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 「おれはおれの願いを叶えるために行く その報いは……すべてこの身で受ける」(真・小狼)

 『ツバサ』第24巻のネタバレ感想記事です。全体としては収録話に関してマガジン掲載時に書いた感想の再掲記事になっています。コミックス派の方は、これを機会にこの記事で一気読みなどして頂けたらと。
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 帯より、OADの続編が決定で、初回限定版26巻に付くとのこと。
 「インフィニティ編」かな?「東京編」以降全部やって欲しいものですが、同じマガジンOADで、『ネギま!』の方は赤松先生が裏側なんかを結構日記で書いてくれてるのから察するに、ある程度売れてビジネスモデルとして可能と判断されないと中々難しいんでしょうね。何編でも、とりあえず僕は買いますが(^^;

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●ツバサ/感想/Chapitre.183「砂の世界」

 飛王が侑子さんのいる場所を「切り取られた時間」と表現したことから、その辺りに、「XXXHOLiC」12巻部分の四月一日の胡蝶の夢ループの謎があるみたい。

 そんな侑子さん。インフィニティ編辺りの描写から、本心では干渉したいんだけど、世界の原理(主に対価の原理としてXXXHOLiCでは描かれてきた)を壊せないという制約のために自身の大事な人達のために「個」としては干渉できないという切なさを伴った存在として描かれてきたフシがあったんですが、そんな侑子さんが最後の干渉としてボロボロになりながら真・小狼、黒鋼、ファイ、モコナを玖楼国へ送るのが美しかった。本当はずっと助けたかったから、自身に許された最後の干渉なら、やっぱり侑子さんも体張りますよ。

 また、日本国編冒頭で言いたくても言えないツラサを黒鋼から指摘されていたように、この干渉したくても干渉できないという切なさは、侑子さんだけじゃなくて知世姫も共有していた感じなんですが、そんな知世姫が最後の世界への送り人でもあるという。この、侑子さんの最後の干渉、知世姫にできる精一杯の「見送り」で最後の世界、ハジマリの地玖楼国へというのは熱かった。侑子さんにも、知世姫にももう出来ることはなく、あとは、この物語の中核を担った原初メンバーの選択のみが未来を確定させる(夢に現れる不確定な未来から、未来を確定させるのは人の意志というのは既に描かれている所)。

 玖楼国編でどんな結末が描かれるのか。予想している時間超越展開を伴った残された謎解きにも期待しつつ、最終章に想いを馳せます。

●ツバサ/感想/Chapitre.184「切り取られた時間」

 最終章に来て、原点回帰的に「その世界の謎」を解き明かすお話が始まっているのが面白いです。最初の阪神共和国の話で、巧断の謎を解き明かす部分なんかから始まって、考古学(世界の謎を解き明かす学問)志向という設定の写身小狼が、一種の世界の謎に対する探偵役になって(ジェイド国なんかでは文字通りミステリの探偵役だったけど)その次元その次元の謎を解き明かしていくという、ツバサ初期の面白さ。

 「東京編」以降はその次元その次元の謎というよりは物語全体の謎にフォーカスが移っていって薄れていた部分なんですが、この最終章に来て、ループする時間という、玖楼国の「切り取られた時間」は何なのかというその世界(次元)特有の謎を解かないと先に進めないという初期テイストのRPGチックな展開に。

 この辺りは脚本の大川さんがトップランナーに出たときに、すぐに答えを知りたい最近の読者に配慮して、「起承転結」の「承」を省いて作劇している(概意)と語っていたのと関係していて、初期のツバサは謎解き部分で、謎の提示、その探求のパートみたいな「承」のパートがまだあったんだけど、「東京編」以降は極端に「承」のパートが減っていた印象でした。「セレス国編」「日本国編」なんて、「承」パートまったくなかったですしね(世界に着いた途端、真・小狼の魔法で一気にアシュラ王の元へとか、いきなり星史郎さん登場で一気に夢の世界の真・小狼VS写身小狼へ……とか)。

