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 病院の待合室で、誌名は失念したけど何らかの経済誌の「老後」特集号を待ち時間に読んでいて、退職後の老年世代をターゲットにした熟年婚仲介サービスが最近隆盛しているとの情報を得た。
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 雑誌によると、伴侶に先立たれた人や、退職してもやりたいことがなくてダラダラTV見てたら離婚を突きつけられた人なんかを中心に、老人限定のお見合いパーティは大層な盛り上がりを見せているらしい。

 「老後の新しい伴侶に求めるものは何か?」という問いに対して、そういった老人結婚仲介業を営んでいる現場の人にインタビューしている箇所によると、男性の場合はめんどうを見て欲しくてとにかくなるたけ若い女性であること、女性の場合は経済的安定を求めて経済力があることで、老人お見合いで相手にまず質問する質問は、「年金の額はおいくらですか?」だとのこと。

 老後という人生の終盤にまで来て、まだ誰かにめんどうを見てもらわなければという、非自立性。そういった老人である所の父母の面倒を見て生活している僕が語ると若干の自己矛盾を含むけれど、家族というシステムに面倒を見てもらい、学校というシステムに面倒を見てもらい、会社というシステムに面倒を見てもらい(この世代の女性の場合は伴侶に面倒を見てもらい)、今さらに国というシステムに面倒を見てもらい(年金など)……という個がシステムへの依存と切り離せない観念の中で生きてきた世代にとっては、老後の恋愛というのも、新しい依存先のシステムとしての伴侶を捜す行為という意味合いが強いのだなと思った瞬間。

 ニーズがある場所へ必要とされているサービスをという観点からのマーケティングとしては老齢結婚仲介業サービスは非常に優れているものと思うけれど、一方で虚構を売り物にしている足場が不安定なサービスという印象も受ける。

 こういったシステムへの依存心をくすぐって成り立っている老後向けサービスとは真逆の対老後向けサービスが、システム依存の時代は終わったから虚構から出て現実を見て自立しろというメッセージを発して実際にその方法論を売り物にしている「金持ち父さん」シリーズのロバート・キヨサキ氏のビジネスや、そこまで過激にメッセージは発してないけど、老後までのあり方を見据えてお金の知識とメンタリティーの大切さを説いてその方法論を売っている本田健さんなんかのビジネスだろう。僕は心理的に後者の方を支持する。

 そして、もう一つの対虚構システム型ビジネスが、実は最近のトップクリエイター達が発している、創作ビジネスだと思う(僕の現在のビジネスは上述の本田健さんタイプと、こっちの創作タイプとの融合と位置づけられる)。KEYの『リトルバスターズ!』をはじめ、最近のトップクリエイター達が発している虚構(創作)には、逆説的に虚構からは脱却しないとダメだよというメッセージのものが多い。おそらく、意識的にか無意識的にか、トップクリエイター達はシステム依存型の人生という生き方はもう通用せず、自力で現実を生きなきゃならない時代だというのを感じ取っているのだと思う。

----<以下、反転で「リトルバスターズ!」のコアなネタバレを含むので厳重注意>---

 「リトルバスターズ!」の虚構世界の野球やバトルゲームといった「競争」ゲームの数々は、その意味で学校や会社という虚構システムの中で生きてきた今の老人世代が体験してきた、受験競争や出世競争という虚構の中でのゲームを連想させる。

 だけどいつまでも虚構の中でゲームしてる訳にはいかないから、現実に立ち向かっていかなければならない。永遠に回る虚構世界の中で遊んでいる方向の選択肢を選ぶと必ずバッドエンドで、虚構世界を打ち崩して現実に立ち向かっていくような選択肢を選ばないと前に進めない「リトルバスターズ!」のあり方には、まさにそういったメッセージを感じる。

 最終的に「リトルバスターズ!」の主人公は虚構世界を脱却して現実の世界での戦いに赴く訳だけど、その流れこそが、児童性(虚構性)を脱却する(殺す)という意味でのタイトル「リトルバスターズ!(児童性を殺すもの達)」なのだと思う(美魚ルートなんかが一番明示的だと思うけど、「Refrain」の他にも全ての個別ルートに、そういった児童性からの脱却が描かれている)。その流れで行くと、上述の新しい虚構システムを探して彷徨う老年結婚仲介業のターゲットになってるような老人達は、いつまでリトル(児童性)でいるのかという感じになる。


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 受験競争や出世競争というのはその意味でシステム提供者側から提供された虚構の競争で、ある意味「現実」ではないのだけれど、現在の老齢層はその虚構のシステムの中で生きてきたので、そう簡単に「現実」には出られ無さそう。

 個人的な体験では、母親が倒れた時に、学校システムから出て起業して生きると決めた瞬間が、「現実」に出た瞬間だった(引き続きリトバスネタバレ:だからこそ、「リトルバスターズ!」ラストの、夕日の中で鈴が「小毬ちゃん、その願い、叶えてみせる」と児童性を脱却するシーンは、脳外科医の先生に何があっても僕が面倒を見るから母親を助けてやって欲しいと言った時の自分と重なって、泣いた。)。

 行きなりシステムから出ろとは言わないし言えないけれど(結構大変です)、老後までを見据えた上で、将来自分がお世話になるサービスを老齢結婚仲介業サービスにするか、ロバート・キヨサキ氏や本田健さんや僕が志向する所の経済的自立支援サービスにするかは、一度立ち止まって考えておくのが有益かと思います。ロバート・キヨサキ氏が「ラットレース」と呼ぶような虚構の競争ゲームの中を生きていると、あっという間に老後になったりしますんで。

金持ち父さん貧乏父さん

幸せな経済自由人という生き方 ライフスタイル編 (ゴマ文庫)

リトルバスターズ! 通常版