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 『コードギアスR2』第15話「Cの世界」の感想&トラックバックセンター記事です。
 前回第14話「ギアス狩り」の感想&トラックバックセンター記事では、6600PV/WEEK超えのご好評を頂いてありがとうございました。前シリーズでの運営経験を生かして、TBセンター記事は早めに立てておきますので、今回も感想記事を書いたブログ管理人の方はふるってトラックバック頂けたら幸いです。なお、記事中はネタバレが前提となりますことをあらかじめご了承下さい。
 ◇

<追記:感想アップしました>

◇以下本編感想◇

 「嘘などつく必要はない。何故なら、お前は儂で、儂はお前なのだ」(ブリタニア皇帝)

 SF(speculative fiction)な方向でスリリングな1話でした。

 コードギアスは「秘匿-告白」と「強制意志-自由意志」、「ロストアイデンティティ-再アイデンティファイ」がキモだとずっと書いてきた訳ですが、それらの主題が、今までの普通の物語上だけじゃなく、SF的な仕込みも交えて繋がってきた感じです。

 皇帝は「嘘」、つまりは今まで使ってきた言葉だと「秘匿」をものすごく否定的に捉えていて、世界そのものを「秘匿」・「嘘」が無いものに作り変えようとしてるフシがあって、まだ断片的ですが、

 「嘘などつく必要はない。何故なら、お前は儂で、儂はお前なのだ」

 「そう人はこの世界に一人しかいない。過去も未来も人類の歴史上たった一人」

 の辺りの台詞に、

 思考エレベータが思考に干渉するシステムという情報を加えるに、それぞれの自由意志をもった群体としての人類からなる世界ではなくて、一人の意志に統一された世界を作ろうとしている(思考エレベータ的システムは、一人の意志を人類に干渉させるためのもの?)感じなんじゃないでしょうか。

 エヴァ世代にだけ分かる用語で言えば、ATフィールドをとっぱらった人類補完計画的な世界を目指してるんじゃないかと。

 確かに自分と相手を隔てるATフィールドがなくなって、人類がたった一人の意志に統一されれば(その一人の意志を選出すべく皇帝は弱肉強食をやっていたとの仮説も立ててみる)、「秘匿」も「嘘」もなくなるんですが、当然それもどーよ?な描かれ方をしていますよね。

 マオがやっていた「秘匿」の強制暴露の強化版といったような、パーフェクトな「秘匿」の無い世界な訳ですが、だとしたら、もがきながら自分をアイデンティファイし、相手の強制意志をはねのけて自分の自由意志をかかげることを矜持としてきた、これまでのキャラクター達の物語はなんだったのかという。

 ここでこれまでネガティブなニュアンスだった「秘匿」「嘘」に別な側面が見えてきました。内部にある自由意志、自分のアイデンティティを他者からの浸食から守る一つの防御壁みたいな意味も「秘匿」や「嘘」にはあるんだろうと。

 「人は誰しも嘘をついて生きている。俺もそうしたまでだ」(ルルーシュ)

 勿論「嘘」が良い訳ではないのですが、自我も自由意志もアイデンティティすらなく、みんなが溶け合っている世界があるならば「秘匿」も「嘘」もなく全ての人の心が自動的に分かるけれど、それでいいのか、という。

 他人の内面は透けては見えない、もし内面を明かして貰えるなら、それはその他者の自由意志によって告白されるからこそ、意義があるのではないか、という。

 「強制意志」、他人の「秘匿」を強制的に暴こうとする行為がコードギアス内では何かと否定的に描かれてきましたが(マオ編など)、そういった「秘匿」は「自由意志」で告白されなければダメだよという主題にこの壮大なSF的仕込みも繋がってきた感じです。その点、スザクがカレンの「自由意志」を踏みにじって秘匿を強制暴露するのを今回回避したのは希望的でした。

 で、そういった「秘匿」の強制暴露という作中否に対する、「自由意志」に基づく「告白」ですが、今回それがついにC.C.からルルーシュに対して行われました。今まで共犯者関係でありながらずっと秘匿していた胸の内を、C.C.があの不思議な世界にルルーシュを飛ばすという形で「告白」します。

 「よっぽど大事な人」しかあのC.C.の心象世界と思われる場所にはいけないということから、あれは、C.C.からルルーシュへの、私の本当の秘密、過去、私は何者かを知って欲しいという「告白」だったのでしょう。

 今回の扇さんの、

 「死ぬ時くらいは自分で選びたいから」(扇さん)

 がかかってくる、死ねないという地獄。

 なんだけど、だから第1話から引っ張ってきたC.C.の願いは「死ぬこと」なんだというのは早計で、たぶん大事なのは、あの心象世界での、

 「でも愛されすぎて、そのうち本当の愛が分からなくなった」(C.C.)

