![涼宮ハルヒの憂鬱 2 通常版 [DVD]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/511JSR9H5XL._SL160_.jpg)
アニメ再放送見てますので、軽く感想をば。原作まで含めてネタバレで語ってますので注意です。
長門VS朝倉、アンド、例の大人朝比奈さんが文芸部室でキョンを待っている回です。
大人朝比奈さんは、やがて来るSOS団の楽しい日常の終わりを知っている存在として、どうしても涙腺にくる。
「私とは仲良くしないで」
は表の意味と裏の意味に取れるようになってるんだよな。
表の意味は、みくるちゃんとキョンが仲良くしていたのを目撃してハルヒが不機嫌になって「憂鬱」最後の事件が起こるので、それを回避するために仲良くしないでと言っているのか? と取れる。……のだけど、わざわざその事件の最後の鍵である白雪姫のメッセージを大人朝比奈さんは伝えに来てるので、それが避けられないというのはもう前提になっているはず。なので、表の解釈ではおかしい。
なので、やっぱり裏の解釈として、この先朝比奈さんはキョンに恋をする。だけど、やがて訪れる別れ(みくるちゃんの未来への帰還)を、大人朝比奈さんは既に知っている。別れの時につらくなるから、あんまり仲良くしないでと言っている。という解釈の方がストンと落ちます。
この、「仲良くしないで」はある意味SOS団のみんなとの楽しい時間を否定しているとも取れるんだけど、朝比奈さんは本心ではとても大切な時間だと思っていて、懐かしそうに、大事なものを見るように文芸部室を見渡す。この、その後までを知ってるからこそ、大人朝比奈さんの「揺れ」が分かる。何重にもグっとくるというシーンは、タイムリー放映時にも感想書いていたけど、やっぱりイイ。
タイムリー放映後に原作の「エンドレスエイト」を読んだんだけど、やっぱりハルヒのストーリーラインの一つは、「やがて来る楽しい時間の終わり」、「それとどう向き合うか」なんだよな。
「エンドレスエイト」の時も、夏休みという楽しい時間のエンドレスループを、結局キョン達は抜け出すことを選ぶ。それは、やがて来た楽しい時間の終わりを知っている今話の大人朝比奈さんと、テーマ的に同じものを扱っている箇所。
「エンドレスエイト」では結局ハルヒ自身は「楽しい時間」の終わりに無自覚なままだったけど、みくるちゃん帰還の時はどうなるんだろうな。個人的には、エンドレスエイトを裏返すように、そこではハルヒも干渉して欲しい。「ハルヒだけ蚊帳の外」構造を、その辺りのクライマックスイベントでうち破るというのは熱いと思うんだけど。ハルヒとみくるちゃんの関係も、対象と観測者ではなく、ちゃんと友だちだった、みたいな感じで。
◇
ハルヒは孤独なんだよなー。
「あんたさ、自分がこの地球でどれほどちっぽけな存在か自覚したことある?」
「それまで私は自分がどこか特別な人間のように思ってた」(涼宮ハルヒ)
有名な野球場経験の語り。
孤独ゆえに非日常を求めたのに、現在は自分が超常存在過ぎてまだ孤独(長門やみくるや古泉も、対象と観測者という関係で一つ線引きせざるを得ず、それゆえに「ハルヒだけ蚊帳の外」構造が生まれて、孤独が真の意味で癒されない)。
「憂鬱」の最後で、そこにキョンが切り込んでいくのが感動的な訳だけれど、物語の最後には長門やみくるちゃんや古泉とも正体バレで疎通して孤独が消えていくという話を読みたいんだけどなー。
◇
孤独ゆえに宇宙に発した、「私は、ここにいる。」。2007年7月7日の、ハルヒ二期決定の一面ティザー広告が載ってる朝日新聞はまだとってますよ。マジで二期突入しないかなー。
![涼宮ハルヒの憂鬱 2 通常版 [DVD]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/511JSR9H5XL._SL160_.jpg)
涼宮ハルヒの憂鬱 2 通常版 [DVD]

涼宮ハルヒの憂鬱 超月刊みくる
→前回:タイムリーTV放送時の最終回感想へ
→次回:二期開始:第08話「笹の葉ラプソディ」の感想へ
→『涼宮ハルヒの憂鬱』アニメ版感想の目次へ
→涼宮ハルヒシリーズ原作小説の感想の目次へ