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 約二週遅れで仙台でも放映が始まった「けいおん!!」の、第1話「高3!」のネタバレ感想です。
 コミックス3巻、及び「まんがタイムきらら」で現在連載中の分の話までネタバレで踏まえて書いてますので注意です。
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 あと1枚で12枚になる花びら、さわちゃんの「1年って早いわよ」という台詞、そしてラストであずにゃんがあと1年はこのメンバーだけでやりたいと決意するなど、何かとあと1年というのが強調されている出だしで、がっちり「まんがタイムきらら」連載分と主題が連動しております。

 つまり、カセットテープや写真、かつて唯達の時間にいたさわ子先生、などなどを印象的に使いながら、「やがて想い出に変わってしまうかもしれないけれど、輝いている今」というのを描いてきた第一期「けいおん!」に対して(だから「今」=「音楽のライヴ」が比喩になっている)、さらに「やがて終わる」という部分が意識される作劇になっています。こんな輝いている軽音楽部の時間も、あと1年で終わってしまうという。

 なんですが、「けいおん!」の凄い所は、「まんがタイムきらら」連載分の原作が、この「やがて終わる」を当人達の努力で回避しようとする展開に入っている所。

 唯達が受験勉強を開始している訳ですが、学力的にロースペック(表面的には)な唯や律っちゃんでも、頑張って勉強して同じ大学に入れば、まだこの「輝いている今」は続けられる、という展開。

 「あずまんが大王」辺りからの系譜と捉えて「日常系」なんて言葉で語られがちな「けいおん!」なんですが、単純な日常賛歌ではなくて、どうやら物語はその日常を勝ち取るために戦う場面も必要、という所に入っていきそうな雰囲気なのです。

 確かに、みんなで限られた椅子を目指して競争する、本当の武道館を目指してキリキリとしなくても、学祭の講堂ライヴには、武道館ライヴにも匹敵する「今」の輝きがある(ここまでがアニメ第一期最終回)。

 だけど第12話ラストでアドリブでライヴの続行を唯達が望んだように、続く番外編(第13話)ではこの輝いた時間が終わってしまう不安が描かれたように、その後の物語としては、本当にこの「今」という時間が輝いているのだと思ったなら、どうやって続けていくのか? というフェーズに入ってくる。その時、武道館ライヴを目指すのとは別な形での、努力が必要になってくる(受験勉強など)。

 これ、現在「まんがタイムきらら」連載中の分だと、受験勉強しなくても一般的な幸せが約束されている紬(お嬢様なので)がどうするのかというのと、残ったあずにゃんはどうするのかという二つの課題が平行して描かれているんですが(だからこのアニメ二期第一話でも、唯達が卒業した後はあずにゃん1人という部分にフォーカスがあたっている)、全部乗り越えて大学バンド編に行くような気がしてるんだよなー。作風として、やはり全てはカセットテープになって、写真になってしまいました、切ないねーで終劇というのはどうもしっくりこない。アニメ一期最終回の「終わらない演奏」を、リアルでも唯達はキメてみせる。こっちの方が、この作品としてはふさわしい気がしてるんだなー。努力しないでも充実した時間(放課後のまったりティータイムなど)を勝ち取るために努力する、というのは、とても現代に生きる人達の共感を得られる主題な気もしますし。

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けいおん! (1) (まんがタイムKRコミックス)
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→前回:けいおん!コミックス3巻の感想へ
→前回:番外編「ライブハウス」の感想へ
→前回:アニメ第一期最終回〜特別編の感想へ
→次回:第二期「けいおん!!」第2話「整頓!」の感想へ
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