発表順は最新話ですが、ずっと感想で書いてきた、唯達の共同体が学校の中だけから外へと広がっていくお話としての「けいおん!!」として、最終回前の時間軸(劇中では夏頃)としてぴたっとハマるお話だったと思います。
「旅行の計画を立てる」かつ「海外旅行の計画(空を飛行機で飛ばないといけない)」というエピソードが、要所要所で「空」を印象的に使ってきた「けいおん!!」にマッチしていました。
空間的にも時間的にも「学校の高校三年間」という限られた場所でしか、輝いた青春、輝いた日常っていうのはできないものなのか? というのがずっと問いかけとしてあった作品だった訳ですが、最終回で唯代と梓代の関係はずっと続いていくし(高校三年間という時間の限定が外れた)、場所も学校から出ても輝いていける(高校の中だけという空間の限定が外れた)と結んだように、このエピソードでも、キーパーソンの唯が「自分の代とあずにゃんの代と、二回海外旅行に行けばいい、そうすれば何処にでも行ける」ということを言います(最終回へ向かって、この頃から唯はずっと世代間とか時間的限定とかを無効化している)。そして、海外でもずっと放課後ティータイムだという語りに繋がり、これまた最終回に向けて、空間的な限定も外れていきます。夏フェス直後の時間軸という情報がエピソードに入ってるので、夏フェス回の唯の、
「こんな広い所で、ずっと音楽が流れてるなんてね」(唯)
を受けてのエピソードだということが分かります。輝いた時間、音楽、そういうものは、学校の部室の中だけじゃなくて、何処でもやれる。だとしたら、海外もあると、今回のエピソードに続いていきます。海外でも、何処でもずっとずっと輝いた放課後をやってみせるという、学園祭ライブ回の唯のラストMCの台詞に繋がっていく考えが、この時間軸から既ににじみ出ている、というエピソード。
『まんがタイムきらら』で連載が再開した大学編もすこぶる面白く、今冬には劇場版も公開予定と、劇中の決意表明だった「どこでもいつでも輝いた時間は続けられる」をリアルでも地でやっている感じです。とりあえず、劇場版は僕も見に行きたい!
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