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高尚か高尚じゃないかとか、売り上げとして何万部売れたとか、相変わらずひたすらランキング・外部評価にこだわり続ける岩瀬さんと、そんなの関係ないと本質的に非ランキング側にいるシュージンという構図。
この辺りは、ランキング志向キャラの岩瀬さんを置きつつ、反対の非ランキング・好きなこと側に見吉がいるっていう中学時代の話から変わらない構図。世間的外部評価、ランキングでは見吉は岩瀬さんに敵う所は何一つなくても、シュージンが好きなのは見吉だという。
そして、静河くんというキャラの存在が、一気に最近の「バクマン。」を面白くしていると思う。そういう位置づけだったのかと気付いたのに、一つは岩瀬さんの高尚か、高尚じゃないか問題に絡んでいるキャラだという点。文学は高尚、漫画は低俗、という比較自体がおかしいとは一般論だけど、じゃあウケるならひたすら人をぶった斬っていくゲームもアリなのか? という高尚文学路線の岩瀬さんのカウンターキャラ。岩瀬さん贔屓に言えば、どこかで高尚文学が担う部分がないとフィクションは度を行きすぎた衆愚・低俗に落ちる、とも言えるし、静河くん贔屓に言えば、高尚文学なんていう綺麗事の方がおかしい、お前らがバカにしているひたすら人をぶった斬っていく快感でエンタメできるフィクションの方が本当のエンターテイメント、人間ってそんなもんだ、ということになる。
さらに静河くんにはもう一つ役割があって、ランキング是か非かに恋愛を絡めて描いている、シュージン、蒼樹さん、中井さん、岩瀬さん、見吉……辺りの現在のメインストーリーラインを、根本からブッつぶす存在として作中に潜伏している。つまりは、ランキング是か非か対立とかしつつも、しょせんお前らはリア充じゃないか、という。人間が好きという前提の人間関係劇なんて茶番で、俺は人間が嫌いだと。現在のメインキャラクター達が立っている土台をまとめてブっ潰してやる、的な。
これだけだと作中のネガティブ要素、邪悪要素になりがちなんですが、それでも新妻エイジは彼を認めている訳で、クリエイターの世界では、そんな邪悪な衝動すらアリ、という話なのかもしれない。
静河くんがちょいキャラじゃなくてちゃんとメインストーリーに関わってくるって分かってから数段面白くなったわー。

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