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 『マクロスフロンティア』第21話「蒼のエーテル」のネタバレ感想メモです。
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・感想って言うより演出・比喩表現解釈メモなんですが。
このかなり最初の方の感想メモで書いてる通り、閉塞した場所から「歌う」や「飛ぶ」といった行為で飛翔していく衝動のようなものがマクロスフロンティアの作中是なんだけど、それを表現するために、ネガティブ描写の部分では絵的に「閉じこめる」シーンが、ポジティブ描写の部分では絵的に「閉塞空間を打ち破って飛翔していく」シーンが色々比喩的に描かれるのがこの作品。
・今回で言えば、愛KUNの脱皮シーンが閉塞空間(殻)からの脱出でポジティブシーンで、そのまま愛KUNと一緒に当初から一つの閉塞空間として描かれていたフロンティアを飛び出していってしまうランカ&ブレラ&バジュラ愛KUNの方がポジティブなニュアンスで描かれている。
・一方でアルトの方は、ランカにバジュラ殲滅のための歌をオファーするシーンで、これまた何度か作中で印象的に閉塞空間として描かれてきたバルキリーのコックピットカバーが降りる絵(「閉じこめる」絵)が印象的に入っており、この辺りから、今話に限っては、これまでのアルト=味方でポジティブ、バジュラ=敵でネガティブという表面的な認識が完全に逆転するようになっている。
・実はバジュラが最初にランカの歌に反応した時に、水槽のような閉塞空間を打ち破って外に出ようとする絵が描かれており、その頃から書いていたけど、バジュラの方も実はそういった作中是の飛翔衝動を体現した存在であって、今回のバジュラである愛KUNが閉塞する殻を破って飛翔するという展開は、長い仕込みがようやく表面化したようで感慨深い所。
・ちなみにその最初にランカの歌に反応して閉塞水槽から飛翔しようとしたバジュラを「閉じこめた」のがレオン・三島で、マクロスフロンティアでは一貫して「閉じこめる」行動を取る悪キャラとして徹底して描かれている。
・今回で言えば、走ってるオズマらの所で三島の指示で次々とシャッターが閉まっていく「閉じこめる」描写。他にはもちろん、閉塞空間に閉じこめてしまうような新型爆弾で沢山のバジュラを「閉じこめる」絵で抹殺したのも、三島の指示による分かりやすいネガティブ描写。
・そういう意味では飛翔衝動を持つ意味合い的に「是」に裏返った沢山のバジュラを閉じこめて抹殺するのにルカが一役買ってしまっているのが不安なあたり。
・もう一つは、この時(第08話)の感想メモで書いたメインのアルト、ランカ、シェリルが最初の「居場所」と向き合わなくてはならないという物語の進展。
・飛翔するということは最初の「居場所」からは離れるということを意味するのだけど、かといって最初の「居場所」をないがしろにしていいかというのは違っていて、メイン三人が飛翔衝動を持ちながらも、最初にいた「居場所」と向き合わなければならないという物語がマクロスフロンティアという作品の一つの骨組になっている。
・最初の「居場所」とは、アルトは「歌舞伎の家」、ランカは「忘れていたバジュラのリトルクイーンとしての居場所」、シェリルは「ギャラクシー」。
・今回ランカは自分の最初の居場所であったバジュラ達のもとに去っていってしまったという展開だったのだけど、上の第8話の感想メモ時点で予想した通り、アルトも自分の家と、ランカは最初に居たバジュラ関係の居場所と、シェリルはギャラクシーと向き合わなくてはならないという展開に最近はなってきている。そして、そのそれぞれの「最初の居場所」を象徴しているキャラが、アルトはお兄さん(兄弟子さん)、ランカはブレラ、シェリルはグレイス。三人それぞれ、何らかの形で彼(彼女)らを精神的に乗り越えて「最初の居場所」に決着をつけないと、本当の意味で飛翔してはいけない、そんな感じのお話になっている。
・2クール作品だとしたら残り数話ですね。楽しみです。

ライオン

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