 の方でしょう。

 C.C.の「願い」に関しては第一期第10話の感想第11話の感想の時点で予想しておりましたが、やっぱりそっちで(表面的にはC.C.的にも「死ぬこと」だったのかも知れないけれど、深層ではおそらくこっち)、愛されすぎて愛が分からなくなって(C.C.もギアスの犠牲者だったんですね)、最後の自分の理解者だったと思っていたシスターにも裏切られて、孤独を抱えたまま悠久の時を生きてきてアイデンティティロスト少女になっていた自分を、ルルーシュの自由意志に基づいて、C.C.として(というか本名の一人の少女として)、愛して欲しい、再アイデンティファイして欲しいんでしょう、本当は。

 第一期のナリタでのC.C.の雪の話を覚えていたであろうルルーシュは、心象世界に飛ばすというC.C.の告白を受けて、色々理解したんでしょう(もとから頭はいいので)。

 「俺は知っているぞ、お前のギアスを、本当の願いを!」(ルルーシュ)

 皇帝が(たぶん)望むような「秘匿」が消えた完全な世界では決して存在しない、「秘匿」を超えて、他者を理解するというカタルシス。

 「秘匿」の是非が作品として次のフェーズに入ってきた感じです。

 ルルーシュとスザクが対立しながらも同じ言葉を使う場面はこの作品のキーですが(第一期第5話のルルーシュとスザクの共通の信念をC.C.、ユフィにそれぞれシンクロする言葉で聞かせるところとか)、今回の注目は、

 「ナナリーにだけは嘘はつかないよ」

 の言葉をスザクもルルーシュも使ったということですね。もちろん、これも「秘匿」であり「嘘」なんですが、スザクもルルーシュもナナリーを守るためにこの「嘘」を使っているという。ナナリーっていうのが、手を触れることで「秘匿」を暴き、目が見えないので「強制意志」のギアスが効かず、ユフィが追った「自由意志」の理想を追っているという、作中最強キャラ(テーマ的な意味で)の趣があるキャラなんですが、そんなナナリーを、守るための「嘘」もあって、それをルルーシュとスザクは共有していたってことですね。

 「嘘」か「真」か、「真実」か「偽り」かというテーマも、最終章に向けて加速していきます。

 そんな中、ついにC.C.までが記憶喪失という形でアイデンティティロスト。これが「真実」か「偽り」かのテーマにかかっていくのは明らかで、シャーリーは記憶を喪失した偽りの時間の中でもルルーシュへの愛に到達した。偽りの時間に形成されたロロとルルーシュの絆はどうなるのか?ヴィレッタと扇さんの絆は無意味だったのか?

 奇しくも、記憶喪失中に生まれた絆を拠り所に、ヴィレッタさんが扇さんを助けに海に飛び込んだ回です。ルルーシュと過ごした時間の記憶を失ったC.C.とこれからルルーシュは関係を続けていく訳ですが(これがもちろんシャーリーやヴィレッタさんのケースと重ねられ、対比されて描かれていくと思われる)、最後にルルーシュは何処に辿り着くのか。

 何回も書いてるけど、コードギアスは失われた「名前(記憶やアイデンティティ、自由意志もこれに繋がってくる)」を取り戻す物語なので、ルルーシュがC.C.の本当の名前を取り戻してあげるエンディングを希望してるんですけどね。

◇この感想記事はトラックバックセンターの役割も兼ねています。今話の感想(レビュー、考察、etc、関係する記事なら基本的になんでもOKです)をお書きになった方がいらっしゃいましたら、報告義務とかありませんので、気楽にこの記事にトラックバックして頂けたら幸いです。後日僕の方からも返させて頂きます。色んな感想を読みたい人のための一つのインデックスみたくできたら嬉しいと思います。ご協力頂ければ幸いです。

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