めだかちゃんの能力は、単純に相手の能力を手に入れるだけではなく、手に入れた上で完成させて体現するというもの。
これで、めだかちゃんの能力の伏線になっていたと思われる、統計学上あり得ない支持率をめだかちゃんは誇るという部分も説明された感じ。つまり、みんなはめだかちゃん個人を支持している訳じゃなくて、めだかちゃんが体現している自分の完成系を支持している、みたいな感じ。最近の完全に他人とかどうでも良くて世界は「自分」で出来ているみたいな都上の話とも繋がる展開。みんな、大事なのは自分だ! 的な。
そういう訳で、みんなめだかちゃんを見ていると言うよりは、めだかちゃんの体現している完成された自分を見ているので、めだかちゃん本人は孤独。というかじゃあめだかちゃん単体の「個」はどこにあるんだと言うような話になってくる。
で、能力を完成させて体現するめだかちゃんの能力を、能力を手に入れる都上が手に入れたら? みたいなロジックゲームみたいな引きなんだけど、めだかちゃんがむしろ自分から渡そうとしてマイナス面に言及しているのは、この「孤独」な気がする。都上、能力や設定のわりにあんまり孤独に悩んだりしてないんですが、めだかちゃんの能力はどうしても孤独になる。現に、めだかちゃんが都上自身に辿り着けなかった「自己支配」という完成系を見せつけた途端、都上はめだかちゃん個人よりも、そこに体現された自分の完成系ばかり見ている。「世界は自分」という都上の思想自体をめだかちゃんが越えないと勝利としてはすっきりしない訳なので、「世界は自分」が「孤独」に裏返るなら、オチとして大事な他人のために信条を捨てたくじらとも対照になって綺麗な気がするんですが。
めだかボックス 5
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