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「何も言わなくていいさ」（沙慈・クロスロード）『機動戦士ガンダムOO（ダブルオー）セカンドシーズン』の視聴ネタバレ感想、第24話「BEYOND」の感想です。
◇
刹那覚醒でダブルオー空間が広域に広がって、そこかしこで作中解である「対話」が発生。
スメラギさんとビリー、マリー／ソーマとアンドレイに「対話」が発生して、この組み合わせの因縁もフィナーレに。
一方で、ダブルオー空間にありながら、結局アリーを銃殺したライルロックオン。
これ、対話による解り合いに到達できてないじゃん！っていう場面なんだけど、僕的には逆にここでこの作品の評価が跳ね上がりました。
イオリア御大と覚醒刹那のおかげで、ダブルオー空間でみんな対話できて解り合えてめでたしめでたしは、言いたいことは分かるけど、何か安易すぎるなと感じていたので、ここでカウンターの余地を視聴者に解釈を委ねる形で入れてくれたのは良かった。
「復讐の連鎖」の方のテーマは、アリーに対してすら一回銃を下ろした所で決着してると思うんだけど、その上で襲ってきたアリーを、ライルロックオン銃殺。
どうしても解り合えないヤツもいるっていう部分をリアルに描いてくれて僕としては非常に嬉しかった。そういったヤツを、作中解が提示する「対話で解り合える世界」に邪魔だからとエクスキューションしてしまうというのは、「上異種によるコントロールされた世界」というのに邪魔だからと反乱分子をエクスキューションしていたアロウズと同じなんで、ちょ、否定していた奴等と同じことやってるじゃん、矛盾じゃん！という感じなんですが、その矛盾を引き受ける役割をライルロックオンに持ってきたのが上手い。
一点、アロウズと違うのは、ライルロックオンは無機的大量虐殺とかやってたアロウズと違って、エクスキューションする対象を絞りに絞って、罪も実感を持って引き受けて引き金を引いている点。そういう意味で、無機的戦争か、罪を背負って人間として引き金を引くかというセカンドシーズンのテーマの決着の場面でもあったし（つまりモビルスーツ戦ではなく、実感がより伴う生身対生身でこの戦いが決着しているのには凄い意味がある）、何度も言うけどその役割がライルロックオンだというのが凄い。
私怨による銃殺ではなく、ロックオンとして、新しい世界に汚れ仕事かもしれないけれど必要な、「狙い撃つ」エクスキューショーナーとしての銃殺。回りがダブルオー空間による対話によって解り合っていく中、独り引き金を引くライルロックオンという絵に痺れました。ロックオンというコードネームに、「狙い撃つぜ！」という決め台詞、全てここに持ってくるためにたぶん最初から計算されてたんだなー。対話で解り合える優しい世界の裏方として、絞りに絞って、罪を背負って、悪をロックオンして狙い撃つ役割に落ち着くためにあった二代ロックオン物語。痺れる。
ラストは沙慈とルイス。
これ、相互理解エンドの決定打は、刹那のダブルオー空間というよりも、「指輪」だって解釈したい所ですよね。
写真は全部捨てても、この指輪だけは捨てられなかった。ファーストシーズンの二人の日々には、絶対に意味があった。
これは、長期的な伏線とかあんまり考えないで視聴していて、ファーストシーズンの頃沙慈とルイスの存在の意味が分からないと言っていた視聴者にも当てはまることだけれど、あの何気ない時間が、本当に大切だった、ということ。
ファーストシーズンの沙慈とルイスの別れの場面が、その後の二人を暗示してルイスが天上人の見下ろす構図（アロウズに入っちゃう）、沙慈が地上人の見上げる構図だった訳ですが、今回は対等の立場で正面から抱き合っての、相互理解エンド。
この天上と地上の齟齬、すれ違いの対立劇を乗り越えられたのは、陳腐で使い古されたような言葉だけど、『愛』だよな。広域空間に広がる刹那のダブルオー空間というSFギミックを背景に、アナログな指輪という愛の象徴でお互い「気付いた」というのがなんか凄い良かった。
という感じでほとんど決着しながら、次回最終回で最終決戦。マリナ様やグラハムといったラストカードを使いつつ、春夢の奇蹟としての超広域ダブルオー空間で、バラバラの視点で始まった物語が最後に同じ方向を向く。そこで希望を示して、また世界は始まる（再生）っていうのを希望かな。さすがにずっとダブルオー空間で人類は一つになりました、解り合えましたでは何か違う気がするので、覚醒刹那のダブルオー空間は一時の奇蹟的な位置付けにして欲しい感じ。
