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8月の公開初日に東京で劇場で観ており、オフでWEBでと沢山語っておりますが、本日DVDが届いて改めて視聴したので、想いのたけをば。
『劇場版空の境界』第五章「矛盾螺旋」の感想です。
劇場版、原作小説、双方のネタバレを含むので、その点を注意でお願いします。
オフでWEBでと色んな人に語っているのですが、やっぱり最終決戦前のエレベータと日本刀のシーンが凄すぎる。
と思ったら、初回限定版特典でお馴染みの「きのことたかしの一問一答」内にて、奈須さんも一番印象に残ったシーンにこのエレベータのシーンをあげていて、ああ、やっぱり五章のフィルムはここだよな、と改めてグっときました。
荒耶の螺旋(螺旋建築)と、巴くんの直線(式に託す日本刀)の話は劇場で観たときの感想でたくさん書いているのでそちらを参照にしてほしいのですが(→劇場で五章を観た時の感想)、荒耶の螺旋を突破するかの如く、日本刀がエレベータの直線運動で映されて、しまいには主観ショットになって視聴者が螺旋を突き抜けているかのような映像になるのね。で、そのまま梶浦さんの劇場版楽曲の主旋律が流れはじめて、映像がアカシックレコードに突入していくような感じになる(第六章でも同じ表現が使われていたけど、「レコード」って部分からか、円上のイメージ映像が使われています)。そこでばーっと人類の記憶のような、その中の一部にしか過ぎないような作中の式や巴くんや幹也の映像が流れていって、最後にその螺旋を突破した先に待っている映像が、『空の境界』の「最初/最後」の核心とも言える「第三の両儀式と幹也の出会いの雪景色」のシーンなのね。
そこからエレベータの扉が開いて現れた式が荒耶に向かって口にする言葉が、
「お前を破滅させたのは臙条だ」(両儀式)
あれだけ、螺旋を、アカシックレコードを抜けてきても、それこそ永遠に比べれば一瞬に過ぎなかった巴くんのことに、螺旋を貫いた直線のことに、式が言及するという。
そして抜刀される、巴くんが届けた式のリーサルウェポンこと日本刀。このエレベータのシーン→式抜刀までの流れは何度観ても神。
◇
パンフレットのクリエイター陣の制作にかけるストーリーを聞くだけでも、何か頭の中の深い部分に刺さってくるものがあります。言葉もコンテンツも溢れに溢れてすぐに陳腐化してしまう今の世の中で、研ぎ澄ましに研ぎ澄ましたものは、それでもユーザーの思考を貫くという作品。すごくアナログな人と人との関係を大事にしながら矜持を持って作っているのが感じられて、やっぱりこれからは複製による大量消費よりも、「人間」へ回帰の時代なのかなーとマジでこの作品を観てると思ったりするのです。原作がそもそも、非常にアナログで人間的というか、10年前に奈須さんの頭の中にあった四次元宇宙だというのがグっとくる。それを10年越しにプロ中のプロ達が本気の本気で映像化したという、なんか、この世に具現されたという事実だけで色々と奇蹟だなーという作品。
→DVD
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→前回:第五章を劇場で観た時の感想へ
→次回:第六章「忘却録音」の感想へ
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