ブログネタ
ダブルアーツ に参加中!
 今週の「ダブルアーツ」。ジャンプ雑誌本編のタイムリーネタバレ感想。第6話「体温」のネタバレ感想です。
 ◇

 作中悪であるトロイを表現する特性として新たに「体温が失われる」というのが示された第6話でした。そして、そんな作中悪トロイのカウンターとなる作中正義であるキリの能力は、失われた体温を取り戻すことができる能力でもあることも同時に示されました。

 トロイは誰とも触れられなくなるという意味で、コミュニケーションができなくなる孤独病を表現してるんだろうという話をずっと書いてきましたが、触れられなくなるがゆえに人の体温を知らない、「温もり」を知らない状態になってしまうということで、ますますリアルにあるコミュニケーション不全病をトロイは比喩的に表現してるんだろうと思うようになりました。

 ざっと、作中悪であるトロイと、それを治す作中正義であるキリの能力は、今の所出てるモノでは、それぞれ対でこんな感じですね↓

 トロイ−キリの能力
 誰にも触れられなくなる−キリだけは触れられる
 やがて透明になって消えてしまう−触れることで消えるのを止めることができる。また、キリ自身は透明化とは真逆の芸術的な創造する能力も持っている
 誰にも触れられないので孤独−皆で繋がる(触れ合う)ことでかけ算的にパワーアップする力(フレア)
 体温が失われる−体温を保全することができる

 また、今話のシスター達との握手イベントは、キリは「同情からか使命感からか知らないけれど」と表現してますが、キリ自身が能動的にトロイに立ち向かう動機を補強するイベントその一にもなったようです。触れ合うことでパワーアップできる世界にいたキリですが、そういう世界とは真逆の、触れられない、人と触れ合う温もりすら感じられないというトロイとそれに立ち向かうシスター達の世界が悲しいものだと、今回でヒシヒシと実感しはじめたようです。

 ここまでで、トロイ、というか「人と触れられない」ことが如何に寂しいか悲しいかということを掘り下げてるからこそ、そのカウンターとなる、ずっと触れていなければならないというキリとエルーの絵と設定が映えます。第1話の、

 「あんたがこの手を取ったら俺はもう 絶対その手は離さない!!」(キリ)

 の場面は、触れられないで消えていくという孤独病を一撃で破壊したという意味で、本当この作品の全てが凝縮されていたんだなぁとしみじみ。

 さて、引きは敵キャラっぽい「あいつ」の存在が示されて、いよいよ強敵登場という流れになりそうです。今話ラストのモノローグも、エルーが未来から出来事を回想してる箇所だと思われるので、既に「あいつ」が「あいつ」という特別な意図を付加した呼称で呼ばれてるだけで、キリとエルーにとって長いスパンで因縁深い相手になる(なった)キャラであることが示されています。1クール、というか物語冒頭のクライマックスバトル編になりそう。わざわざ前もって掘り下げた分、スイとかも助っ人登場しそうだし、楽しみです。

前回第5話「特別」の感想へ
次回第7話「鴉は舞い降りる」の感想へ
「ダブルアーツ」感想インデックスへ