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恵さんはサービス出演な感じでしたが、久しぶりに和月先生絵の恵さんが見られて、そのサービスに満足。
お話としては「キネマ版」の最終戦と思われる剣心VS刃衛。刃衛が語る幕末は良かった、新しい時代はなんか違うだろという話は、キネマ版でも描かれてきたように、どこかで剣心自身の心情でもある。瓦斯灯(ガスライト)が、剣道が尊いのは分かる。だけど自分は無謬にはそれに乗れない。
天翔龍閃でも決まらなかったのは、不殺のせいという刃衛の言葉を表に出しながらも、どこかで剣心も過去(幕末・その亡霊的象徴としての刃衛)を断ち切れない迷いのせいという描き方になってると思いました。この辺りの情趣はさすが。
ラストは薫が刃衛に刺された所で引き。これどうなるの。
テーマを最優先するのだったら、原作でも薫を殺すべきだったという趣旨の和月先生のコメントはわりと有名だと思うのですが(ただ、この話はそれでもハッピーエンドにある意義とはという話とセット)、リビルド版たる今回のキネマ版はどう決着つけるのだろうか。過去から未来(象徴は薫)へという一番の核は変わらないんじゃないかとは思ってるのですが。
しかし、原作コミックス全28巻も新しい読者さんには読んでほしいと言いたくなる展開。この剣心が過去から未来へ分岐する辺りは、夢に巴さんが出てくるあの場面が、やっぱり静かに胸にくると思い出すのでした。

るろうに剣心─特筆版─ 上巻 (ジャンプコミックス)

るろうに剣心 完全版 全22巻 完結セット (ジャンプ・コミックス)
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