週刊少年ジャンプ連載分の「黒子のバスケ」237Q「甘いんじゃない?」の感想です。
 ネタバレ注意です。
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 影の能力が失われて、一旦弱者的、敗者的になった黒子をすぐには切り捨てず(戦略上の都合もあるのだろうけど)、復活を模索する、という誠凛高校。

 過去編の「キセキの世代」、絶対勝者赤司くんの前に敗北し、そのまま淘汰された(バスケを辞めた)萩原シゲヒロの物語を乗り越える、というのが現在編決勝編のコンセプトだと思うので、この展開は良い。

 前も書いたのですが、


 絶対勝者赤司君VS敗北者連合


 みたいな構図もある戦いとして描いてると思うのですね。

 一旦負けた青峰くんが黒子にシュートを教えてくれるシーンはことの他物語全体でも重要な場面だったのですね。それは例えば、敗北者萩原シゲヒロのリストバンドの片方をつけて戦う、と同じ意味合い。負けた人間にも、何かしら意義を見出して、そこから未来への何かを汲み取りたい。そこが、ばっちり優劣つけて淘汰する、という絶対勝者赤司くんの思想と違う点。

 なんで、敗北者側に落ちかけてる黒子復活の時間を、中学時代、一年次時代の敗北者、日向と木吉が活躍して稼ぐ、というのも熱い展開。

 これどうなるんだろう。この展開だと、青峰くんが教えてくれたシュートがまったく無駄になる……というのも変な感じとも思います。過去に赤司くんから与えられたアイデンティティ(ステルスバスケ)が崩壊した展開ですが、そこを乗り越えて現在から未来へ向かう段階の黒子テツヤの再アイデンティティがどう描かれるのかとても楽しみなのです。



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