今週のマガジンから「波打際のむろみさん」「魔法先生ネギま!」のネタバレ感想、サンデーから「ハヤテのごとく!」のネタバレ感想です。
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●波打際のむろみさん

 新キャラの人魚さんとか、キャラクター造形的に可愛らしく訴求していけば人気も出そうなのに、結局名前が出てこないまま二日酔いの醜態を延々と描写するという作者さんはやっぱりただ者じゃないと思いました。

 またむろみさんもヒロインとして凄い。運命の愛方向のピュアピュアな恋愛話も、恋愛資本主義まっただ中みたいな消耗恋愛話も両方賑わってるフィクション業界なんですが、むろみさんは本当ただの酔っぱらってる彼氏いないOLさんです。きっと作者さんは東山魁夷の境地というか、世界のありのままを切り取って表現すれば、人間はそれに感銘できるという高みに既に達しているんだな。ただ二日酔いで転がっているむろみさんがこんなにも愛しい……。

●魔法先生ネギま!

 もの凄い面白いなー。最早初期のラブひな強化版的な、ギャルゲー文脈の美少女キャラクター漫画のテイストは薄れ、骨太な「物語」になっている気がする。

 同じダイジェストの技法を使ってると思うんですが、今回の過去編は前回よりも数倍面白い。というかもう、明日菜とネギってナギ代の物語から続く運命の二人だったのねー。まほらで二人で過ごしていた時間が、いかに先人達の想いの末に実現した奇跡的な時間だったのかと涙ぐみそうになる。

 十中八九今後焦点があたるのが、明日菜のマジックキャンセル能力。魔法世界を滅ぼしてしまう能力だった訳なんですが、きっとこの魔法世界のクライマックスでは意味合いが反転して、明日菜はもう一度フルバーストのマジックキャンセルを使うと予想。

 73時間目の四葉さんの台詞など、忌むような文脈で身につけた力だとしても、きっと意味があるっていうのがネギま!の中では何回か描かれているんですが、明日菜は自身に本質的に身に付いているこのマジックキャンセル能力を受け入れて、過去を乗り越えて使う所にクライマックスが来る気がする。それが、闇属性という常識的には忌み嫌われる属性を自身の本質として受け入れたネギのストーリーと重なっていく。『Fate』の「Heavens Feel」だよなー。「<Fateネタバレ>言峰綺麗の物語。たとえ本質が悪でも、存在には絶対意味がある、というお話。

●ハヤテのごとく!

 伊澄さんがカッコいいです。普通にファンタジーバトルをやっておられる。バトルシーンも違和感なくバトル漫画のノリのコマ割や構図です。

 しかし、アーたんが本格的に物語に関わってきて、いよいよファンタジー的な要素が強くなってきたんですが、アーたんのファンタジー攻撃に対抗できるハヤテサイドの戦力って、伊澄さんの他に誰? 神父とか?(笑)。ネギま!方式で、ヒナギクさんとかもファンタジー能力が使えるようにヴァージョンアップしてバトル要員になったりするんだろうか。それともナギが科学の力で対抗するんだろうか(笑)。

 地味に幼少時に出会った運命の人が襲ってくるというのはフォーマット崩しなエンタメだよなー。「キャンディキャンディ」だったら、アルバートさんがめがっさ敵になって襲ってきた的な。

DVD付き初回限定版『魔法先生ネギま! 28巻』
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ハヤテのごとく! 21 (少年サンデーコミックス)
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