噛ませ犬のオッサン、双戦舞初披露の前に散々な目に会うの巻。
このオッサンは敵の魅力もへったくれもない噛ませ犬でどうしようもないんですが、用いる武器が多段道の槍の弾幕というのは良かったと思う。
弾道の雨あられをキリとエルーがダンスで舞いながら紙一重で避けていくという図に、弾幕シューティング的な面白さがありました。
後半は、前回予想した通り第1話から比喩的に使われていた「シンメトリー」を多用しての、肉弾戦での双戦舞本番。エルーと体(位置)を入れ替えながらのキリの蹴り→シンメトリー的に反転してキリと体(位置)を入れ替えながらのエルーの蹴り……あたりの流れは、本当シンメトリーの動き。
やっぱり第1話でキリが描いていた絵の半分がまだ描かれていなかったのは、もう半分はエルーっていう比喩なんだろうな。半分をエルーが埋めて二人でトロイで透明になっていく世界に描くArtsが双戦舞という感じで。
フィニッシュは手繋ぎのままダブルスピンしての後ろ回し蹴り。さすがに手繋ぎ回転したまま二人で後ろ回し蹴りという技は史上初な気がする。まったく新しい武術を「創る」と銘打ったのに答えた感じでしょうか。
まだ初お披露目の段階ですが、ここまでコンセプトにこだわり、視覚的な絵と比喩表現を対応させ、あまつさえ作品のテーマとも連動している(一人で孤独になって消えてしまわないで(トロイ)、触れ合えば強くなれる(フレア))バトルシーンっていうのは滅多に無いんじゃないでしょうか。
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あと、これ作者が意識してやっているのか分からないですが、今回物語冒頭では孤独で一人でできることの限界を決めていたエルーが、今回二人の双戦舞なら「どんな事でもできそうだ……!!」という所まで意識が変遷したのを受けてか、要所要所のコマがエルーの主観ショットになっていて、エルーの顔がいつもより美麗(可愛いよりちょっと美しいよりというか、少し大人な感じ)に描かれています。おそらくエルーのセルフイメージが上がったのを表現しているという『漫画をめくる冒険』でのスクランの事例みたいな感じ。それか、キリを異性として意識しはじめたという表現かどっちか。女性を感じさせるVerのエルーも美しいのでありました。
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ダブルアーツ 1 (1) (ジャンプコミックス)
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いや、今週はすごく素敵でした!
バトルシーンをこんなに綺麗に感じたのは初めてでした!
まさに“二人で創る”まったく新しいモノでした(^▽^)
というか確かに今週のエルー、いつもに増して可愛かった(〃_〃)ゞ