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 今週の「ダブルアーツ」。ジャンプ雑誌本編のタイムリーネタバレ感想。第17話「夢と希望」のネタバレ感想です。
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 クラシックにファンタジーしつつも、現代的には引きこもりからの離脱とか、かといってセカイ系でもダメじゃない?的なメッセージを発していると思って読んでいるダブルアーツな訳ですが、今回も絵的に上手かったです。

 向かい合って二人でお互いの手を繋いでしまってるセカイ系的な状態ではまだダメで、最終的にはみんなで輪になって手を繋ごう、そうすれば何倍もの力になるよな方向に持っていくのだろう(だからお祭り準備の時の大人数で輪になった姿がフレア初披露)と前回書いたばかりだったんですが、今回はマジで最初の一歩として、キリ、エルー、ハイネの三人で手を繋ぐ形で、絵的にもメッセージ的にも事態を乗り切りました。

 (無標のシスター達のような)自己犠牲もダメ、だけど全員救済は無理……という状況をどうやって打開するのかと思ったら、三人で手を繋ぐ、一人の自己犠牲ではなく、三人の力を使う(ハイネの毒をエルーが吸収してキリが発作を止めるという今回のギミックね)というもの。これまでくどいくらい強調していた「みんな」パワーの是とそれを象徴する「手繋ぎ」の絵だったので、上手すぎると思いました。

 ラストはタイトルロゴになってるキリとエルーのシンメトリー絵を描くのはハイネというオチまでつけて、トロイに代表される透明になって消えていく概念に、彩りという名の絵を描くという比喩表現にまで、トロイ=透明、キリとエルー=彩り(ハイネが描く絵)と一つの着地をつけるこだわりっぷり。

 そのラストに繋がるからなんですが、

 「オレ達がトロイの無い世界を作っちまったらシスターはみんな失業だからな!」

 「その時描けませんでしたじゃ笑えないから」


 の所は普通にグっときました。

 やっぱりシンメトリーとか、透明(消滅)=彩り(絵を描く)みたいな細かい比喩表現を追っていくとこの作品は何倍もグっときますよ。

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ダブルアーツ 1 (1) (ジャンプコミックス)

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