夏に上京した時に劇場で鑑賞しておりましたが、まだ感想を書いてなかったので、本日DVDが発売したのを機会に簡単にネタバレ感想です。
全部凄かったんですが、映画という媒体ならではの部分では映像+音楽が凄かった。
白純里緒を殺すところ、原作では詩が挿入されるんですが、そこをどう表現するんだろうというのは、劇場版最終章を見に行く前に楽しみにしていた所でした。原作からして、なんでいきなり詩が!?という攻めてる表現なんで、これを映像化するのはさぞ難しかろう。どちらかというと、劇場版ならではのアレンジなのかな、と。
で、結局のところ、劇場版もそのまんま慣行。そして、坂本真綾ボイスの式の詩の詠唱に、劇場版空の境界楽曲の総決算的な梶浦由記楽曲、写実とアニメーションの隣接点をエッジで攻めてるような超映像と相成って、凄まじいシーンになっておりました。
きみがいて、わらっているだけで
の原作フレーズの所で圧倒された。各章の主題歌にそったアレンジが毎回加えられている戦闘曲も、式の殺人という一瞬を何枚にも切り取ったシーンで荘厳に流れていたのが凄かった。
しかしこのシーンは改めて映像化されても凄いなー。
劇場版もそこに焦点を絞っていたけど、あれだけ自身の本質、起源だとしても殺人はいけない、幹也がいれば乗り越えられるかもしれない……と物語が展開してきたのに、それでも式は白純里緒を殺すというのが凄い。生かしておいたらこいつは他の人間の害になるとか、そういった一般倫理的な部分ではなく、ひたすら自身の本質と、それでも関わってくれた幹也、自分の中に生きている祖父の言葉、そういうもろもろの内面にダイブしていくような思索の末の結論としての殺人。まさに殺人考察。
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