週刊少年マガジン連載の、赤松健先生の『UQ HOLDER!』(ユーキューホルダー)、第5話「旅の休息、男のロマン」の感想です。
 ネタバレ注意です。
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 前回書いた「悠久VS最新」の視点で読んでみると、今回は一応「悠久」のターン。エヴァンジェリン、「本物の古の魔法」はやっぱり凄いんだよ、と。

 舞台が温泉街なのも『ラブひな』を連想する感じになってると思うのです。作者の引き出しが足りないとかじゃなくて、たぶんメタフィクショナルな部分で意味ある感じにしている。

 『ラブひな』には有名な評論があって、ひなた荘は悠久の楽園だし、物語終盤の景太郎と成瀬川が山手線を回り続ける(つまりいつまでも終わりがこない)シーンも、終わらなさの比喩であるという。そういう悠久は楽園かもしれないけど、一方で閉塞でもある、と。

 で、疑似ひなた荘みたいな「完全世界」から終盤でみんなで出てくるのが描かれてるのが『ネギま!』だと個人的には解釈してるのだけど、その文脈で、『UQ HOLDER!』。温泉とか神鳴流の剣士とかの要素は『ラブひな』を連想させるけど、そういう舞台設定を入れて見たりしつつ、そこだけにとどまらない「その先」を浮き彫りにしていく、みたいな感じなんじゃないのかなぁ。

 刀太と九郎丸。こういう男のツートップ的体制(連載開始時のカラー表紙も、この二人とバッグに雪姫という絵)とかは赤松先生の作品的に新しいとも思うのですね。『ネギま!』終盤のネギとフェイトがこんな感じだった気がしますけど、それを近衛姓の刀太と神鳴流剣士の九郎丸でやるのが、やっぱり木乃香と刹那の文脈も背後にあるようで、「続いているけど新しい」感が出てると思うのです。

 タオルで裸を隠そうとする九郎丸と、雪姫のタオルを取って裸を見るというミッションをやる、というのはおそらく対照として描いているとは感じますが、一応心理的にまだ自分を隠そうとしてる九郎丸に、エヴァの(魔法の実力関係とかの)秘匿を取り除いてもう一歩関係性を進展させよう、という比喩になってるとは読める(笑)。次回九郎丸がタオルとって裸全開になって、友達だぜ! みたいな感じなのかな(え)。





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