アニメ『とある科学の超電磁砲S(公式サイト:音注意)』第1話「超電磁砲(レールガン)」の感想です。
 ネタバレ注意です。アニメ「とある科学の超電磁砲」第一期および、アニメ「とある魔術の禁書目録」第一期のネタバレも記事中に含まれますので注意です。
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 僕が考えるアニメ『とある科学の超電磁砲』の主題というか基本物語構造は、「システムVS人間」。繰り返されるシステム的な構造描写の中で、それでも光る人間描写を汲み上げていく作品。なので、レベル5のレールガンとしてシステム側の人間でありながら、個人としては一人の人間的なものを欲している御坂美琴が主人公となります。システムの最上位の人間と広範囲に認識されながら、内面の人間的な孤独を知ってる人は稀、という描かれ方で進んでいきます。

 アニメ第一期終盤でしつこく美琴をシステム扱いするラスボスに対して、人間的な繋がりでできた友達の佐天さんのアナログなバッドの一撃をきっかけにシステムが崩壊、美琴は己のアイデンティティをかけた超電磁砲(レールガン)を撃ち放つ! と、このテーマで進めていって一旦美しくまとまってもいるのですが、この第二期も引き続きこの主題は継続されていると思いました。新しくでてきた女王なるキャラの、精神コントロールはたいへんシステム側の能力っぽい(取り巻きすらシステム的能力でコントロールしてしまう女王と、アナログに人間として触れ合ってる佐天さんら美琴の友達とを対比させる意味合いと感じました)。広報されてる内容から推測するに「とある魔術の禁書目録」のシスターズ編のリビルドなり別側面なりを描くなら、あれももろにシステム的な文脈で「個」を複製化されすぎてアイデンティティが壊れかけた美琴が、再アイデンティティを獲得する話です。

 今話に限っては第一期一話(この第一期一話の脚本とコンテが、近年のアニメの中でも目をみはる水準だと個人的に思ってるのですが)を少しリフレインさせてるかのような内容で、佐天さんが実践的に美琴のフォローを果たしたり、美琴が明確に「友達」を口にしたりと、第一期を踏まえて進展してる所は進展してるという、粋な演出だと思いました。第一期一話と同じく、ラストシーンからテラカッコいいオープニングに突入していくところが良かった。主題歌を歌うfripSide自身もレベルアップしてるようでメタにカッコいい。また現在の技術で高水準のアニメ見せて欲しいと、期待なのでした。

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