夢の住人と現実の住人の交流・関係性の構築の話にまずはなってきている感じ。
エンギと光凪さん、メリーと主人公と、二組の「夢-現」ペアで話が進んでいきます。普通の異種族交流のテーマとしても読めるし、こういう類の児童時の夢の友だちを現実にひきづるケースは実際にもあったりなので、なんというか人間の精神の物語にもなっているのが上手い。
メリーは現実世界にも本体がいて、OPなんかみるにそっちが主人公と運命の人関係なんだと思うんですが、今の主人公との関係にはそれが特に影響してないのが良い。主人公、運命の人だからとか想い出のあの子だから要素はこの時点では全然無しに、「助けてもらったんだから、今度はこっちが力になるのは当たり前だ」という考え方一点突破。事情がよく分からないのに一旦家にメリーをかくまう橘家の面々といい、この辺りは昨年「ハートキャッチプリキュア!」で感じた「通りすがりの善意」ノリ。事情は分からないけど、ちょっとは力になってみる。またメリー側が「夢」というように虚構存在というか儚い存在なので、例え儚いものでも、一瞬の縁でも大事にしたいみたいなのが浮き上がってくる。こういう感覚は日本の作品で描かれるのが多い気がする。
あと、こう、幽霊とか夢の住人とか色々だけど、ヒロインが恋愛要素と絡んで現実体と不思議存在体とを行き来する話とか、日本人は好きなのやも。広義では『源氏物語』の六条御息所の話とかもそんなテイストの話な気が……。
他は橘のおやっさんが面白かったです。非常に良いこと言ってるしカッコいいこと言ってるんだけど、カッコ良すぎてグサっと言葉がメリーにささってる。メリーガチで悩んじゃってるんだけど、これ橘のおやっさんがきっかけだよ。自分一人でやらなきゃいけないことなはずだけど、なんでと言われると分からない!
普通の一晩の夢と、一晩の(メリーが橘家に泊まった)夢(のようなささいな儚い出来事)をかけてるんだと思うんだけど、これ、一晩の夢で終わらせなかったのおやっさんの功績じゃん。ギャグ要員のモブキャラと思わせておいておじさんあなどれない……。
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夢喰いメリー (1) (まんがタイムKRコミックス フォワードシリーズ)
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