アニメ『とある科学の超電磁砲S（公式サイト：音注意）』第17話「勉強会」〜第24話（最終回）「Eternal Party」までの感想です。
ネタバレ注意です。アニメ『とある科学の超電磁砲』第一期および、アニメ『とある魔術の禁書目録』第一期のネタバレも記事中に含まれますので注意です。
ネタバレ注意です。アニメ『とある科学の超電磁砲』第一期および、アニメ『とある魔術の禁書目録』第一期のネタバレも記事中に含まれますので注意です。
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人工物かつ虚構的な存在であるシスターズ＆フェブリ（両者は最終的に「妹」ワードでも繋がる）を守りたい、彼女らにアイデンティティを与えたい、という物語なのは共通ながら、前半のシスターズ編と後編のフェブリ編ではあるパラメータが違っている、というのをかなり明確に構成して描いていたと思われる第二期『とある科学の超電磁砲Second Season（Sisters,Silent Party）』。
今年の夏〜秋期のアニメだと『プリズマ☆イリヤ』なんかも同じで、まず原典作品があり（『Fate/stay night』、『とある魔術の禁書目録』）、それの公式二次創作的作品として、原典にあった要素をバッドエンド的パラメータとして解釈し、それを二次創作側でハッピーエンド的に書きかえる、という構成。これは良い意味で「二次創作」っぽい衝動が結実してると思います。『エヴァンゲリオン』でアスカのラストに納得がいかず、アスカが神になる二次創作WEB小説を書いて公開していたという本田透氏的な衝動です（え）。
で、今回原典の『とある魔術の禁書目録』のシスターズ編の何をバッドなパラメータとして解釈してるかといったら、美琴が全部一人で抱え込んだ点で、それをこの『とある科学の超電磁砲S』ではそれだけではダメだとして、フェブリ編では「外部に広く助けを求めて協力をあおぐ」に変わってるのですね。原典が干渉されてると感じる反面、こういうハッピーエンド的な物語も見たかったよね的な快感もあったのは、たいへん公式二次創作ポジション的。この公式二次創作ポジションで原典の救済をやるという構成、『仮面ライダーディケイド』とか相当早かったという話ですね。
という訳で最終回の最終戦、決め手になったのはレベル5の御坂美琴個人の超電磁砲（レールガン）でもなく、仲良し四人組だけの活躍でもなく、春上さんと婚后光子のお父さんの会社が開発していたロボだった！ というのは熱かったですよ。婚后光子のお父さんとか、外部も外部のキャラクターじゃないですか。シスターズ編が通りすがりの外部のヒーローだった上条当麻で逆転した流れだったんですが、それのバージョンアップ版。めっちゃ外部まで「助っ人」の範囲を広げれば、なお良い。春上さんもさりげなくフェードアウトして外部のキャラになっていながら、最後に「助っ人」になるとか熱かったですよ。構成、テーマ上御坂妹達が最後に活躍するのは予想していたのですが、ジャッジメントになりたかったのまで伏線で、春上さんまで「通りすがりの外部のヒーロー」としてやってくるとは予想の上を行かれたのでした（一方敵側の「STUDY」は、一定の正義はあるけど閉じた内部の集団として描かれている。）。
その「外部の助っ人の力を借りる」のルートに入るのに最初に大事なのが「最初の一人に助けを求める」として描かれてもおりました。前半のシスターズ編と後半のフェブリ編では、シスターズとフェブリが救済対象として重ねられているだけでなく、シスターズ編時点での美琴と布束砥信が、「過去の自分に起因する罪を一人で背負って外部に助けを求められない」存在として重ねて描かれていました。なので、最終戦で布束が美琴に「助けて」を伝える所から最終逆転開始とか、この第二期、テーマが本当ブレてない。
第一期ラストでは美琴が己のアイデンティティを賭すシーン（重要なことだけど、基本まだ自分一人の問題）で流れはじめた「only my railgun」が、第二期最終回では上述のように外部の助け、春上さんが持ってきた婚后光子父のロボットに、黒子と二人で乗り込み発進する所で流れはじめるとかも地味に神演出。ロボかよ！ と思いつつ、今回の第二期は、とにかく「外部の助けとの広い連携」にパラメータが入ってるんだ！ というのをとことん押していっていた点に清々しさも。近年、特に今年の創作作品にみられる、90年代的に一人で自意識の迷宮で悩んでるフェーズも、一人の超人的スーパーヒーローが活躍して何とかなるフェーズも終わって、次は「リンクによるリソースの追加と調整」でなんとか困難に対応してバッドエンド未来を塗り替えていこうぜ！ 的な流れとも合致していた感じ。
