アニメ『Free!(公式サイト)』第5話「試練のオープンウォーター!」・第6話「衝撃のノーブリージング!」の感想です。
 ネタバレ注意です。
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 作品全体としても、幼少時のスイミングスクールが経営破たんして取り壊される所から、学校のプールを修復しながら新しい水泳部へ、という、過去の破綻(遥と凛の人間関係が中心)から、新しい何かへと進んでいく話だと思って観ております。

 そういう中で、この第5話と第6話で描かれていたのは、「過去の悲しい出来事を、今の仲間で共有する」という話だと思いました。だから、遥の旧友親友である真琴と、新しい人間関係の象徴である怜の二人に焦点があたってると思うのですね。

 真琴の海が怖くなるきっかけになった過去の悲しい出来事。それをなかったことにして付き合っていくんじゃなくて、新しい人間関係の怜も含めて、ある種、傷を共有する。だから、深夜の無人島での打ち明け話パートは結構重要場面なんだと思うのですよ。怜の恥ずかしかった話シリーズとか、ギャグ調のシーンだけど、マイナスなことも共有できる仲間であろう、というなかなか重要な場面。

 そして、そんな人間関係を進展させていく四人を、江ちゃんが、なんであの中にお兄ちゃんがいないんだろう、と眺めている人間関係。過去のマイナスな出来事、傷、関係のお話、メインの物語として、凛が負った精神的な傷とか、遥と凛の関係とか、そういうお話がまだ残ってますからね。真琴の傷は今話で仲間に共有されたけど、凛が現在なんであんなにやさぐれてるのか、凛の気持ちはまだ四人に伝わっていないという。

 話数的に(1クール作品だったはず)、一度破綻したリレー組んだりして楽しかった四人の過去、に、何らかの形で凛も再合流して(そこに凛の傷やマイナスの共有という物語が入ると予想)、怜なんかも加わった新しい何かが始まっていく、辺りまでを描くのだろうか。

 現在の凛と遥の距離には、より速くを目指して水泳留学までした凛と、ある種泳げればそれでいい遥という、『けいおん!』で言ったら本当の武道館目指して競争するか、放課後の講堂が私達の武道館で良いか、くらいの思想的対立もあるので、その辺りにどう折り合いをつけていくのかも楽しみです。





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→次回:『Free!』第7話「決戦のスタイルワン!」〜第12話(最終回)「遥かなるフリー!」の感想へ
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