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 今週の「ツバサ」。マガジン雑誌本編のタイムリーネタバレ感想、Chapitre.202「歪んだ願い」の感想です。
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 真・小狼の時間巻き戻しが生んだ虚構の存在だとしても、これから関わる人達との「関係性」が四月一日のことを生かすっていう今回の侑子さんの語りから感じられるのは、ツバサ冒頭の写身サクラと四月一日がパラレルっていうこと。

 わりと最初の方の感想から、この物語は、一度記憶という全ての関係性を失った写身サクラが、物語を通して培われた新しい関係性によって新しいアイデンティティを手に入れていく話なんだ。だから記憶を失った後の写身小狼や黒鋼、ファイ、モコナと過ごした時間(具体的には東京編以前までの旅路)にも意味があったんだという話になるんだということを書いていたんですが、この最終章になって、実は写身サクラだけじゃなくて、四月一日もそういう物語をXXXHOLiCの方でずっと経験していたんだということが明らかに。

 写身サクラが、写身小狼と、黒鋼と、ファイとモコナと過ごした時間、新しい「関係性」で生かされていたように、四月一日も百目鬼やひまわりちゃんと生きた時間、「関係性」で生かされていたっていうことですね。

 本当の両親を、真・小狼の時間巻き戻しの歪みのせいで失っているというのも、さくら(サクラ)と四月一日で共通しています(四月一日はCCさくらママ、CC小狼パパと思われる両親を失い済みで、さくら(サクラ)の方は一周目の真・さくらの本当の両親であった藤隆パパと撫子ママを二周目時には失っている)。

 そして、写身サクラが虚構の存在だったのはもう言うまでもないですし、ここしばらくで明示されたように、四月一日も虚構の存在だったのも同じです。そして、そういった虚構の存在を誕生させてしまうきっかけが、そもそも真・小狼の時間巻き戻しにあったという(今話の飛王の台詞から、どうやら飛王は真・小狼の時間巻き戻しがきっかけで、一つを二つに分ける、すなわち写身を創り出す技術を手に入れたっぽい)。

 という訳で、時間巻き戻しを行ったという真・小狼の罪の作中での贖罪のあり方がだいぶ見えてきた気がします。つまりは、自分がきっかけで創り出してしまった写身という存在(四月一日、写身サクラ、写身小狼)に、虚構じゃないホンモノのアイデンティティを手にしてもらうことこそが、真・小狼の責任の取り方なんじゃないかと。

 大局的に虚構の存在でも、写身でも、生きた時間に意味はあるんだ!ということを描いている作品ですので、そこに向かってどんどん収束していきそうです。四月一日、写身サクラ、写身小狼の虚構組の救済っていうのがやっぱり最終章の見所ですよね。

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