自己犠牲的に死ぬ覚悟は出来てるはずだったのに、いざトロイの発作が始まってみた所でこの世への未練に気付くというのは、第1話のエルーと今回のハイネとでリフレインさせて描いている箇所。
その時に第1話ではキリがエルーに手を伸ばして救ってくれて、今回もキリはハイネに手を伸ばすんだけど、今回は既にエルーと手を繋ぎ済み。人一人が救える人数なんて限られているのに、そうやって全員を救済しようなんて理想はアリなのか?というのがたぶん今回のテーマ。
もちろん、ゼズゥ戦の時の、シスター全員の救済を目指すか、自分たちだけ助かろうとするかという選択のお話で描いた主題から続いている部分なので、今回は第二回という感じ。
ゼズゥ戦では全員救済は無理なんじゃ?と最初にキューを出したのがエルーだったのに対して、今回は「この先出会う人間も皆助けるつもりか…?」と、全員救済なんて無理なんじゃという疑問を提示する役割がファランになってる。
だけど、キリの考え、行動はゼズゥ戦の時と同じで、理想的な答え、代案なんて無いけど、とりあえず全員救済を目指すというもの。明らかに幼い子どもの理想として描かれてるんですが、少年が理想を掲げて現実に摩耗しないように頑張るというのは一つの少年漫画の型なので、これでいいんだと思います。
まあ多分このテーマ、お互いが向かい合って両手を繋ぐ(これでは力は2倍止まり、救えるのは一人だけ)のではなく、輪になって皆で繋ぐことができる(力はかけ算的、みんなで助け合える)っていうお祭りの準備のシーンに向かって最終的には収束していくのかな、と今のところは思っております。
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ダブルアーツ 1 (1) (ジャンプコミックス)
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