 前回の感想のコメント欄で話題になったように、「切り取られた時間」が侑子さんの場所の方にもかかってるとすると、ここでループする時間という現象が出てきたのは、XXXHOLiCの方で12巻で描かれた四月一日の胡蝶の夢ループ現象と何か関係がある予感。おそらく、単純な予想としては、侑子さんはあれだけダメージを追いながら真・小狼一向を玖楼国の「切り取られた時間」に飛ばしたはずなので、通常の時間が流れる玖楼国(物語冒頭に写身小狼と真・さくらが過ごしていたような、時系列がある時間)の他に、ある期間がループしてくり返されている「切り取られた」玖楼国の時間があって、今回、真・小狼達はその「切り取られた」部分の方にやってきたんじゃないかと。

 そして、どんな期間が切り取られているかというと、それは遺跡で「祭り」が行われる期間だという。「祭り」が非日常へ突入する合図の記号を秘めていることは、最近の作品では「綿流し」という「祭り」の日が重要な意味を持つ「ひぐらしのなく頃に」をあげるまでもなく(というかツバサとひぐらし自体が、虚構性をキーに似た命題を扱ってる作品だという話を以前この記事で書きましたが)、伝承学的、フォークロア的、物語学的に一般的な事実ですが、超読書家という大川先生のことなので、意図して「祭り」というものを、最終章の非日常へ突入する契機として設定して、今話で語っているものだと思われます。

 ひぐらしじゃないですけど、はじまりの地、玖楼国の「祭り」の日に、最終章の幕が上がる。これだけ聞いても、なんかワクワクしますね。

●ツバサ/感想/Chapitre.185「繰り返す時間」

 前回も書きましたけど、最終章にきて起承転結の「承」をちゃんと入れてる感じ(あるいはまだ「起」?)。謎が謎を呼ぶ状況でまずは推理からというのは、初期のジェイド国編辺りのノリです。

 とりあえず、真・小狼とファイと探偵役として優秀で、さっそく一日全てがループしてる訳じゃなくてある一定の時間だけがループしてることを突き止めたり、黒鋼の痛みの度合いという自分達の痛覚という証左でもって、時間がループしてるのは外界であって、自分達の身体はその影響を受けていないという情報を割り出したり……という辺りが普通のミステリの推理部分みたいで面白かった。

 あとは黒ファイ萌えでした。アニメツバサ・クロニクルの監督も、仲間ではあるけど微妙な距離がある関係、その距離感を上手く描いていきたいなんて言ってたほど、パーティではあるし目的のために共闘もするんだけど、決してお互い本心の部分で腹は割らないというのが特徴のツバサパーティだったのに、今では腹を割ってなかった最右翼だったファイから黒鋼に向かって隠し事するな的な台詞が。こんな日が来ようとは。

 ◇

 やっぱり、「祭り」がキーなんだと思うんだけどどうなんだろう。大川脚本的に、この二話も伏線になって後で重要になってきたりするんだろうか。

●ツバサ/感想/Chapitre.186「進まない時間」

 ループ時間内の玖楼国の住人は、小狼達が来た影響なのか、ループする度に徐々に溶けて消えてしまうという展開に。もとから人間の存在の虚構性が随所で強調されてる作品ですが、あっけなく消えてしまう住人という絵からは、写身サクラ、写身小狼、四月一日に通じる虚構の生命ゆえの儚さを感じます。

 そして、ファイが時間が進むと悲しいことが起こるのかも……と語ってる箇所はここでわざわざ語っている以上おそらく本当で、真・小狼も七歳の誕生日のお祭りの潔斎の時にさくらに何か悲劇的なことが起こるのを知っている模様。もとから住人の行く末についての会話だったことと、ここで敢えてファイに言わせてるってことは、幼少時から国民全滅経験を経てるファイなんで、玖楼国にも実はそういったことが起こっていたって感じなのかなぁ。

 虚構の繰り返しの中で安寧していれば幸せかもしれないけれど、例え辛くてもそのループを抜け出して悲しいことが起こる現実に踏み出さなきゃっていうのは、個人的には「KEY作品全般、特にリトルバスターズ!」や「ひぐらしのなく頃に」を想起させられます。大川さんと竜騎士07氏のコラボドラマCDが発表されましたし、竜騎士07氏参加のKEY新作も発表されましたし、その辺りは何かでトップクリエイター同士繋がってるモノがあるのかも。

