか、作り手の意図としてもここ大事ですよマークが発動してるので、これはやっぱりこうやって戦争のために一度はお別れになってしまった沙慈とルイスが、再び合流するまでのお話を描くという合図のような気がします。そうやって見ていた方が、ロックオンに問いつめられた所で、(目的は)「戦争の根絶だ」と言い切る刹那がカッコよく見えるし(刹那が再び沙慈とルイスが手を取れるような世界を作れるかが見所の話になるということ)。

・ティエリア、デレ期。さんざん刹那のことマイスターにふさわしくないとかなんとか言ってたのに、今までTrialまでは使わなかったということは、どこかで刹那のことを認めている部分もあったという訳で。深層部分でデレているという、味わい深いヤツです。
・ロックオンの語りからすると、少なくともCB内でも、トレミー組マイスターズは、自分たちが武力としての圧倒的な抑止力となることで紛争が根絶できると思って(&それを目標として)活動しているみたい。紛争根絶の体現者=ガンダム=俺がガンダム→刹那はガンダムにして紛争根絶の体現者……という流れで、そしてガンダム信仰者と言われたことを「最大の褒め言葉だ」と言ってるようにそれは刹那自身もそういうつもりで活動しているみたい。やっぱり、エイフマン教授が気付いたようなCBの本当の目的はトレミー組マイスターズは知らないみたい。

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→前回:コラム「POガンダム、MIガンダム」へ
→次回:第20話「変革の刃」の感想へ
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