『翠星のガルガンティア(公式サイト)』第1話「漂流者」の感想です。
 ネタバレ注意です。
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 人類の文明の進歩が最先端までいった場所では、人類銀河同盟なるものが怪獣的な存在と超技術で非常に壮大に宇宙戦争をやっているのですが、そこはもう個人の睡眠までコントロールされて種の勝利に尽くす、みたいな場所。

 そんな場所から主人公のレドが戦闘中に漂流して、人類原初の惑星地球に漂着するまでの第1話。この超文明・超技術最前線から、文明原初・(相対的に)技術が未開的な地球まで、一気に主人公が移動する振れ幅は面白いと思いました。当然、前者の構造の中にいた時の自分と、後者の構造の中にきてしまった自分は違ってくる。だから、改めて問いかけられる。宇宙はこんなにも広大で、文明や技術は進み続けるけれど、そんな中にいる俺、自分、個人って、何だろう、と。アヴァロンに行けたとしても何したらいいか分からないとか、いざ未開的地球に来てみたら非論理的な行動をとってしまうとかのシーンが、一主人公のレドの存在の振れ幅を描いていた感じ。背景の世界観が壮大な分、そんな中の一アイデンティティの俺って何なの、みたいな。言語が通じないというのが、アニメのわりに本格的に描かれているのですが、海外でしばらく暮らした経験がある方とか感じる所があると思うのですが、これは本当アイデンティティが揺さぶられるのです。鏡として自分を同定してくれるはずの他者(昔の読者さん的には『コードギアス反逆のルルーシュ』の話とか)と、そもそもコミュニケーションが取れない。さぐり、さぐり。面白かったです。

 劇外視点的には、もともとは18禁ゲームのシナリオ出身の虚淵玄さん脚本で、18禁漫画家の鳴子ハナハルさんキャラクターデザイン原案というのは、日本製アニメーションの原動力はエロス、それを世界に向けていくとしても、肥沃なエロス土壌(+実はバイオレンス土壌も大事な要素)とかないと、芽も花も咲かないんだよ感が感じられてカッコいい。表面的に無難にパッケージ化するのじゃなくて、日本製アニメはこういう無難じゃないけど何故か広範囲にも訴求し得る、という謎の求道でいってくれたら嬉しいなどと個人的には思っております。

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