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 「君達が真の平和を勝ち取るため。戦争根絶のために戦い続けることを祈る。ソレスタルビーイングとしてではなく、君たちの意志で、ガンダムと共に」(イオリア・シュヘンベルグ)

 『機動戦士ガンダムOO(ダブルオー)』の視聴ネタバレ感想、第22話「トランザム」の感想です。
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 天上人度、つまりは下の方の存在を把握してる度&掌握してる度みたいなものがめくるめく入れ替わるのがガンダムOOで、天上人度が高い存在の方が上から見下ろすアングルで描かれるんですが、今回はいつにも増してめくるめく感じで入れ替わって面白かった。その何度もの転覆劇の最後にイオリア・シュヘンベルグが最上位存在としてアレハンドロを見下ろしながら演説。そのまま、最上位存在自らが人間に全てを託して舞台から退場して、事実上の天上人(ソレスタルビーイング)が消滅。あとは、ただの人間達の物語だけが残る……というのが面白かった。

 やっぱり、第1話冒頭の、

 「この世界に神なんていない」(刹那)

 が、キーの作品だったんだなぁ。

 なんでも予知・予測してるらしい神さま的な存在としてヴェーダことイオリア・シュヘンベルグの影がずっと刹那らCBにはつきまとっていたんですが、前回でSTAND ALONEシステムを構築して、刹那ら人間側から、まずは神さま(イオリア(ヴェーダ))離れ。

 そして今回は、神さまの方から、人間を信じているから、あとは人間に任せると。神さま的にも、神さまからの離脱を促してくれたと。

 「君達が真の平和を勝ち取るため。戦争根絶のために戦い続けることを祈る。ソレスタルビーイングとしてではなく、君たちの意志で、ガンダムと共に」(イオリア・シュヘンベルグ)

 神さまの使い的なニュアンスだった天上人(ソレスタルビーイング)の立場から、「君たちの意志」と、それぞれの意志を持つただの人間に。

 前回の予告でパンドラの箱の底に眠るものと例えられていたのは、イオリア自身だった感じですかね。予測・予知の不幸であったイオリアは、もともと展開次第では自らそっと箱を閉じて箱の底で眠りにつくつもりだったと。なんでも予測してしまうヴェーダ(イオリア)という存在をトレミー組から切り離し、何も予測できない、不完全なただの人間になってしまったトレミー組(というかイオリア的には未来のGNドライブ保持者)に、それでも信じてるから自分達の意志で後は戦っていけと全て(主にガンダム)を託すつもりだったと。パンドラの箱の神話が、(諸説あるけど)予測・予知の不幸が箱の外に出てこなかったからこそ、人間は不確定な未来に希望が見いだせるといった趣旨のお話だったので、22話かけて描かれてきたのも結局はそういうことだったんじゃないかと。何でも予測できるイオリア(ヴェーダ)とリンクしてるガンダムに紛争根絶の信仰を重ねていた刹那、ヴェーダそのものとのリンクがアイデンティティの全てだったティエリア、ヴェーダ経由の情報で「完全な」予測を志向していたスメラギさんといった面々が、神さま的な予測・予知の不幸から離脱して、天上人からただの不完全な(だけど未確定な分希望が見いだせる)人間になるまでのお話。

 超天上人だったはずのトリニティ組がアリーに見下ろされて蹂躙され、割って入った刹那と因縁のアリーが「ガンダムとは何か?」問答。ガンダムは戦争のための兵器と主張するアリー(この主張から、やっぱり同じことを言っていたアレハンドロと繋がってる感じ)に対して、ガンダムは紛争根絶のための「何か」と(口では言わないけど)主張する刹那がぶつかって、だけど刹那劣勢。

 それとシンクロするように、天上オブ天上だったはずのイオリアをアレハンドロが見下ろして銃撃を連射……全ては転覆して世界は最上位存在となったアレハンドロが掌握してしまうのか……という所で、トラップシステムが起動して、再度イオリアの方がアレハンドロを見下ろす構図に逆転。そして、逆転したまま、天上オブ天上人として全てを掌握し続けようなんてことは言わずに、あとはただの人間の君たちに任せるという趣旨の演説をはじめるイオリア。

 「ガンダムとは何か?」問答でアリーに対して劣勢だった刹那のもとに、ガンダムの解釈はあとはただの人間である君に任せる。だけど君の解釈を信じているから力を贈るよという趣旨のイオリアの言葉が届いて、トランザムシステム起動という流れがだいぶ熱かった。

 イオリア御大、神さま的な手法で紛争根絶プロジェクトを組んでおきながら、最終的には人間次第だともどこかで思ってたんだなぁ。で、そんなどこかで人間そのものを信じてたイオリアのメッセージ&力が、もう天上人じゃなくてただの人間になっちゃったけど、一人の人間として紛争根絶を願ってる刹那に届くというのが熱かった。これ、第二期って本当にあるんだろうか。統一世界も紛争根絶も劇中では成されないけれど、不完全で不確定だけど、それゆえに可能性も持てる人間達の手に後は委ねられている……な感じであと数話でエンディングでも、普通にいい終わり方な気がするんだけど。

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→前回:第21話「滅びの道」の感想へ
→次回:第23話「世界を止めて」の感想へ
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