●ツバサ/感想/Chapitre.187「願いの報い」

 今話の、

 「おれはおれの願いを叶えるために行く その報いは……すべてこの身で受ける」(真・小狼)

 の部分は、「東京編」ラストで写身サクラが他の生命を犠牲にして対価の卵を手にした時の、

 「……わたしはこれからも 誰かを傷付け何かを奪う…自分勝手な理由で きっとその報いを受ける わたしがそうしたように……」(写身サクラ)

 と対になる台詞。

 その時の写身サクラの台詞には、こう続きます。

 「でも…それでも…取り戻したいの 貴方の無くした心を …小狼君」(写身サクラ)

 あの時、他の生命を犠牲にしても、その報いを受けると覚悟した上でも、サクラは小狼という願いを求めた。今、消えてゆく玖楼国の住人の生命を犠牲にしても、その報いを受けると覚悟した上でも、小狼はサクラという願いを求めた、という構図。

 何かを願うということは、何かを失うということ。「XXXHOLiC」の方で「対価」という言葉でずっと強調されていた作中原理です。

 そして、その対価の原理から言うなら、生命を奪ったのなら自らの生命も差し出さなければならないという理屈が一つ通るんですが、そのテーゼは実際にファイを殺した(と思ってた)ゆえに対等に自分も死ぬべきだと考えていたユゥイ(現在のファイ)がその死にたがりを脱却する過程を描いた「セレス国編」終了までの物語で、既に決着しています。

 つまりは、名話Chapitre.152「四つの対価」やChapitre.166「閉じた世界」、そして「XXXHOLiC」で蜘蛛の巣のエピソードのラストの四月一日と百目鬼の「半分ずつだな」で描かれた、重い対価も信じられる仲間と分割して背負うという決着。

 なので、今回もあの時ファイの対価を四人で分割して背負ったように、真・小狼の業を、四人で分割して背負いながら、ただ一つの願いに向けて四人は進みます。長い物語の末に、それだけの関係性が四人に出来上がっているのがカッコいい。

 そして、そんなそれでも叶えたい真・小狼の願いたる真・さくらは、今話の真・小狼の捉えられるまでずっと一緒にいた発言に、「ツバサ TOKYO REVELATIONS最終巻 姫君の視た夢」での『カードキャプターさくら』のさくらを写身サクラが幻視する追加演出なんかから判断するに、やっぱり『カードキャプターさくら』のさくらっぽいです。ちょっと、次週までに『カードキャプターさくら』全部読み直しておこうなんて思ったり。

●ツバサ/感想/Chapitre.188「あの日の遺跡」

 前回で他者を犠牲にしてでも叶えたい真・小狼の願いが強力にアピールされたのに続いて、その願いの内容が明かされはじめました。

 真・小狼、時間を巻き戻していたということで、

 →真・小狼と真・さくらが一緒にいた時間→(時間巻き戻し)→真・小狼は飛王に捕らえられ、真・さくらは写身小狼と過ごすことになる時間……

 という順番なのかなとは思うんですが、ここで取り上げるべきは、「紗羅ノ国編&修羅ノ国編」で写身小狼が許されることなのだろうか?と自問していた(実際に自問のシーンが描かれるのは「ピッフル国編」冒頭)時間に干渉しての過去の変更というのを、既に真・小狼が行っていた(行おうとしていたが正しいのかな)点ですね。

 「…そこにあった未来を変えるのが許されるのか…か」(ファイ)

 「今後また過去の世界に行くかは分かりません でも修羅ノ国であったような事を続けたら 他の世界の歴史はどうなってしまうんでしょう」(写身小狼)

 第10巻より


 あの時は、ファイの助言で今は考えてもしょうがないと、いい意味で問題が先送りにされたテーマでしたが、いよいよ最終章になって本当の意味でこのテーマに作品として向き合う時が来たようです。この何気ない伏線回収率は凄いです。

 どちらかというと過去の改変は否的なニュアンスで作中で語られてる印象を受けるので(逆に確定されていると思われる未来を変えていく行為は是的に語られている印象を受ける)、ちょっと、真・小狼の行く末が心配になってきました。まあ、それでも叶えたい願いがあるんだというCLAMPテイストのお話ではあるんですが、その願いのために切り捨てる事象がどこまで許されるのかっていうお話ですよね。

