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前回第6話「太平洋奇襲作戦」の感想&トラックバックセンター記事では、4000PV/WEEK超えのご好評を頂いてありがとうございました。前シリーズでの運営経験を生かして、TBセンター記事は早めに立てておきますので、今回も感想記事を書いたブログ管理人の方はふるってトラックバック頂けたら幸いです。なお、記事中はネタバレが前提となりますことをあらかじめご了承下さい。
<追記:感想アップしました>
◇以下本編感想◇
「みんな?」(ルルーシュ)
「ニーナ、カレン」(シャーリー)
「スザクも」(リヴァル)
「それに、ルルーシュとロロね」(ミレイ)
これは泣いた。
最後の回帰点が生徒会になるだろうってことは前シリーズの感想からずっと書いてきたことですが、今回はかなり感動的なテイストでそのことが確認されたんじゃないかと思います。というかもう、たぶんこの物語の終着点、主人公の到達すべき本当の目標が描かれたと言ってもいいんじゃないかと。
拠り所だったナナリーに自分のあり方を否定されて、「ナナリーの幸せのため」という行動原理は自分がいなくても叶ってしまうという状況になって、生きる意味、自分の軸を見失って彷徨うルル様。
もう、今までナナリー原理主義者、自分がどんな状況になってもナナリーの存在が自分に軸をくれる、自分をアイデンティファイしてくれるみたいなのがこれまでのルルーシュだった訳じゃないですか。
そこが前回でブレたからこそ、今回はナナリーという軸が崩れても、ルルーシュの存在を同定してくれる、アイデンティファイしてくれる人達の存在が描かれるお話だったんですよ。
第一陣がカレンのビンタ。
ビンタとか厳しいですが、あれはナナリーという軸が崩れたとしても、カレンにはルルーシュが必要だという、カレンによるルルーシュの同定ビンタですよ(ゼロとしてのルルーシュが必要ってカレンは言ってるけど、「ルルーシュ」と呼びかけていることから、前から書いてる通り、カレンの中でルルーシュとゼロのボーダーは曖昧になってきている。ある側面のルルーシュだけを同定して、他の側面はお互い秘匿し合っているという前シリーズの状況から、全ての側面のルルーシュ、Allルルーシュ、ただのルルーシュをみんなが同定していくという、前から言ってるこの物語の結末へ向けて着実にステップが進んでいる印象を受けます)。
あと、前回のカレンはルルーシュの行動原理がナナリーということを既に知っているのか?という疑問だけど、今回、
「また作戦考えて、取り返せばいいじゃない!」(カレン)
と、「取り返す」と、もともとルルーシュの側にいたけど今は離れた存在をもう一度連れてくるというニュアンスの言葉を使っているので、ルルーシュはナナリーのために戦って破れて、今はナナリーを奪われている、だからナナリーを「取り返す」ために前回の作戦を行ったというのを既にカレンは知ってるみたい(時系列的にも、既にマスメディアにナナリーの顔が出てるので、この時点で記憶を奪われていないカレンはナナリーとルルーシュのことを知っているはず。オーバーリアクションしてないので、既にC.C.から聞いていた説が有力だと思われる)。これは熱いな。カレンは兄のため、母のため、ルルーシュは妹のためと、魂の根本の行動原理を同じとしているというのが熱い。だからカレンはゼロ=ルルーシュと知ってもルルーシュのために紅蓮可翔式で獅子奮迅してもみせるし、今回ルルーシュにビンタしにも来るという(いや、最初は説得っていうか励ましにきたんだと思うけど(笑))。
あと「取り返す」っていうのが、冒頭のエリア11となった日本から日本という名前を「取り返す」から始まって、末端ではジェレミアという名前を奪われたオレンジがその名前を「取り返す」という物語に至るまで、コードギアスがマクロからミクロに至るまで己の存在・アイデンティティ(たいていある名前に象徴されている)を「取り返す」物語であるというのがこの辺りにもにじんでいます。ここではナナリーを「取り返す」=「ルルーシュの行動原理を取り返す」なニュアンスで使われている訳ですね(後述するように、その行動原理は今話後半でステップアップしてしまいますが)。
そして、ナナリー以外のルルーシュを同定する要素、第二陣がロロ。
偽りでもいいじゃない的なロロに都合がいいアプローチでしたが、作中でマイナスのニュアンスの場面では無かったと思います。ナナリーという軸が折れていたルルーシュにとって、ここで自分を必要だと言ってくれる、同定してくれるロロの存在は救いになったと思うので。
そして第三陣。
ナナリーという軸は失った。かといって昔のただの学生としてのルルーシュに戻れるかと言えば、もはや学生としてのルルーシュを同定してくれていた学園はニセモノにすり替わっていて、生徒達はみんな修学旅行に行って誰もいない。学園もナナリーに代わるルルーシュの軸にはなり得ない……
