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 最終回が二つでた号だったので、これは遅れてでも簡単に感想を書かねばと。
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 テニプリもムヒョロジも、ほぼ円満終了で良かったですね。

●魔人探偵脳噛ネウロ

 探偵モノ要素が薄まってバトルモノ色が強くなってきた最近のネウロ。ネウロ、シックスの刺客を圧倒しながらも、徐々に力を削られていく……というネウロパートと、最後にネウロを助けるであろう人間のネットワークを構築している弥子パートとの二段構成で進んでいる印象を受けます。

 ネウロパートは極端に振れればBLEACHみたいな、大ゴマで敵を圧倒するシーンを一番の見せ場に持ってくるシンプルなバトルパートになるかもなので、個人的には弥子パートの方に注目かな。人間のネットワークを構築していると書きましたが、シックスと違ってネウロは認めている、現存の人間の可能性を発掘してるパートとも言えるかも。この前のバレンタインエピソードとかも、ギャグ調でしたけどそれですよ。動機や本質を見抜くという弥子の必殺能力は探偵モノのノリが強かった時はクライマックスで使われてきましたが、バトルではそんなに使い勝手がいい能力とは言えないと思うので、うまく見せ場をこれまでと変えて活躍して欲しいです。弥子−本城のおじさんのラインは絶対に最後の方の逆転カードに使われそうな雰囲気だし。

●ONE PIECE

 世界を半周して物語も中盤な感じでも、やっぱりルフィが口にする言葉は、「その時は、俺は海賊王だ!」で、物語冒頭から全然変わらないんですよね。まっすぐな信念というか、強い決意というか、ワンピース的に言うならやっぱりブレない「夢」でしょうか。

 長編の物語だと、途中で大きなイベントが起こって主人公が物語冒頭の目的を転覆させてしまったり、そこまでいかなくても思想的にカウンターになる強敵の影響で自分の存在意義に葛藤したりすることが多いんですが、ワンピのルフィはそういうのがほとんど無くて、ブレない。「海賊王に俺はなる」と、ひたすらその道を突き進むという。そして、そうやって突き進むルフィに関わった様々な回りの人が、ルフィに引っ張られて救われていくという、そういうお話。

 情報過多に振り回されて葛藤して迷走する主人公に共感してもらおうという作品もあって、それはそれでいいんですが、そういうのが無くて「すごい」主人公にどんどん回りが引っ張られていくというのも、やはり爽快。恋愛要素とか、過去のトラウマとか、最近の主人公は持っていてしかりな要素をルフィはあんまり持ってないのも、そういう救われる側の主人公ではないからなんじゃないかと。尾田先生にはこのヒーロー像を最終話(今半分ということは100巻くらい?)まで描ききってほしいわー。

●テニスの王子様

 最終回。堪能した作品でした。最初は何が面白いのか分からず読んでたんだけど、途中で作者も自覚アリの(いつだかの劇場版は少林サッカーを超えたという巻末コメントとか)ネタ漫画なんだということに気付いてから主に笑いの方向で楽しませてもらって、だけど最終的にはネタを地で行きながらも同時に存在する真っ当な少年漫画っぷりに(テニスを題材でやらなくていいだろと突っ込みを入れつつ)、半分笑いながら、半分感動していたという、複雑な感覚を味合わせてくれた作品でした。受信難度が高い漫画だった。いや、高いというか、それぞれの階層で色々に受信できる漫画だった。真っ当なテニス漫画として燃えて感動して読んでた読者もいたかもしれないし、ボーイズラブ要素を主目的に読んでた読者もいただろうし、完全にネタ漫画としていかにそのネタっぷりを最大限に分かち合おうとネット上で積極的に活動して色んな楽しさを生み出していた人も知っているし、それら全てを含めて、最高だった、許斐先生アリガトー!と叫びたい僕のような読者もいたと思います。

 次週から読めなくなるのが本当に寂しいです。マジで、今までありがとう、テニプリ。

●サムライうさぎ

 スズメが可愛い。

 女だけど剣術をやるスズメに、魚屋みたいなマロと、反規範・反慣習な点でふたりとも作中では是の方なんですが、途中でマロがいい家のヤツだったとスズメが知って、スズメの反規範・反慣習意識(反サムライ意識と結びついている)の方が優位に、だけど、ラストにマロがそれまでの型や規範に囚われない謎の新剣術を披露して、再び反規範・反慣習度ではマロも負けてない……と、反規範・反慣習度、というかもっと簡単に言えば自由な発想度が一話内でパワーゲームしてるのが面白かった。

