名護くんが出てきてから、だいぶ、あー、そういう話なのかと分かり始めてきた感じ。
名護くんに渡は理想の父親像を見てるわけですが、それは本当の音也お父さんとは乖離している、言ってしまえば妄想の父親像という感じなんだと。なので、そうやって渡が作り上げてる妄想のお父さん像と、実際の音也お父さん像とのギャップを、渡の中で埋めていく話がとりあえず最初のストーリーラインになるのだと思った。
既に妄想のお父さん像から離脱して、渡が本当の音也お父さん像を知り始めるイベントははじまっていて、今回敵のお姉さんファンガイアから教えて貰った、「花のためにバイオリンを弾いていた」なんていうのが、とりあえず渡が獲得した本当の音也お父さん像の片鱗という感じ。
そう思うと、次回以降名護くんがライダー化して渡(キバ)と敵対化するという構図は面白くて、いわば、渡が自分で作り上げた理想(妄想)のお父さん像が渡の前に立ちはだかってくるという図式な訳なわけで。
これ、音也お父さんは蟻かキリギリスかと言ったらキリギリスみたいな人なんですが、それだけじゃなくて、今回の「花のためにバイオリンを弾いていた」的に、まだ渡にも視聴者にも隠されている何らかの魅力がある人なんですよ、きっと。だから、お話としては、渡が今回の話みたいに本当の音也お父さん像のカケラを集める話を通じて、妄想のお父さん像ではない、本当のお父さん像を知って、その魅力を理解する時まで、名護くんには勝てないって展開の方が嬉しいなぁ。主役ライダーが勝てないのはストレス溜まるからやらないかもだけど、やってくれた方が、渡、本当の音也お父さん像を獲得→作り上げていた妄想(理想)のお父さん像の体現者である名護くんをバトル的にも撃破……の流れの方が、渋い脚本という感じ。既にバイオリンを通した時代を超えたシンクロ演出なんかで渡と音也お父さんが何らかの形で「繋がって」いるのは描かれていますが、渡が本当のお父さん像を獲得して、本当の意味でお父さんと繋がった時にバトル面でも新しい力発動って展開だと燃える。
・ガルルバイト@キバガルルフォーム、両手空いてるのに敢えて口で剣を加えてストラッシュするのは面白かった。

→仮面ライダーキバ/感想/第1話「運命・ウェイクアップ!」へ
→次回:第10話「剣の舞・硝子のメロディ」感想へ
→仮面ライダー電王/最終回/感想
で、過去パートの更に奥に潜む秘密に、渡と一緒に迫っていく、と。
今年は子どもたちに、過去検証の発掘作業をやらせるつもりかも。惑わされるな、自分で調べろ、真実を知れ、と。
でもその対象が「父」ってことは、渡は問いかけられることになります。父はこうした、おまえはどうする、と。
まさに『ネギま!』でネギが苦悩し続けてる点。考えてみると、こういう形で葛藤する仮面ライダーも初めて。父親を第一話で殺されたライダーはいましたが。
渡が葛藤の末に答えを出すとき、子どもは共感できるか、「ぼくならこうだ」と考えるか、楽しみです。それぞれの父親像に思いを馳せたら、製作側としては大成功だと思うので。
早く右腕と胴体もフォームチェンジして、合体形態にならねーかな。