という所まで来て、そこにあがる花火。
ナナリーを失って、学園を失って、それでもルルーシュに残っていたもの。ルルーシュを同定してくれる人達。
ミレイ先輩、リヴァル、シャーリー。
忘却の檻の中でなお、ルルーシュを愛している友だち。皇帝のギアスに関係なく、ルルーシュを大事だと想ってくれている気持ち。それはたぶん、作中否のギアスによる「強制意志」を超える、「自由意志」に基づくルルーシュへのホンモノの気持ち。
ここで、ルルーシュがようやく本当の幸せのカタチに気付きます。
「みんな?」(ルルーシュ)
「ニーナ、カレン」(シャーリー)
「スザクも」(リヴァル)
「それに、ルルーシュとロロね」(ミレイ)
それはナナリーが願った、そして自分も知っていたはずだった「優しい世界」。ガラスに映る風景のように、見方を変えれば見えるはずだったのに、気づけなかった世界。
ここで、ついにルルーシュの行動原理が変わります。いや、「ナナリーのため」も内包してるので、行動原理が拡張された感じでしょうか、
「そう、俺の闘いは、もうナナリーだけじゃ……」(ルルーシュ)
いわば「ナナリーのため」から「みんなのため」へ。ルルーシュが幻視した、ミレイ先輩、リヴァル、シャーリーだけじゃなく、スザク、カレン、ニーナ、ナナリーもいる(そしてミレイがロロの名を口にした所でロロが反応してる描写から、ルルーシュの現時点での内面ではともかく、作品としてはここにロロも混ざる方向になる気がする)、「優しい世界」のために。そのためになら戦える。
道のりは険しいけれど、その「優しい世界」こそがこの物語でルルーシュが本当に「取り返さ」なければならないもの。カレン辺りはわりと戻ってもらうハードル低そうだけど、ニーナとかはマジハードルが高い。あくまで「自由意志」に基づいて再集結しないといけないと思うので、ギアス破りも行わなければならない。そして、その世界に至るまでにはまだまだいくつもの「秘匿」を超えていかなければならない。日本人とブリタニア人が混在する生徒会なので、「差別」のボーダーも超えなくてはならない。何より、ブリタニア皇帝が目指す弱肉強食の世界では実現しない風景だからこそ(だから今話冒頭で再び皇帝演説が入ってるんだと思うんですが)、ルルーシュは皇帝を超えなければならない。
それでも、ルルーシュはやり遂げる気になっている。だから、もう一度「花火をあげよう」と誓う。
そうして、ルルーシュは戦いの場に戻ってくる。
◇
という訳で、前回の展開予想メモで書いた、最後にAllルルーシュ/ただのルルーシュを同定してくれる要素として僕が予想しているのは、生徒会メンバーです。
全ての側面のルルーシュを同定して貰わないと、上であげた本当の意味で生徒会メンバーが揃う「優しい世界」は実現しないのがポイント。カレンに戻って貰うにはゼロとしての側面を、(記憶喪失以前の)シャーリーに戻って貰うにはルルーシュ・ランペルージとしての側面を、ナナリーに戻って貰うには、もう皇族ナナリーとしてナナリーが総督になっている以上(そしてナナリーがユフィを継ぐ者という位置づけな以上)、ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアとしての側面を、それぞれを昇華しないことには、今回ルルーシュが幻視した「優しい世界」は取り返せない。
第一期で間違った世界を壊すために突き進んで結局自分の全ての側面を失って破滅したルルーシュは、第二ラウンドで今度は優しい世界を取り返すために戦って、自分の全ての側面が同定されるAllルルーシュ/ただのルルーシュに辿り着けるのか?
これは、そういう物語なんだとわりと本気で思っています。
◇この感想記事はトラックバックセンターの役割も兼ねています。今話の感想(レビュー、考察、etc、関係する記事なら基本的になんでもOKです)をお書きになった方がいらっしゃいましたら、報告義務とかありませんので、気楽にこの記事にトラックバックして頂けたら幸いです。後日僕の方からも返させて頂きます。色んな感想を読みたい人のための一つのインデックスみたくできたら嬉しいと思います。ご協力頂ければ幸いです。
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→前回TURN6「太平洋奇襲作戦」の感想へ
→前回:コードギアスR2・展開予想メモへ
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→「コードギアス 反逆のルルーシュ」&「コードギアスR2」感想インデックスへ
今週のカレンの
『取り返せばいいじゃない』
という台詞についてですが、前回の戦闘でルルーシュが総督確保に失敗、紅蓮以外全てのKMFを失うという大敗北喫したことから、カレンが“次の作戦で取り返す”と言ったのは単純に黒の騎士団としての戦果だと思いました。
カレンがルルーシュの彼女への最大の秘匿である『実は皇族』を知ったにしては動きが少な過ぎる気がします。