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 NHK朝の連続テレビ小説『おひさま』の本日放送分(5月13日分)の感想です。
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 異様に面白くて戸惑っています。『てっぱん』も近年の中では思わずじっくり観てしまうほど(特に終盤)面白かったですが、『おひさま(公式サイト)』も凄い。過去軸と未来軸の二段構成という凝った構成といい、主題といい、本気さを感じます。

 特にここしばらくの話で凄いと思ったのが、川原さんが満州に連れて行ってしまったタエさんと、今回上京した育子が異なる可能性の二人として対照されているであろう点。

 おそらくは意図してこの二人の結末だけは未来軸パートから先に明かされていて、育子は戦争を生き延びて現代でバリバリやっており、タエさんは満州で亡くなってしまうらしい。時代的に個人の自由意志が全体側に軽んじられるようになっていくんですが、あらゆる障害を乗り越えて個人の自由意志で上京を慣行した育子と、自分の未来の全てを川原さんに任せてしまったタエさんが、何かと異なる可能性として描かれているのだと思います。

 また、今回の真知子の婚約を拒否して父親に反抗するエピソードも、焦点が当てられているのは個人の自由意志という部分。親友の育子が自由意志を貫いて上京したのが、真知子にも伝播して父親への反抗に繋がっていく流れも上手い。また実際の歴史上どういう雰囲気だったのかは当事者じゃないので分からないけれど、少なくとも劇中では主要三人の自由意志が、それを抑圧していこうという父権性(=これが後に戦争パートの全体圧力に繋がっていく形で描かれると思われる)と向かい合う形で描かれていると思います。もはや少年漫画ノリで、『おひさま』は陽子、育子、真知子の友情パワーが、悪の戦争を乗り越えられるのか!? みたいな話なんですよ!(くわっ)

 ちなみに本日の一番の見所は、"安曇野の帝王"と呼ばれる真知子父VS"一製紙業従事者"の陽子父。

 「ここは俺の家だ!」(陽子父)

 経済力も権力もある真知子父にこの台詞を吐く陽子父がカッコ良かった。今後一般市民が個人のことより全体を優先せよという時代に入っていくので、父がここで私有財産の正統性を主張して立ち向かっていくのがカッコいい。そして、でも結局なすすべもなく家を壊されて真知子さんを連れ戻されていくのもリアル。まだ敗北パート。最後に勝利さえすれば良いので、ここは頑張って欲しい。

 そして公式サイトによると、来週から陽子の母校での教師編が始まる模様。満州に渡った川原さん(とそれに連れ添ったタエさん)に、東京に夢を求めた育子のような、「遠くに行って自己実現する」とはまた違う選択。「今、この場所でがんばる編」的な陽子の生き方が描かれていくのだと思います。

 この後戦争に突入していくのは分かっているので、始終悲劇が待っているのが前提の日常感が漂っている作品です。未来軸との二段構成は、いったい誰が戦争時代を生き残るのか? というミステリ的な面白さもあります。個人の自由意志に基づいた生き方を改めて問うという主題も時代性があると思います。中々今後が楽しみです。

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