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→前回：セカンドシーズン第23話「命の華」の感想へ
→次回：セカンドシーズン第25話（最終回）「再生」の感想へ
→機動戦士ガンダムOO（ダブルオー）感想のインデックスへ
刹那覚醒でダブルオー空間が広域に広がって、そこかしこで作中解である「対話」が発生。
スメラギさんとビリー、マリー／ソーマとアンドレイに「対話」が発生して、この組み合わせの因縁もフィナーレに。
一方で、ダブルオー空間にありながら、結局アリーを銃殺したライルロックオン。
これ、対話による解り合いに到達できてないじゃん！っていう場面なんだけど、僕的には逆にここでこの作品の評価が跳ね上がりました。
イオリア御大と覚醒刹那のおかげで、ダブルオー空間でみんな対話できて解り合えてめでたしめでたしは、言いたいことは分かるけど、何か安易すぎるなと感じていたので、ここでカウンターの余地を視聴者に解釈を委ねる形で入れてくれたのは良かった。
「復讐の連鎖」の方のテーマは、アリーに対してすら一回銃を下ろした所で決着してると思うんだけど、その上で襲ってきたアリーを、ライルロックオン銃殺。
どうしても解り合えないヤツもいるっていう部分をリアルに描いてくれて僕としては非常に嬉しかった。そういったヤツを、作中解が提示する「対話で解り合える世界」に邪魔だからとエクスキューションしてしまうというのは、「上異種によるコントロールされた世界」というのに邪魔だからと反乱分子をエクスキューションしていたアロウズと同じなんで、ちょ、否定していた奴等と同じことやってるじゃん、矛盾じゃん！という感じなんですが、その矛盾を引き受ける役割をライルロックオンに持ってきたのが上手い。
一点、アロウズと違うのは、ライルロックオンは無機的大量虐殺とかやってたアロウズと違って、エクスキューションする対象を絞りに絞って、罪も実感を持って引き受けて引き金を引いている点。そういう意味で、無機的戦争か、罪を背負って人間として引き金を引くかというセカンドシーズンのテーマの決着の場面でもあったし（つまりモビルスーツ戦ではなく、実感がより伴う生身対生身でこの戦いが決着しているのには凄い意味がある）、何度も言うけどその役割がライルロックオンだというのが凄い。
私怨による銃殺ではなく、ロックオンとして、新しい世界に汚れ仕事かもしれないけれど必要な、「狙い撃つ」エクスキューショーナーとしての銃殺。回りがダブルオー空間による対話によって解り合っていく中、独り引き金を引くライルロックオンという絵に痺れました。ロックオンというコードネームに、「狙い撃つぜ！」という決め台詞、全てここに持ってくるためにたぶん最初から計算されてたんだなー。対話で解り合える優しい世界の裏方として、絞りに絞って、罪を背負って、悪をロックオンして狙い撃つ役割に落ち着くためにあった二代ロックオン物語。痺れる。
ラストは沙慈とルイス。
これ、相互理解エンドの決定打は、刹那のダブルオー空間というよりも、「指輪」だって解釈したい所ですよね。
写真は全部捨てても、この指輪だけは捨てられなかった。ファーストシーズンの二人の日々には、絶対に意味があった。
これは、長期的な伏線とかあんまり考えないで視聴していて、ファーストシーズンの頃沙慈とルイスの存在の意味が分からないと言っていた視聴者にも当てはまることだけれど、あの何気ない時間が、本当に大切だった、ということ。
ファーストシーズンの沙慈とルイスの別れの場面が、その後の二人を暗示してルイスが天上人の見下ろす構図（アロウズに入っちゃう）、沙慈が地上人の見上げる構図だった訳ですが、今回は対等の立場で正面から抱き合っての、相互理解エンド。
この天上と地上の齟齬、すれ違いの対立劇を乗り越えられたのは、陳腐で使い古されたような言葉だけど、『愛』だよな。広域空間に広がる刹那のダブルオー空間というSFギミックを背景に、アナログな指輪という愛の象徴でお互い「気付いた」というのがなんか凄い良かった。
という感じでほとんど決着しながら、次回最終回で最終決戦。マリナ様やグラハムといったラストカードを使いつつ、春夢の奇蹟としての超広域ダブルオー空間で、バラバラの視点で始まった物語が最後に同じ方向を向く。そこで希望を示して、また世界は始まる（再生）っていうのを希望かな。さすがにずっとダブルオー空間で人類は一つになりました、解り合えましたでは何か違う気がするので、覚醒刹那のダブルオー空間は一時の奇蹟的な位置付けにして欲しい感じ。
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