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一応冒頭の、シュージン、実際にバトルを経験してみるの図は、ギャグになってるけど、何回か書いてきた「現実経験を漫画に生かすシュージンVS現実経験は希薄でも漫画特化で描く天才肌の新妻エイジ」の文脈で、シュージンは実際に経験してみたっていう部分なんだと思います。一方で新妻エイジはこういうことしないで、原稿に向かってるだけですごいバトル描写が描けちゃうタイプって感じなんじゃないかと(明確な描写はないけど、擬音を口にしながら描いてる辺りの描写から、実経験云々関係なく頭の中でバトル描写を組み立てちゃう描き手なんじゃないかと)。
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「結局世の中何しても順位なんだ 嫌になっちゃうね」(見吉)
で、こっちの方が、前回の感想で書いた、「既存のランキング(順位)で上位を目指すのを是とするか?VSそういうの関係なく好きなことを描く(する)か?」の方の作中の対立軸にかかってくる台詞。
見吉っていうのが、やっぱり反ランキング側の象徴キャラなんだと思います。既存の学業ランキングで上位を目指すのを諦めて、今回語られたように、空手では良いところまでいったんだけど、もっと強い(ランキングが上)存在がいることを痛感してそれも諦めて、で、今回では「女の子らしい」ことで夢を持ちたいとは言うんだけど、もしかしたら、その新しい夢の先にも既存のランキングによる順位付けは待っているかもしれない訳で。そういう、どこまでいってもランク付けされて評価されることに嫌々しているキャラ。そこがやっぱり学業ランキングで上位を志向するのが是という立場だった岩瀬さんとの対照キャラな訳で、シュージンが岩瀬さんか見吉かの選択を迫られた場面はやっぱり今後の展開を想像する時に「ランキング」に関する象徴的なシーンだったという意味で興味深いです。
そして、今回の引きが、やっぱり
既存のランキングにこだわって上位を志向するサイコー
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間で揺れるシュージン
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既存のランキングとかよりも自分の好きなものを描いちゃう新妻エイジ
というシーンだったと思います。
シュージンの本然の作風を曲げても王道バトル漫画でランキング1位を目指すというサイコー、そんなサイコーに微妙な目線を向けるシュージン(サイコーの主張に心からは腑に落ちて同意できてない描写に見える)、そして、編集サイドがジャンプでランキングで上位を狙えると判断した「YELLOW HIT」ではなく、自分が描きたい「CROW」を好き勝手描いちゃう(本然を曲げられてるシュージンとの対比)新妻エイジ。
対立する二つの正義っていう感じで面白いです。「DEATH NOTE」もそうでしたが、基本的には二つの正義が衝突するそれこそジャンプ的なバトル漫画なんですよね。題材が漫画になっているだけで。
あと、今日のWEB拍手で、
>13:52 バクマンの事なんですが、そういえば、エイジも一応順位のことは気にしてますよね。今週では“一番”人気になりますとか言ってるし、ずっと前の話ではジャンプのトップ漫画になったら自分の嫌いな漫画を終わらせる権限を〜的なことも言ってますし。この辺りはどう絡むんでしょうね。
というのを頂いたのですが、僕的には、新妻エイジも順位に言及している描写を入れておくことで、新妻エイジサイドにも、「外からの圧力に従ってランキング上位を目指すかVSそういうの無視して自分の好きなこと描くか」の対立イベントが起こる伏線じゃないかなと思ったり(サイコー・シュージンサイドには既に前回でこのイベントが起こって、一応ランキング上位を目指す方を現時点では選んでいる)。
その時、新妻エイジが、やっぱり1位になりたいんで編集サイドの言うことを聞きますとなるのか、順位なんか関係ない、僕は自分の描きたいものを描きますという風になるのか、あるいは、好き勝手描いてかつ順位も1位になっちゃうというマジもんのスーパーキャラとして描かれるのか、その辺りはまだ読めなくて、新妻エイジサイドのお話もどう転がるのかが分からない面白さになっていると思います。
▼メモ
・見吉がランキングの話をしてる場面で、見吉の胸の大きさが話題になってるのもギャグシーンですが、胸は大きい方がいいっていうランキングがあるのか?、そんなの人の好みで様々だろという風に考えるのか?という一応テーマと連動したシーンなのかも。
→前回:16ページ「速報と本ちゃん」の感想へ