補:ちなみに、このテーマを扱って昇華している近年のサブカルチャー界隈の作品としては、何と言っても『Fate/stay night』のセイバールート。

●ツバサ/感想/Chapitre.189「受け継がれし覚悟」

 ついに明確に『カードキャプターさくら』と繋がっターーー(>▽<)

 うおお、超興奮。『ツバサ』&『XXXHOLiC』そのものが『カードキャプターさくらアフター』だったんだ。

 真・小狼は『カードキャプターさくら』のさくらと小狼の子ども!ということで、今までの数々の意味深な言葉に一本の芯が通りました。全巻読み返せばもっと怒濤のようにこの事実の意味が反芻できるんだろうけど、ざっと今思いついただけでも……

1.真・小狼が使ってた雷帝招来とかは、お父さん小狼譲り。

2.真・小狼が「クロウの血筋」と呼ばれていたのは、クロウ・リードの半分である(CCさくらでさくらのお父さんの)藤隆さん→CCさくらのさくらちゃん→真・小狼……という流れでの血筋。

3.『ツバサ』でも重要な要素になってたサクラ(さくら)の未来視の力は、CCさくら終盤でさくらが獲得した未来視の力(未来が全て分かるゆえに諦観していたクロウに対して、CCさくらちゃんの未来視はコントロールできるっていうのがCCさくらの終盤だったけど、その力がなんらかの要因で発動してしまい、今話のCCさくらちゃんの未来視に繋がると想われる)で、それが存在が同じな『ツバサ』の真・さくらや写身サクラにも備わっていたのだと思われる。

4.『CCさくら』では、一つだけクロウ・リードの未来視でも予知できないものの存在が描かれる。そう言われてみると、未来視が視た確定した未来を変えるために願う力と関係性で立ち向かうというテイストの『ツバサ』&『XXXHOLiC』においても、この未来視にとっての不確定要素は、重要な要素として生きている。

5.藤隆さんと小狼の関係は、(写身小狼時間の)藤隆さんと写身小狼は(血は繋がってない)親子、CCさくら次元の藤隆さんと真・小狼はお祖父ちゃんと孫、CCさくら次元の藤隆さんとパパ小狼(CCさくらに出てきた李小狼)は嫁父と娘婿……という関係。

6.東京編OVA『トキョーレベレーション』最終話「姫君が視た夢」で、写身サクラをCCさくらちゃんの幻影が助けてくれたのは、単純に存在が同じだから助けてくれただけじゃなくて、写身小狼の心を取り戻したいという写身サクラの気持ちに答えて、自分の子ども(の写身)をヨロシクねという意味合いの母の愛も付加されていたといった意味の演出と解釈できる。

 などなど。

 なにより、一番大きいのは、本当の両親との繋がりが断絶している写身サクラ、写身小狼、四月一日というのをこれまで掘り下げておいて、それらを全て逆転させるように、一気に『ツバサ』&『XXXHOLiC』が受け継がれる父母と子どもの物語になったこと(ちょうどヤンマガ連載分の『XXXHOLiC』で小羽ちゃんと小羽母の関係に小羽編が収束したのともリンクする)。断絶した時間(次元)それぞれに意味があるというのをこれまで描いてきた感じだったけど、ここにきて、そんな断絶すら超えるものがあるという領域にお話が踏み込んだ感じ。『XXXHOLiC』で四月一日が手にとって「いつか会ってみたい」と言っていたCCさくらのステッキが、本当に作中に存在するCCさくらちゃんのステッキで(四月一日が触れたのは厳密には星形になる前verのレプリカだけど)、しかも(星型verの方は)我が子(真・小狼)を玖楼国へ飛ばすための対価だったということで、これはもう、いよいよ四月一日の父母と子の物語も、リンクでしょう(真・小狼いわく、真・小狼と四月一日は近い存在)。

 なんか、『ツバサ』&『XXXHOLiC』も最悪のバッドエンドは回避される気がしてきた。『CCさくら』のさくらちゃんが真・小狼のお母さんなら、真・小狼はさくらちゃんの「無敵の呪文」も受け継いでいるはずだから。

