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 『コードギアスR2』第20話「皇帝失格」の感想&トラックバックセンター記事です。
 前回第19話「裏切り」の感想&トラックバックセンター記事では、13000PV/WEEK超えのご好評を頂いてありがとうございました。前シリーズでの運営経験を生かして、TBセンター記事は早めに立てておきますので、今回も感想記事を書いたブログ管理人の方はふるってトラックバック頂けたら幸いです。なお、記事中はネタバレが前提となりますことをあらかじめご了承下さい。
 ◇

<追記:感想アップしました>

◇以下本編感想◇

 「生徒会室は無事か?」(ルルーシュ)

 「んん!」(リヴァル)

 ルルーシュの三つの側面(アイデンティティ/名前)、皇子ルルーシュ(ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア)、学生ルルーシュ(ルルーシュ・ランペルージ)、反逆者ルルーシュ(ゼロ)、それぞれを失っていき、最後に完全なアイデンティティ・ロスト状態に至るというのは第一期の流れでしたが、結局ここまではまたルルーシュが一つ一つ側面を失っていく物語になっていますね。

●第一期

→シャーリーの記憶を消した時に学生ルルーシュ(ルルーシュ・ランペルージ)の側面を失う。
→ユフィを殺した時に皇子ルルーシュ(ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア)の側面を失う。
→最終話でカレン(と黒の騎士団)の信頼を失った時に反逆者ルルーシュ(ゼロ)の側面を失う。
→完全なアイデンティティ・ロストへ

 だった訳ですが、今回は、

●R2

→シャーリーの死と共に学生ルルーシュ(ルルーシュ・ランペルージ)の側面を失う。
→前回の黒の騎士団の裏切りで反逆者ルルーシュ(ゼロ)の側面を失う。
→ロロの死により、学生ルルーシュその2(偽りだけどホンモノだったver.の学生の時間)を失う。
→残る皇子ルルーシュ(ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア)の側面を掲げて、皇帝に復讐の突撃。

 って感じです。

 「学生服をしまう動作」がルルーシュが学生ルルーシュの側面を捨てる意味合いと対応して描かれたり、「ゼロの仮面をとる動作」がルルーシュが反逆者ルルーシュの側面を捨てる意味合いと対応して描かれたり、色々と「ある側面を捨てる描写」は象徴的に描かれるんですが、今回は、リヴァルとの会話のシーンですね。

 「一緒に花火をする約束、守れそうにないって」(ルルーシュ)

 シャーリーもロロも死んだから、もう学生ルルーシュの側面は失ったという象徴的な会話です。

 そうして、学生ルルーシュの側面を失い、前回の裏切りで反逆者ルルーシュの側面も失い、最後に残った皇子ルルーシュの側面を掲げて(「我が名はルルーシュ・ヴィ・ブリタニア!」と、最後に残った皇子ルルーシュのアイデンティティで今話は行動してるのが顕著です)今話は皇帝への復讐に突き進むしかないという構図は、第一期終盤で、同じように学生ルルーシュと皇子ルルーシュの側面を失って、最後は反逆者ルルーシュ(ゼロ)として突き進むしかなかったという悲壮な部分とリフレインしますが、これ、まだ希望を残してますよね。

 やはり、第一期とR2と二回繰り返してのアイデンティティ・ロストエンド、破滅エンドではなくて、R2は「やり直し」要素によるアイデンティティ統合エンド、Allルルーシュ到達エンドだとまだ僕は信じてますよ。

●根拠1(学生ルルーシュのアイデンティティがまだ死んでない理由)

 生徒会室がまだ残っている

 フレイヤが発射されてもアッシュフォード学園がまだ残ってるという前回の情報からもしやと思いましたが、今回明確にルルーシュがリヴァルに聞くんですね。

 「生徒会室は無事か?」(ルルーシュ)

 「んん!」(リヴァル)

 って。

 R2のルルーシュの「やり直し」パラメータその1。

 「第一期はナナリーとのセカイ系に閉じて世界を壊そうとしたけど、R2では生徒会(に象徴される差別がなく、立場が違い、罪を犯しても赦し合ってやり直しが効く世界)のために『優しい世界』を目指した。」

 がまだ生きています(R2第7話「棄てられた仮面」の感想を参照)。

 第一期前半から、深読みしてる視聴者の間では、「ラストの回帰点となる生徒会を最後に守っているのはリヴァル」という予想があった訳ですが、これが、まだ外れない方向で進んでいます。リヴァルは超重要キャラなんですよ!

