久々に簡単に書いてみる。
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●アスクレピオス

 読切の時ロザリィ可愛いよ、ロザリィみたいな感想を書いてた気がしますが、引き続きロザリィ可愛いよ、ロザリィ、みたいな感じで。

 男のマスター+女性の従者って、王道の萌えシチェーションですが、今のジャンプにはそんなに見かけられないかもと思ったり。BLEACHで隊長が男性で副隊長が女性のパターンの所と、リボーンの骸と髑髏、ぬらりひょんの孫のリクオとつららあたりが、ちょっと亜種でのこの関係って感じでしょうか。『風使い』とか『Fate/stay night』とか好きだからいいなー。こう、主人と従者だから上下関係があるはずなんだけど、徐々に恋愛感情がそういう上下の「型」を超えてしまう、ドキドキ、みたいな。メイドブームとかの深淵にもこの感情がある気がする。

 時代は現実とは違うなんちゃって昔のヨーロッパと、意図的にボカしてしまってるのが上手い。『サムライうさぎ』をリアルの時代考証で批判してたような層をかわすのにそれなりに有効そうです。突き詰めると現代劇でやってもいいような素材を、何故に昔の時代やファンタジーの世界観でやるかというと、それは色々ボカしが効くから。荒唐無稽と表裏一体の自由度を取るか、整合性が要求されるリアルを取るか、どちらが好みかは古くからの課題で、一方を支持する派がもう一方を自分色に染めようと大昔から批判し合ってますが、この問題は男女のリアルな心情を描いた恋愛劇が読みたいか、ファンタジーであり得ないギャルゲな萌え恋愛を読みたいかくらいの違いがあるので、一概に世の中全部をどっち色に染めればいいという話でもないので、実はどちらがいいかを主張し合う前に、世の中一色染まった方がいいのか、多様な方がいいのかから語り合わないといけない所だったり。ファンタジーだと色々ボカせるっていうのは、アレだ。リアル現代劇ですと言いきってエロゲで18歳未満のエロシーンを入れるのは難しいけど、色々ファンタジーですとしておけば、その辺りなんとかなるとか、そういう大人の知恵(笑)。そして、色々ファンタジーな方をプレイしたい、読みたいというニーズは、確実にあり続けるという、人間の虚構へのあくなき憧憬なのでした。まる。

●ONE PIECE

 「国」とか(ドラム国編)、「神」とか(空島編)、「差別」とか(この前までのシャボンディ諸島での話)、色々現実世界のcontraversiveな話題を結構お話に入れてくるONE PIECEですが、今回は「ジェンダー」まで扱うつもりになった模様。

 一線の学者さんとかでも避けたがる話題を1億部の漫画で果敢に扱おうとする尾田先生はロック。

 ハーレムシチェーションなんだけどあんまり羨ましく無いという辺りに尾田先生の挑戦を感じました。ToLOVEるとこの話が同時に一冊の雑誌に載ってる日本という国は自由でいいなと思いました。

●BLEACH

 デカさ勝負というコンセプトがありそうでいいです。デカいのが自慢の敵にデカい狛村隊長が一旦吹っ飛ばされて、そこから狛村隊長の卍解でさらにデカいの登場で逆襲、みたいな。

 でも一角にも挽回のチャンスを与えて欲しい気も。狛村隊長が気を利かせてデカい人で隠してあげて、一角に卍解使わせてあげるとか、どう?(どう?と聞かれても)わりと一角が卍解できるのに皆気付いてるんだけど、プライドを尊重して合わせてあげてるみたいなのは、護廷十三隊側の仲間への理解が滲み出てていい気がするんですけど。

●家庭教師ヒットマンリボーン

 扉絵の凪&髑髏がステキ。幻術使いという設定と相成って、どっちが本当でどっちが幻なのか分からない的な雰囲気が出ていて秀逸。

 でもコピーは真面目に受けとると、ムクロウに骸さん入ってますとネタバレしてるような……。フェイク?

 10年前雲雀登場からすごい面白いです(10年前の自分に丸投げという10年後雲雀さんがそもそも面白かったんですが)。草壁さんと一緒に幻騎士さんが真顔でツッコんでるのが面白かった。

 そして、最近ヤンチャさん達大暴れで、入江さんがテンパりっぱなしなのも面白いです。悪の知略家みたいに椅子に座って「計算通り」とかやらないで、大マジでテンパってます。

●バクマン。

 「漫画の達人」バカにしたり、「どがしかでん」打ち切られた後にスポ根は難しいって書いたり、「ダブルアーツ」打ち切られた後にWアースとかやったり、雷句誠問題をネタにしたり、日に日に嘲笑ニーズを狙いに行ってるのが今イチ。「エロ」と「嘲笑」は大衆に受ける二大ニーズなんですが、エロは受け入れられても(ToLOVEるとか)嘲笑は受け入れずらい自分がいます。他誌で例えば「絶望先生」みたいに、嘲笑ニーズもネタとして昇華しきってメタなエンターテイメントにしてしまっているならむしろ尊敬するんですが、バクマン。は現在の所本当に素で嘲笑ニーズを取ってしまっている気がする。つまり、「絶望先生」はメタなネタだよなーと思って読んでる読者の方が多いと思うけど、バクマン。は中学生二人が嘲笑ニーズに触れて批評し合うという滑稽さを演出として受けとっている(これは僕は演出な気がしている)読者よりも、本当に二人の批評に感化されて一緒に対象を嘲笑して快感を感じている読者の方が多いような気がする(中高生読者とかに多そう)。後者の状況になった方が一般的に数は取れると言われているんですが、僕はあんまり好きじゃないなー。

 そしてそういった嘲笑で他者を下げておいて、代案として「やっぱりジャンプ」的にジャンプを上げているんですが、これも本気で出版不況の時代に権威メディアとしてのジャンプの復権を……みたいなのを素でやっているのか、それとも時代の移り変わりを自覚しつつ一本道に漫画描くならジャンプじゃなきゃ的な思考に走る中学生二人を滑稽に風刺しているのか、判断に迷う所。前者だったらそれ考えた人ダメだなーという感じですが、後者で既に次の時代の出版社のあり方や漫画雑誌のあり方を見据えた結末を用意してるんだったら逆にスゴいなーという感じ。わざわざ主人公を中学生という滑稽に風刺されても、まあ中学生の言うことだから……と「しょうがない」年齢に設定して物語を始めている辺り、後者なんじゃないかな、後者だといいな、という希望は持っているんですが(ガチでジャンプの復権みたいなのをやるならもう少し年上の主人公の方が効果的だったと思うから)。

●To LOVE る−とらぶる−

 「気持ちを隠して…それが本当の友達といえる…?」

 の所で、あー、結構三角関係を扱いつつ、友情と恋愛の板挟みという王道のラブコメやってるなー、いいなーと思ったけど、読み返してみたら、「結城くんの素敵な所はね」のコマで春菜が無駄に裸になってて、やっぱりToLOVEるだなぁ、と清々しい気持ちになりました。

●サイレン

 虚実が入り乱れる、精神系の能力が関わる能力バトルの王道って感じで面白かったです。少女に刀のシチェーションも、眼鏡外しヴァージョンで見られて満足。

 そして、色々喋ってはいるけれど、「イカレ女」と呼ばれたことにムカついて戦ってたっぽい雨宮さんの私怨っぷりがイイ(←現代世界の方でおかしい女だと思われて孤独だったという第1話からのタメがあるのです)。雨宮さん可愛いなー。

 そして飄々とした朧が好きなので、次回あたり描かれそうな朧のバトルに期待。

PSYREN-サイレン 1 (1) (ジャンプコミックス)