ゼズゥに見逃してもらうという決着だった!
ライバルキャラとの初戦は敗北で主人公の挫折を一旦描くというのは考えてみれば王道を行くこの作品らしいんですが、もう少しバトルエンタメしてもらった上で負ける展開でも良かった気がする。1クールというか、序盤10話のヤマ場のバトルクライマックスだったと思うので、勝利しないまでも、ゼズゥにもう一矢報いるくらいのカタルシスが欲しかったなぁ。前回ラストで一人で何とかしなきゃ!と焦ってたキリの所にシスターさんが飛び込んできて、彼女とフレアでパワーアップして一旦局面を打開する所が異様にカッコ良かっただけに、もう一押し欲しかった。いや、でも、「手をっ!!」で作中是の「手繋ぎ行為」がアップで映ってフレアが発動、そっから局面を打開するという所は良かったですね。
あとは今回のゼズゥ襲来イベントに対して自罰しているキリなれど、最後にシスターさんから戻ってきてくれてありがとうと言われて、それでもやっぱり関わること、関わろうとすることは意味があることだというのも示唆して結んでいるという。存在が希薄になって消えてしまうというトロイと、トロイを治しながら透明になって消えていくことを受け入れてしまいがちなシスターさん達は、現実のコミュニケーション不全病みたいなのを比喩してるんだろうとは書いてきましたが、今回のケースをそういった現実の比喩にあてはめるなら、引きこもりとかコミュニケーション不全の人が「もう私のことは放っておいて」って言ったんだけど、それをそのまま受け入れずに関わり続けることを選んだ、みたいな。自分で放っておいてと言いつつも、関わりに戻ってきてくれて嬉しかった、みたいな。
エルーいわく「あなたが選んだ」っていう今回のエピソードを通してのキリの選択は、切り捨ててしまわないで関わり続けること、触れ続けることって感じでしょう(実際に戻って物理的にも手繋ぎで触れ合った訳ですが)。今回は敗北という展開でしたが、こういったキリの決意は大変良いと思います。「体温」の回でちょっとキリの意識の変化が描かれはじめてる部分から、今回ラストの決意の部分まで、ひとまとまりの流れとしてきれいだった感じです。
→前回第8話「彼の選択」の感想へ
→次回第10話「旅立つ朝に」の感想へ
→「ダブルアーツ」感想インデックスへ
これからのキリの活躍に期待したいものです。
ただ、結果的に助かったと言っても
結局はシスター達の命をはる覚悟を無駄(無視?)にしたわけですから
ここはもう少し誰かに怒られても良かったのかと思います。
ゼズゥも普段姿を隠してる割には姿を見たシスター達を誰も殺さなかったりと
なんだか微妙な点も多い話だったとおもったます(´・ω・`)