●根拠2(反逆者ルルーシュ(ゼロ)のアイデンティティがまだ死んでない理由)

 シンクー、神楽耶、天子様が、まだゼロのことを信じている

 扇ら反逆組の情報操作に惑わされずゼロの生存を見抜く星刻、神楽耶様の変わらぬゼロとしてのルルーシュへの信頼。形だけの夫婦だったと涙を流す神楽耶様のシーンは、前回のロロ物語の結末で作中で圧倒的に是として表現された、「偽りの関係にも意味がある」を地でいくシーン(偽りの夫婦関係でも、神楽耶様のゼロ(ルルーシュ)への気持ちはホンモノだったということ)。

 R2のルルーシュの「やり直し」パラメータその2。

 「第一期は強制意志のギアスで人の自由意志を蹂躙していったけど、R2では星刻と天子様の自由意志を尊重した」

 がまだ生きてます(R2第11話「想いの力」の感想を参照)。

 扇一派がシュナイゼルに丸め込まれたように、「ゼロは強制意志のギアスを使って黒の騎士団をゲームの駒のように操っていた」からでは、どうしても説明できない生きた証拠が、星刻と天子様(とあの一件でさらにゼロ(ルルーシュ)に惚れたであろう神楽耶様)。この構成は上手い。

 しかもこういったこれからルルーシュを救い得る希望の要素は、全てシャーリーから派生しているという。ルルーシュにナナリー以外の守るべき存在を自覚させ、「想いの力」を自覚させて星刻と天子様の件を救い、スザクとの赦し合いのバトンを繋ぎ、ロロを一切糾弾しないで死んで(前回のルルロロ相互アイデンティファイエンドへの仕込み)いったという。エンディングで天使をモチーフにした一枚絵で破格の待遇を受けているのも分かる。裏正ヒロイン。

 という訳で、ここから怒濤のアイデンティティ復活、オープニング冒頭の学生服にゼロマントのAllルルーシュへ繋がっていくというエンディングはまだまだアリだと思いますよ。

 ◇

 一方で皇帝は現存世界を偽物扱いして、何かSF的な装置で世界そのものを真実の世界に作り替えてしまう気みたい(R2第15話「Cの世界」の感想を参照)。

 V.V.(だっけ?)がルルーシュとシャルルは似ていると言っていましたが、ルルーシュの「そう、間違っていたのは俺じゃない 世界の方だ!」という痛い主張を、より壮大なスケールで実行しようとしていたのが皇帝だった感じですね。頭の中のイデア的というか、夢想する真実の世界と現実の世界とのギャップに苦しくなった時、本来考慮するべきは自分の方を変える可能性を検討することなはずなのに、外の世界の方を間違ってるものとして変えようとしてしまうという。ルルーシュは革命運動的な方向で自分の外側の世界を破壊しようとし、シャルルはSF的な装置で世界そのものを変えてしまおうとしているという。悪いのは自分じゃなくて、世界の方。谷口悟朗監督が第一期の頃のインタビューでコードギアスは谷口版『最強伝説 黒沢』って言ってたのが分かる気がしますよ(;´Д`)。

 今の自分、世界は偽り、ホンモノの俺、真実の世界があるはずとか考える前に、偽りかもしれない今の世界、自分の価値を検討してみろよっていうメッセージなのかもしれません。

 「真実のナナリー、偽りのロロ」の物語が偽りのロロにも意味があったと前回決着したばかりですが、今回ではアーニャの中にマリアンヌが眠っていたことが明らかになり、真実のマリアンヌ、偽りのアーニャの物語まで顕在化しました。もう前回のロロのラストで作品としてこのテーマに決着はついているので、アーニャの時間にも意味があったと落ち着くと思いますが、ようはアイデンティティの求道の物語というコードギアスの骨格も、最終的にはそこに繋がってきそう。

 今の自分、世界、国は偽物だと、真実の自分、真実の世界、真実の国を登場人物達は求めるのですが、結局偽物に思えたモラトリアム学生ルルーシュにも、皇帝が偽物と否定する秘匿と嘘にまみれた世界にも、偽物の名前が与えられたエリア11という国にも、意味があった。全部ひっくるめてルルーシュで、世界で、国だと、そういう結論でしょう、たぶん。

 そういう訳で、蔑称を与えられた偽物の時間であったはずのオレンジの時間をアイデンティティに取り込んでAllジェレミアとして成長したジェレミア卿がこの作品のMVPです(オレンジの俺は偽物、そう呼ぶ世界(ゼロ)が赦せない、変えてやるという所から、そう呼んだルルーシュに忠義し、オレンジの名も今では栄誉と、自分の方を変える(成長させる)ことで世界と自分を整合させた)。

◇この感想記事はトラックバックセンターの役割も兼ねています。今話の感想(レビュー、考察、etc、関係する記事なら基本的になんでもOKです)をお書きになった方がいらっしゃいましたら、報告義務とかありませんので、気楽にこの記事にトラックバックして頂けたら幸いです。後日僕の方からも返させて頂きます。色んな感想を読みたい人のための一つのインデックスみたくできたら嬉しいと思います。ご協力頂ければ幸いです。

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