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 ニコニコチャンネルの公式配信(こちら)で少し遅れて視聴した『魔法少女まどか☆マギカ』第8話「あたしって、ほんとバカ」の感想です。
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 「正義の味方になる」と「自分より他人」を呪文のように唱えていたさやかが、結局この世界に守る価値なんかあるのかという所に辿り着いてしまって、魔女化してしまうというお話。

 「自分より他人」はいわばお題目で、どうもさやかの本心は上條くんが欲しいという利己的な気持ちの方にあったようなので(というか揺れている)、上條くんと仁美の場面を見ていた所で、何かが切れてしまったっぽい。利己的な気持ちを抑圧してお題目を唱えていただけに(でも前回の感想で書いたように、この「自分より他人」という理想や綺麗事は尊いという描き方もしている)、世の中結局利己的で他人のことなんかかえりみないヤツがのさばっているんだという所に行き着いて、彼女の正義は幻になってしまった感じ。

 他、キュウべえを殺傷するほむらに、だけど「代わりの身体がある」と復活するキュウべえ。おそらくは世界を繰り返しているだけに一つ一つの世界には諦観してしまっているフシが感じられる(まどか以外は世界も他人もどうでもイイ感じ)ほむら。全体的に、第1話でほむらがまどかに守るべきものじゃないかと提示して、まどかが守るに足るものだと答えた、「ありふれた幸せな世界」の価値も、そこに生きる人の命も現時点での話数では軽くなっている。

 さやかもほむらも、どこかまどかが価値があると答えた「ありふれた幸せな世界」からは遠くに行ってしまっている。丁寧に住む世界が違ってしまったさやかとまどかの断絶を描いてきただけに、この辺りの描写が痛切。おまけにまどかには神的な力が備わっていて、決断さえすれば色々と覆せてしまうらしい。そんな力がアリなんだったら、それこそまどかが価値を感じていた、一度きりのこの「ありふれた幸せな世界」は何だったんだ、というような話も入ってきています。

 だけどそんな中で、まどか自身があやうくさやかへの贖罪意識からその「ありふれた幸せ」を対価に差しだそうとする所で、ギリギリでほむらが守ってくれるという絵が良い。何かしら、ほむらにとってはそれはとても大事な守るに足るものなのだと伝わってくる。

 最後どうなっていくのか楽しみです。さやかが「守る価値あるのか」と言った実は利己にまみれている汚い世界、ほむらが諦観しているような世界、そんな「ありふれた幸せな世界」に対して、まどかは結局「そんな世界から出て、過酷な外の世界(非日常のようなもの)で戦わないといけない、生きるってそういうことでしょ」と持っていくのか、あるいは、それでもまどかだけはそんな「ありふれた幸せな世界」の価値を信じて守ろうとするのか(例えば、お母さんはこの「ありふれた幸せな世界」でちゃんと戦っている)。

 構造は話題を呼ぶ感じでテクニカルだけど、案外描かれているストーリーはシンプルだと思って視聴しているのでした。

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→前回:第7話「本当の気持ちと向き合えますか?」の感想へ
→次回:第9話「そんなの、あたしが許さない」の感想へ
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