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ToLOVEる力が高かったです。
アニメ、原作小説、そして今回の矢吹先生の漫画版と順番に触れてきたので、メディアミックスについて考えさせられました。
実際の所、三種類ともそれぞれの強みを生かしていて良かった。おそらくこの作品はメディアミックスの成功例。特に矢吹先生の漫画力、というか原作の漫画への変換力は恐れ入ったというレベル。原作の活字で数時間かけて読む分をわずか一話に圧縮しちゃってるんだけど、足りないというよりはテンポ良い、漫画ならこうだよなという風に仕上がっています。パンチラ、お風呂、乳首修正、アクシデントでセクハラと、ToLOVEる力全開に変換されているのも良い。ツンデレ幼馴染み、芹沢文乃が可愛ければいいじゃない! という基本思想が最早極まってカッコいいんですが、文乃がToLOVEるワールドに居たら? 的な扱いになっています。活字だったあのシーンこのシーンを、何故かパンチラしつつ・セクハラされつつのシーンに変換。凄い職人芸だ。
そして、ToLOVEるワールドも何も、原作も同じ集英社なこともあって、矢吹ワールドと『迷い猫オーバーラン!』ワールドが普通にコラボしています。洋菓子店ストレイキャッツにケーキを買いにきたお客さんが美甘だったりと、普通にこの世界にToLOVEるキャラが生きている。世界観融合的なことをやってみたいとは矢吹先生『BLACK CAT』終わった頃から書いてましたが、それは『ToLOVEる』で実現して、『迷い猫オーバーラン!』で成熟期に入ってる印象。乙女姉さんとかドンパチごとにも巻き込まれてそうな設定なので、普通にトレインとかも出て来そうだ。
あと何気に巻頭のカラー絵三枚目の文乃が、昔の矢吹先生塗りっぽくて好み&懐かしい。表紙絵とかはアニメーションとのコラボを意識してる感じにしてるんだと思うんですが、この三枚目は『BLACK CAT』の頃からの矢吹絵。十字架モチーフもイヴを想起させられて、妙に郷愁感的なものを感じた。ふう、『BLACK CAT』のイヴ表紙でコミックス衝動買いしたり、ジャンプの感想書いてたりしたのはもう学生時代で、個人的には随分昔の印象。何気に長期間一線で描き続けてる矢吹先生はプロ中のプロだ。というか本日(5月3日)早朝時点でAmazonコミックスランキング1位とか凄い。ジャンプでゴジラの撮影に参加してキャッキャしてる記事が載ってた頃が懐かしいぜ……。SQ掲載の萌え漫画が、本誌のバトル漫画を押さえてWEBメディアでは1位とったりというのにも何かしら時代を感じる。矢吹先生個人にだけ限っても、バトル漫画から萌え漫画に移動してヒットしてるのが、敵を設定してガツガツ戦っていく物語が作りにくくなって、むしろ「けいおん!」が流行る、みたいな時代性と連動してるのかもなー。

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→前回:「迷い猫オーバーラン!」アニメ第1話の感想へ
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