週刊少年ジャンプ連載分の「黒子のバスケ」238Q「そっくりじゃねえか」の感想です。
 ネタバレ注意です。
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 いよいよif黒子たる洛山の黛さんにスポットがあたるの巻。

 昔の男に今の男の方がスペック上と解説する赤司くんは情感的に男女の修羅場状態ですが、でも絶対勝者を志向するってそういうことなんだよな。弱い存在を切り捨ててより優れた存在に絶えず代替していく志向性なので。

 そんな感じで、黒子は旧型存在として敗北者属性も付加されたので、「過去を乗り越える」と「敗北者の意義」の両面の作品テーマから、VS黛千尋の物語は熱い。また黛さんのビジュアルも儚げでカッコいいのがね、黛さんには黛さんの物語があるのであろう感が。

 これ、どうするのだろう。90年代の物語をゼロ年代に乗り越える的な文脈なら、エヴァンゲリオンよろしくで、「僕が消えても代わりはいるから」と言う黒子に向かって火神あたりが「違う!黒子は黒子しかいない!」って言って手を伸ばしてダイブすればいいのですが、できればその先を見せてほしい。

 バスケ漫画ゆえに「チーム」の要素が大事になり、それを昨今の共同体論に絡めてるがごとくなのが本当上手い。破綻した関係性に関して、スパっと勝利のためだからと代替物を用意できる赤司くんと、そうそう割り切れず後生大事に萩原シゲヒロのリストバンドの片方をつけてたりする黒子が、ちゃんと対比になっている。



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