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 少し前の記事ですが、Twitterで目にとまったので、8年以上在宅介護生活をしてる身の上から、少し書ける話を書いてみます。


老老介護の地獄、最期の会話 83歳妻が84歳夫を刺した瞬間 (産経新聞) - Yahoo!ニュース


 まず経験上、一人で一人を在宅介護し続けるというのはリソース上、能力上、体力上もろもろ無理だと思うので、介護してる側もそれなりに人間的な生活を送りながら介護していこうと考えた場合、色々と作戦を立てる必要があると考えます。
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 特に富裕でもないという層には現状介護施設を十分に利用できる状況にあるとは言い難いですし、国側も非常に高齢者が増えた現状にあたって(今の日本は既に65歳以上の高齢者が3000万人超えの国です)、介護リソースは公的には準備しきれず、あとは各々の家庭にやってもらう方向に向かってるフシがあると見ています。そういう状況で、これから家での介護生活をする方は増えるかもしれないのですが、その過酷な在宅介護生活にあたって、とりあえずは8年以上はやってきた立場から、以下必要と思うものをあげてみます。


1. お金を稼ぐ力(市場で必要とされるだけの高度な専門性/ファイナンシャルIQ&EQ)

2. 助けてくれる人的資源。

3. 自身の実存的志向。


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1. お金を稼ぐ力(市場で必要とされるだけの高度な専門性/ファイナンシャルIQ&EQ)

 一番大事な項目で、一応続いている資本主義社会(お金が大事という社会)ですので、お金がないと介護もできません。そして在宅介護するという事柄と、外で普通に仕事をするという事柄は両立しませんので(逆に両立してる例があるなら知りたいです。託児所付企業はありますが、働いてる間要介護者を預かってくれるような企業は現在あるのだろうか。そこをクリアしたとして、夜間もトイレ介助をはじめ介護で眠れないので、睡眠時間をどうするのか→睡眠時間ゼロで人間は働き続けることはできない。睡眠時間ゼロで働いたりしたら危なくて、かえって社会のためにならないケースも)、僕の場合は自宅で仕事しながら専門性で突破して金額も稼げる形態を志向しました。形としては雇用されるのではなく、自由業という形になります。

 ネット、特にスカイプやSNSの発展で、家で介護しながらでもできる仕事が増えてるのは、わずかばかりのありがたい流れです。僕の専門性は語学ですが、英会話のレッスンはスカイプで十分ですし、指導テキストを送るのも、メールで事足ります。仕事上打ち合わせや会議的なものが発生することももちろんありますが、直接現場に赴かなくても(現場に赴くことと在宅介護が両立しないことを引き続き強調。「打ち合わせしますので●時までどこどこに来てください」「車椅子の母親も連れて行っていいんですか?」という会話を想像して頂きたい。)、スカイプやGoogleのハングアウトで十分なことが多いです。

 ただ、自分でいうのもなんですが、これはかなりの程度の実力を必要とします。その点で、在宅介護生活に突入しそうな方は、家にいながら稼いでいけるだけの実力、専門性を今から高めておく必要があると言えます。

 ファイナンシャルIQ&EQの方は、マーケティングの実力をはじめ、自分の専門性を、ちゃんとお金に替えていくための能力です。僕の例だと、僕本人に実力として語学の力があっても、集客などができなければお金には換えられません。この辺りは結局総力としての本格的なビジネスの力をつけるという話になりますので、今回の記事では深く踏み込みません。


2. 助けてくれる人的資源。

 繰り返しになりますが、いわゆる老老介護で沢山悲しいニュースも流れていますが、経験上、一人の力で一人の要介護者を在宅介護し続けるというのは、無理だと思います。人間性を保ちがたいです。我が家は父親と僕との二人で、母親一人をみてるから、ギリギリなんとかなってる状況です。それでも足りてないので、本当は、もっと複数人必要です。

 そういう意味で、在宅介護生活にあたって、まず目指さなくてはならないのは、人的な力の確保です。もう、家族でも親戚でも友人でもなんでもいいので、とにかく、複数人で一人を介護してるような状況に何とかもっていく。まずはそれを目指す。これをまずは本気でやらないとたいへんなことになります。

 そこをまず確保した上で、デイサービスとかヘルパーさんの派遣とか、適切な介護関係のサービスを加えて補っていく。そして、こういう各種サービスを使うのに必要になってくるのはやはりお金ですので、項目「1」はやはり大事だということになります。

 加えて、最近有効なのはネット上の人的交流です。ネットの交流なので、直接家に来て介護を手伝ってくれたりまでは難しいですが、困った時に色々ネット上の交流なりにお互い助け合える人たちがいると大変助かります。僕の場合だと、仕事上イラストが必要になった→ネット上友人のイラストレーターさんに依頼してみる。とか、仕事上CSSが必要になったけど僕はよく分からない→ネット上のWEBに詳しい友人に聞いてみたら教えてくれた……とかです。介護は総力でやることになりますので、こういう小さいお互いの助けがけっこう効いてきます。


3. 自身の実存的志向。

 これは言い回しがひねってありますが、ざっくり言うと、自分が生きてる意味みたいなものです。これがないと、介護生活で中々精神的に自分というものを保ちがたい。僕は一応これがあるので、苦しい時も、いやいや、まだ折れないですよ、と思えます。小説書いたり、新しいサービスの準備とかしてるのは、僕のこの類の活動ですね。やはり、全てを介護に捧げるというのは、精神的にまいってしまって結局長続きしないと思います。そういう意味で、これは介護者も自分の時間を持てるように工夫するというような類の話です。自分も大事にしつつ、介護も。それが難しいのも重々承知してますが、方針としては、やはり自分をないがしろにもしない方向がよいかと思います。

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 と、軽く書いてみました。本格的に語ろうと思うと数冊の本になりそうなくらいの話のストックがありますが、そこまで一気に書く余裕もないので、ちょくちょく断片だけ。

 もし必要としてる人に必要なタイミングで僕が書いた情報が渡ったりしたらありがたい話かと思います。