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 時期的に遅れてた感じですが、「けいおん!」DVD(&Blue-ray)7巻収録の、TV未放映エピソード「ライブハウス」の感想です。コミックス3巻、及び「まんがタイムきらら」で現在連載中の分の話までネタバレで踏まえて書いてますので注意です。そこまで言及しないと、このエピソード(+たぶんアニメ二期の主題も)の意味を語りづらい。
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 「まんがタイムきらら」現在連載中分で、唯、澪、律が同じ大学を目指して受験勉強を開始してるんですが、原作の今後及びアニメ二期の主題は、たぶん「輝いた時間は終わるのか」VS「終わらないのか」。

 輝いてる今の時間=ライヴ、だけどその時間もやがて思い出になる=カセットテープ、写真、でそれぞれ象徴的に表現されていたのが「けいおん!」アニメ一期だった訳ですが、原作では、まだまだ「輝いた時間=ライブ」は続けられるんじゃないか? 私達の努力次第で! という所に現在は主題が置かれています。それこそ、アニメ一期の最終回で紬がこの時間を終わらせたくないと願ってアドリブで演奏を続行したシーンの続きを描いているかのように。

 そういう意味で、この番外編のさわちゃんとライブハウスのマネージャーさんの再会シーンと会話は、明らかに唯達の将来のifとして描かれていました。かつてこの話の唯達のようにステージの上で「輝いた今」を共有していたさわちゃんとマネージャーさんも、もう何年も会わずに、それぞれの職に就き、それぞれの人生を送っていた。

 唯達も、やがてはこの回のさわちゃん達のように、それぞれの現実を生きて、別れ別れになってしまうのかもしれない。けれど、唯達の未来はまだ確定していない。何故なら、唯達のメンバーには唯がいるから。番外編「冬の日」が、やがてバラバラになっていくメンバーの未来を暗示させながら、中盤に唯からみんなに一斉に送られてくるメールでその不安が一撃で払拭されるというエピソードだったんですが、唯はさすがに主人公で、そういう謎の能力が設定されているから。

 さわちゃんとマネージャーさんのシーンは、しみじみしながらも、一種のバッドエンドでもある。演奏を終えて、みんながバラバラになった未来(もちろん否定されている訳でもないけど)。

 それに対して、アニメ最終回、及び原作の現在進行中のストーリーで描かれているのは、演奏を止めなきゃいけないなんて、誰が決めたんだ!?というお話です。将来はニートか云々の話から物語が始まったり、アニメ最終回で唯が軽音部に入る前の自分に対してこのまま何となく大人になってしまうのかと不安に思っていたとモノローグしていたり、大人になること、将来への諦観が意識させられるように作られてる作品なんですが、それはあくまで乗り越えるべき課題として作品に盛り込まれているということ。受験も就職もあるかもしれないけれど、努力次第で、輝いた時間は、ライヴは、どこまでも演奏し続けられるはずだ、という挑戦。おそらくそれが原作の今後、及びアニメ二期「けいおん!!」の主題。

 鍵を握っているのが、一期最終回でアドリブで演奏を続行した紬というのも熱い。お嬢様なので、経済的な理由からは受験や就職に立ち向かう必要が必ずしもない紬が、それでも唯、澪、律らの受験勉強に合流するのかどうかがキーになっています(「まんがタイムきらら」掲載分には、紬の掘り下げエピソードが多くなってます)。

→終わらない演奏

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→前回:けいおん!コミックス3巻の感想へ
→前回:アニメ最終回〜特別編の感想へ
→次回:第二期「けいおん!!」第1話「高3!」の感想へ
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