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ジゼル・アラン (1) (ビームコミックス)  またまた最近話題の笠井スイさんの漫画、『ジゼル・アラン』をとりあえず1巻だけ買ってみたので感想です。
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 画力がヤバイくらい凄い作者さんだとは数ページめくっただけで気付くのですが(無謀にも2、3枚模写してみましたが、線の多さと繊細さに死にました)、とにもかくにも綿密に描き込まれた背景と人物で織りなされる世界観が凄いです。

 お話自体は、たぶんあえて比較的普通の出来事を描いてます。ネコを探すだけのお話とか(それもそれほど劇的なオチとかもない)、古い屋敷の掃除をするだけのお話とか。なんだけど、原稿に刻み込まれてる英国(たぶん)の雰囲気と、登場人物一人一人の息づかいがいちいち聞こえてきます。何気ない瞬間を尊いものと捉えて切り取るというのはこれ美術の世界でずっと追求されていたことだと思うんですが、例えば屋敷の掃除で肉体労働した後、屋根の上に上がって街を見下ろす。ここが見開きなんですが、確かにグっと来てしまう。個人的にも学生時代に見た、欧州のあの風景の感動を思い出してしまう。そういう作品。

 大人になったら、もう少しは出来ることも増えますよ。

 そしてこれがヒロインのジゼルに向けられた言葉なんですが、恐ろしいことにこの画力と世界観構成力に、少女性(未成熟性とでも言ってもいいかも)のような主題まで絡んでいるのです(今巻最後のお話は、定番の少年少女が秘密基地的なテリトリーを共有して大人や社会に反抗して、でも出来なくて、というお話)。もう、英国! 街! 社会! 少女! みたいな、お腹いっぱい感。

 『乙嫁語り』と合わせて、美術書を置いておくような感覚で本棚行きだった一冊。これは、二巻も買おう。

ジゼル・アラン (1) (ビームコミックス)
ジゼル・アラン (1) (ビームコミックス)

ジゼル・アラン(2)
ジゼル・アラン(2)