 自由な発想を見せるマロに触れて、スズメの中のサムライ=型にハマったヤツという意識が崩れて決着ですかね。それがそのまま、サムライ=型にはまった悪というような動機で戦ってる流人組が、自由なうさぎ道場の面々との戦いを通して変化……で全体としてもまとまりそう。

●初恋限定。

 千倉名央。冒頭のシーンからして、今回の恋は悲恋に終わるのだろうか。

 千倉視点に感情移入して女性読者が乙女ゲー的にカッコイイ連城先輩にときめくというのを狙ってるというよりは、むしろ連城先輩の立場に男性読者が立って、こんな可愛い、デフォルトで俺ラヴな後輩生徒に接してーという要求を満たすギャルゲー仕様を感じました。

 初恋限定。は男性キャラがわりと感情移入できるのがいいですね(真中と比べるからかもしれないですけれど)。さらに複数いるので、一人にできなくても、誰かには共感できる可能性が高いという。

 連城先輩は、中学でこそスペックが高くてすごい人だったけど、進学先の開帝高校ではまわりの更なるハイスペックな人達に囲まれて自信を喪失。実は、自分がすごい人でいられた中学に逃げてきている人だというストーリーを想像してみたけどどうか。逃避先で後輩の子に手を出すとか、それだと割と連城先輩最低なんですが。

●サイレン

 前の感想でも書いたけど、現実世界が皆で帰ってきたい輝かしい回帰点としての世界ではなくて、むしろ居場所が無い人が溢れている虚無的な世界として位置付いてるのがサイレンの面白さだと思います。あたかも、未来の世界が崩壊したのも必然でもあるかのように。

 お姉ちゃんがフラれてから独り身で、今は俳優の望月朧がお気に入りというくだりが、どこにも(サイレン世界にも、現実世界にも)居場所が無い雨宮さんにかかってくるくだりとかかなりイイ。

 お姉ちゃんと画面の向こうの望月朧という、遮られた距離。雨宮さんと雨宮さんを捨てていった両親という遮られた距離。そういった距離で分かたれて人間と人間が繋がれなくなった現実世界において、雨宮さんが「どこでもいいから私の体にタッチしてみて」と言うという。朝河と夜科は、そんな無関心がはびこって、雨宮さんとは誰も関わらなくなった現実世界に抗うように、雨宮さんに関心を持って、必死に努力して雨宮さんに触れようと(精神的にも、物質的にも)するという、そういう文芸風味な一話。

 やっぱりサイレン好きだわー。

●To LOVE る−とらぶる−

 劇中の現実でお色気シーンが入れられない時は、主人公の妄想シーンでお色気シーンを入れるというのは、To LOVE る−とらぶる−が発掘した新たなエロ文法のような気がしていますが、とりあえず、今回もリトの妄想上の春菜で強引にパンチラ。自発的に見せてるあたり、どういう状況を想定して妄想してるのか興味が沸く所。リト、わりとエロに関しては純真な設定なはずなんだけど、今回の妄想はだいぶマニアックです。

 春菜フィギュアの発売も告知されており、さらに巻末コメントでは(たぶんアニメ化に伴って)フィギュアの話が各方面から来ているという矢吹先生の言葉が載っていますが、そのうち妄想メイドVerとかでこの春菜もフィギュア化されるんでしょうか。お風呂シチェーションフィギュアとか、普通にAmazonで18禁フィギュア扱いで売られ始める未来に想いを馳せたいと思います。

●ムヒョとロージーの魔法律相談事務所

 最終回。良かったんじゃないでしょうか。「凡人と天才」とかのテーマは、エンチュー編で描ききっていましたし、その後の小さいエピソードは、最後にムヒョとロージーの絆に回帰して終わるための補足的なおまけエピソードだったと思えば。エンチュー編終盤とかかなりグっと来て読んでたし、今回の締めも後味が良かったしということで、そのうち単行本で揃えたいななんて思ってます。

 しかし、最後の最後にきて今井さん→ロージーフラグが描かれたのに、ブレイクしてムヒョ×ロージー相思相愛エンドという(笑)。最後の二人が新しい日常を過ごしている相談所の風景が、「ムヒョとロージーの魔法律相談事務所」という作品タイトルの締めの風景としてふさわしいと思いました。西義之先生お疲れ様でした。

→アニメ化「To LOVE る−とらぶる−」

To LOVEる-とらぶる 8 (8) (ジャンプコミックス)

ドラマCD「ToLOVEる-とらぶる-」

To LOVEる-とらぶる- 西連寺春菜 1/8組立済完全彩色フィギュア

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