
劇場で序盤三章を一気観賞した時に興奮して書き殴った感想はこちらにありますが、DVD1巻が届いて「俯瞰風景」を改めて視たので、再び軽く感想をば。原作のネタバレありなんで注意です。
後半の章だとバトル面における式の動機にも、「自身の殺人衝動との対峙」とか「過去の記憶との対峙」とかの要素が入ってくるんですが、とりあえずこの第一章「俯瞰風景」の中では、式の行動原理は幹也LOVEの一点に絞られてるのが爽快だと思いました。
これ、思いっきり単純化すると、幹也に横恋慕してきた霧絵を、本妻の式がナイフ持ってブチ殺しに行くお話だよな(;´Д`)。どこかのインタビューで奈須きのこさん本人が式のことをヤンデレだって称してたけど、確かに横恋慕してみたら本妻の女がナイフ持って(直視の魔眼付)自分を殺しにやってきたら、霧絵もビビるよな。横恋慕相手をチェーンソーでブチ殺しに行くヤンデレのイメージと確かに合致します。病むほど想われている幹也に合掌。
この劇場版がこんだけエンターテイメント性が高いのは、やっぱりシンプル化してるからだと思いました。時系列がバラバラ、視点がバラバラで、それぞれの時系列と視点を読み手が頭の中で再構築しないといけないパズル的娯楽性を追求した原作に比べて、時系列も一本化、視点もほぼ式視点に一本化(視点に関しては、原作ではAの視点だと思って読んでいた文章が実はBの視点だったと明らかになるいわゆる叙述トリックまで仕掛けられていて大変なんですが)。
式視点から、幹也の不在に想いが募っていくのを段々と積み重ねて、想い人を想いながら裸ワイシャツでハーゲンダッツを食べて(笑)、ついに気持ちが満タンに達して横恋慕相手をぶち殺しに行って、ぶち殺すシーンで最高にバトルエンタメしてみせて、最後は幹也が帰ってきてめでたしめでたしという。こうやって書くとめっちゃシンプルなお話です。でもやっぱこの式視点で芯を通したからこそ、ハーゲンダッツのシーンはなんかエロいし、ラストの幹也に泊まっていけっていうシーンもなんかエロいんですよね。エロいっていうのは直接的な意味じゃなくて、情念に訴えかけるっていう意味でめっちゃ褒め言葉の意味でね。
映像美は惚れ惚れで、本当何回も見直しています。劇場で観るともっと凄いので、行ける人は劇場で観ておくことをマジでお勧めします。
そして、こうして式エロい式エロいと言っておきながら実は鮮花の方が好きなんですが、最後にちょっと出てきて動いている鮮花がひじょうに可愛かったので、さりげなく第六章「忘却録音」は楽しみにしています。以前「とらだよ。」に載った奈須きのこさんインタビューで、七章のうち一章だけ萌えアニメっぽくなるのがあるって言ってたので、たぶんそれが六章だと予想してるので、鮮花と式の女子校話を楽しみにしています。


→前回:劇場で第一章〜第三章を一気に視てきた時の感想へ
→次回:第二章「殺人考察(前)」の感想へ
→原作『空の境界』の感想インデックスへ
→劇場版『空の境界』の感想インデックスへ
原作は敢えて読まずに、アニメのほうから見ているので、ストーリーはつかみ所がない部分はありますがナカナカ面白かったです。
なによりもビジュアルが凄いですね。無機質で退廃的な画もこの作品のスパイスになっていると思いますし
戦闘シーンはまさに芸術的でした。
まさに映像美と言った感じです
出来ればDVDよりもBDで出してほしかった・・・・とりあえず3巻まではDVDを予約しましたが、それ以降はBDで欲しいかなと、ソウでないとDVDではこの作品のポテンシャルを100%引き出せないような気がします