●ツバサ/感想/Chapitre.190「世界を知る者達」

 「この世に偶然はない、全ては必然だから」「世界はそれを知る者にとっては一つじゃない」。『ツバサ』&『XXXHOLiC』の物語序盤で侑子さんが語って、そのあと全編にかかり続けていた言葉を、最終章に入ってもう一度確認した感じ。やっぱり、そういった言葉を語ったのはそれぞれの次元の真・小狼・真・さくらのパパママということで、こう、世代や次元を超えて何かが受け継がれているっていうのがポイントになってきそうな気がします。前回のサブタイも「受け継がれし覚悟」だったし。

 こう、断絶してるんだけど断絶してない……みたいなのをずっと描いてるんですよね。真・小狼と写身小狼の関係も、本物と虚構の関係で断絶してはいるんだけど、やっぱり存在は同じで何か断絶していない、そういった断絶を超えるものがある……みたいな関係を表現するための関係に思えますし。

 黒鋼が「ピッフル国」の知世に自分の知世姫(「日本国」の知世姫)と同じものを汲み取って終劇する「ピッフル国編」なんかも、深読みすればそういった断絶の超克でした。他、至る所に、次元が違っても、世代が違っても、真実と虚構で違っても、何と何で断絶していたとしても、繋がっている断絶しない何かがある……というのが散見されます(逆にだけどやっぱり断絶してるんだという儚さも)。

 で、最終章、次元が違う所にいる真・さくら父母(藤隆さんと撫子さん)、真・小狼父母(CCさくらの小狼とCCさくらちゃん)で同じことを言って、父母から子へと世代を超えて同じ言葉が伝わってる訳で、次元が違うけど、藤隆さんと撫子さん→CCさくらの小狼とCCさくらちゃん→真・小狼と真・さくら→写身小狼と写身サクラ……という連鎖で断絶しながらもそれを超える何かが連綿と繋がっているという風景が見えてきます。もう少しメタな話もすれば、『カードキャプターさくら』と『ツバサ』&『XXXHOLiC』と、作品間の断絶すら超えて何かが繋がっているというのを大川さん表現してしまいましたし。

●ツバサ/感想/Chapitre.191「七日間の約束」

 真・小狼、真・さくら過去編。今回は、やがて訪れるだろう過酷な出来事の前の日常パートって感じでほんわか読めました。小狼×さくらいいよねー。

 真・小狼に真・さくらが花かんむりをかぶせる所は、5巻のChapitre.33「嵐の夜」に既知情報として写身小狼Verが描かれていて、その時桃矢兄さんが「違和感」を感じたって言ってるんだよね。これがおそらく、真・小狼時に一度見たシーンなのに、時間巻き戻し後は小狼が写身小狼に入れ替わっていることから来る「違和感」だったと思われる訳で。

 158話ぶりの伏線回収。相変わらずの超長期構成っぷりと、それを実現化するパワーに驚いています。長編と言っても書き終わるまで作者のコントロールがある程度効くミステリ小説なんかと違って、人気に左右されてタイムリーに送り手側の計画の更新が要求されるであろう週間漫画連載でこういった超長期伏線回収を実現できるっていうのは凄いよなー。

 あとは、

 「でも、私の名前は……」(真・さくら)

 ってことで、真・さくらには「さくら」の他に本当の名前がある、厳密には真・小狼のお母さんのCCさくらちゃんの多次元同位体ではないのかもというのも匂わされました。これは良かった。真・小狼、お母さんを好きになっちゃってるじゃん!マザコン!?とか実はちょっと思っていたので、CCさくらの小狼&CCさくらちゃんの恋愛のリフレインだけじゃなくて、真・小狼、真・さくらそれぞれに本当の名前がある、「個」としての恋愛なんだと安心しました。

 それから、未来視以外の植物や水の声が聞ける真・さくら(&写身サクラ)の能力が今回ピックアップされたのは、この能力が最終章で何か役割を果たす前フリかなー。未来視の力に比べて、前もって紹介はされていたけどあんまりピックアップされてこなかった力を敢えてここで確認してる印象なんで。前回、断絶を超えるモノもある!っていうのを作品として描いている印象を受けるって書いたんですが、この能力が真・さくらから写身サクラに受け継がれているっていうのも断絶を超えている感じです。

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