週刊少年ジャンプ連載分の「黒子のバスケ」230Q「受けてやろう」の感想です。
 ネタバレ注意です。
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 最後のコマも含めて、方瞳だけ描かれてる赤司君のカットが印象的なのが上手い。赤司くん、天帝の眼バージョンの瞳が個人能力絶対勝利主義者で、別な瞳の方はチームの連帯もありの等身大の少年、という、内部で相克してる矛盾存在みたいなキャラなのかなと解釈してるんですが、オッドアイの片方だけ描かれるというのは、どっちの瞳なの? どっちの赤司くんなの? 的描き方。

 今話も、洛山のバスケという言い方をしていて、普通にチームの連帯を尊重してるように感じられる発言もしてるんですよね。一方で過去編では個人能力絶対勝利主義の側面も強く見せていたわけで。この辺りは試合中にどう描かれるのか楽しみ。

 今夜気持ちを全部ぶつけるという前話のラストから、赤司くんの「受けてやろう」で引きの今話。赤司くんもカッコいいよ。過去編で黒子一人では何もできないし言うだけのことも構築出来てなかったのを、誠凛高校バスケ部(と前話で描かれるようなそれに連なる人たち)というものを長い時間かけて構築し、ようやっと挑む、ぶつける、という黒子もカッコいいが、そんな大きなものを「受けてやろう」って言う赤司くんもカッコいいよ。え、そんな徒党戦術、ズルくない!? と僕が孤高のラスボスだったら突っ込んじゃう所を、堂々と受けるだけの自信があるのカッコいいよ。

 あと青峰と紫原の会話とか、桃井さんの表情とか、これまでの登場人物たち(多くは今では敗北者側)が、夜の会場に集まってくるというのもなんかドラマティック。スポーツなどに打ち込んだ経験があると少し分かる感覚なのだけど、本気で打ち込んだもので自分を負かせた強者が、その後どうなるのか、結末を見たいという心情は分かる。

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