歴代主題歌連発に、みんな大活躍にロボまで出てくるよ！ な最終回はエンタメとして非常に堪能したのでした。
→前回：とある科学の超電磁砲S第9話「能力追跡（AIMストーカー）」〜第16話「姉妹」の感想へ
→『とある科学の超電磁砲S』の感想目次へ
→第一期『とある科学の超電磁砲』（アニメ）の感想目次へ
→『とある魔術の禁書目録』第1話〜第14話までの感想へ
人工物かつ虚構的な存在であるシスターズ＆フェブリ（両者は最終的に「妹」ワードでも繋がる）を守りたい、彼女らにアイデンティティを与えたい、という物語なのは共通ながら、前半のシスターズ編と後編のフェブリ編ではあるパラメータが違っている、というのをかなり明確に構成して描いていたと思われる第二期『とある科学の超電磁砲Second Season（Sisters,Silent Party）』。
今年の夏〜秋期のアニメだと『プリズマ☆イリヤ』なんかも同じで、まず原典作品があり（『Fate/stay night』、『とある魔術の禁書目録』）、それの公式二次創作的作品として、原典にあった要素をバッドエンド的パラメータとして解釈し、それを二次創作側でハッピーエンド的に書きかえる、という構成。これは良い意味で「二次創作」っぽい衝動が結実してると思います。『エヴァンゲリオン』でアスカのラストに納得がいかず、アスカが神になる二次創作WEB小説を書いて公開していたという本田透氏的な衝動です（え）。
で、今回原典の『とある魔術の禁書目録』のシスターズ編の何をバッドなパラメータとして解釈してるかといったら、美琴が全部一人で抱え込んだ点で、それをこの『とある科学の超電磁砲S』ではそれだけではダメだとして、フェブリ編では「外部に広く助けを求めて協力をあおぐ」に変わってるのですね。原典が干渉されてると感じる反面、こういうハッピーエンド的な物語も見たかったよね的な快感もあったのは、たいへん公式二次創作ポジション的。この公式二次創作ポジションで原典の救済をやるという構成、『仮面ライダーディケイド』とか相当早かったという話ですね。
という訳で最終回の最終戦、決め手になったのはレベル5の御坂美琴個人の超電磁砲（レールガン）でもなく、仲良し四人組だけの活躍でもなく、春上さんと婚后光子のお父さんの会社が開発していたロボだった！ というのは熱かったですよ。婚后光子のお父さんとか、外部も外部のキャラクターじゃないですか。シスターズ編が通りすがりの外部のヒーローだった上条当麻で逆転した流れだったんですが、それのバージョンアップ版。めっちゃ外部まで「助っ人」の範囲を広げれば、なお良い。春上さんもさりげなくフェードアウトして外部のキャラになっていながら、最後に「助っ人」になるとか熱かったですよ。構成、テーマ上御坂妹達が最後に活躍するのは予想していたのですが、ジャッジメントになりたかったのまで伏線で、春上さんまで「通りすがりの外部のヒーロー」としてやってくるとは予想の上を行かれたのでした（一方敵側の「STUDY」は、一定の正義はあるけど閉じた内部の集団として描かれている。）。
その「外部の助っ人の力を借りる」のルートに入るのに最初に大事なのが「最初の一人に助けを求める」として描かれてもおりました。前半のシスターズ編と後半のフェブリ編では、シスターズとフェブリが救済対象として重ねられているだけでなく、シスターズ編時点での美琴と布束砥信が、「過去の自分に起因する罪を一人で背負って外部に助けを求められない」存在として重ねて描かれていました。なので、最終戦で布束が美琴に「助けて」を伝える所から最終逆転開始とか、この第二期、テーマが本当ブレてない。
第一期ラストでは美琴が己のアイデンティティを賭すシーン（重要なことだけど、基本まだ自分一人の問題）で流れはじめた「only my railgun」が、第二期最終回では上述のように外部の助け、春上さんが持ってきた婚后光子父のロボットに、黒子と二人で乗り込み発進する所で流れはじめるとかも地味に神演出。ロボかよ！ と思いつつ、今回の第二期は、とにかく「外部の助けとの広い連携」にパラメータが入ってるんだ！ というのをとことん押していっていた点に清々しさも。近年、特に今年の創作作品にみられる、90年代的に一人で自意識の迷宮で悩んでるフェーズも、一人の超人的スーパーヒーローが活躍して何とかなるフェーズも終わって、次は「リンクによるリソースの追加と調整」でなんとか困難に対応してバッドエンド未来を塗り替えていこうぜ！ 的な流れとも合致していた感じ。
歴代主題歌連発に、みんな大活躍にロボまで出てくるよ！ な最終回はエンタメとして非常に堪能したのでした。
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