近親恋愛ものだったのか!
事前情報仕入れずに観てみたんですが、意外と文芸風味で好みでした。いや、最後のおまけパートとか悪ふざけ的で、萌えにエロにをこなしつつ文芸要素も出さなきゃならない最近のクリエイターさん達(特に深夜アニメでしょうか)は大変だなとも思ったんですが。
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冒頭が「トンネルの中の電車の中で二人きり」という密閉空間から、トンネルを抜けて空へと広がっていく映像から始まっていたり、オープニング中の密閉空間の中の妹さんと、空の下で他のキャラクター達と人間関係を構築している主人公&妹さんという絵。そして主人公と妹さんが幼少時にキスしたのは診察室という密閉空間……などなどと、主人公と妹さんの近親恋愛は何かしら密室的で閉ざされたものとして第1話から表現されています。
対照的に、お隣さんを始め、他のヒロインとの恋愛要素は「空の下」での出来事。空の下の世界で色々と他のヒロインとのフラグを立てまくる主人公に、密室の中にいる妹さんからメールが送られてくるんだけど、主人公には届いて(気付いて)いないという、わりと過酷な出だしでありました。妹さんとの密室近親恋愛か、空の下での他のヒロインとの恋愛か、というシーソーゲーム。
これは原作がギャルゲーというヒロインごとに複数のエンディングルートがある作品であることを考えても、アニメ作品として作り手がどう料理してくるのか興味が沸いてくる構造です。
ざっと、三通りのエンディングが考えられます。
1.妹さんとの密室恋愛成就エンド
物語的には悲劇エンドになりやすいです。心中エンドとかの救いが無いのもこれで。
2.空の下での、他のヒロインとの恋愛成就エンド
妹さんとの密室的な関係は物語を通して棄却されて、二人のセカイは外に開かれる。外の世界で他のヒロインと普通に恋愛する……というわりと王道で無難なエンディング。
3.空の下で、妹さんと恋愛成就エンド
ある意味一番熱いかも。精神的な密室感は乗り越えた上で、それでも過酷でも妹さんとの恋愛を続けるというエンディング。
思いの外面白かったです。1クール作品なのかな? 楽しみ。
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そして第1話だからというのを差し引いても、映像がもの凄く綺麗でした。オープニングは思わず10回くらい観てしまったなー。おそらくテーマ上「共同体」を描写しなくちゃいけないから(妹さんとの密室の対比要因)力を入れているのか、「田舎の街」という背景美術がもの凄く綺麗なだけでも惹かれた第1話だったのでした。

ヨスガノソラ Blu-ray版1(仮)

タイトル未定

タイトル未定
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